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「動詞ingがどこを修飾しているかわかりません!」という質問に回答したら、「なるほど!これもまた"the 英語"ってやつなんですね!」と言ってくれました。


生徒さんの動詞ingに関する質問は以下の文章からでした。皆様も一緒に考えてみてくださいね。下の英文の太字の動詞ingの修飾対象が不明だという質問でした。

Rainwater strips away the topsoil, dumping it into rivers.

私の回答の前に、参考までに似たような文章もあと2つほど上げておきましょう。

Sheep or cattle ate the turnips, providing valuable manure.
The further the light has to pass through the air, the more likely it is to be scattered causing red coloration.

上記の二つの太字の動詞ingもどこに修飾をかけているのかまずは考えてみてくださいね。

YouWorldのレッスンでは生徒さんは英文をたーくさん読みます。我々の指導論として、英語力は読んだ分だけ伸びるという考えがあるからです。ですので、基本テキストの他、時事問題など、力量に応じて沢山読めるように資料を用意しています。

生徒さんがそれらのテキストを予習で読んでくる際、テキスト内の各文章の文型の判断と後ろから修飾を加えている箇所に印をつけてきてもらうようにしています。基礎文法の習得を促す為です。(こちらの記事も参考にしてみてください。→③英語が上達するプロセス⑤バイリンガルへの学習内容:基礎文法

このような予習をしてもらうと、前置詞+名詞や関係代名詞、副詞やto不定詞、さらには過去分などの修飾はどこを修飾してるの判断はさほど難しくはないのですが、動詞ingになると途端にどこを修飾しているが不明瞭になるようです。また多くの生徒さんが確かにこの動詞ingに躓きます。

この動詞ing、、、いったいどこを修飾しているんだ!?

さぁ、順を追って説明及び回答していきましょう。

話が広がらないよう、例文に準じて説明を進めますね。

課題文:Rainwater strips away the topsoil, dumping it into rivers.

まず、Rainwater strips away the topsoil, dumping it into rivers.の太字部分のitはthe topsoilを指しています。ですので、わかりやすいように書き直すと、この文章を次の通りに直せます。Rainwater strips away the topsoil, dumping the topsoil into rivers.

わかりやすいようにこの文章を和訳すると次の通りになります。

Rainwater strips away the topsoil, =雨水は表土を剥ぎ取る
dumping the topsoil into rivers. =表土を川に流す(捨てる)

で、生徒さんの質問はこの「dumping the topsoil into rivers. =表土を川に流す(捨てる)」が「Rainwater strips away the topsoil, =雨水は表土を剥ぎ取る」のどの部分を修飾しているのか?という内容でした。

皆様はどこを修飾していると考えますか?生徒さんは以下のパターンで悩んでました。

①Rainwaterを修飾し、「表土を川に流す雨水」となる
②the topsoildを修飾し、「表土を川に流す表土」となる

一見すると『①Rainwaterを修飾し、「表土を川に流す雨水」となる』が正解のような気もするのですが、これだと、全体では、『表土を川に流す雨水は表土を剥ぎ取る。』というなんとも変な文章になると感じているようでした。

ですので、生徒さんはぶつかったわけです。

dumping the topsoil into rivers、、、
いったいどこを修飾しているんだ!?

さぁ、いったいこのdumping the topsoil into riversはどこを修飾しているのでしょう?

私がした回答は次の通りです。

動詞ingは後ろから文章全体に修飾をかけることができるのです。
ですので、このdumping the topsoil into rivers
Rainwater strips away the topsoil,の文章全体に
補足説明を加えている箇所になるのですよ。
さらにこれを日本語的に考えるのであれば、
雨水は表土を剥ぎ取ります。すなわち、(それは)表土を川に流してしまう(捨てしまう)という事です。
となるのです。

英語の授業では動詞ingは「~している」という修飾に焦点があたりがちで、修飾対象が「名詞」に限定されて説明されていることが多いように感じますが、実は英語の動詞ingは、文章全体を後ろから「すなわち~するという事なのでう」というように補足説明のような修飾が可能なのです。

日本語では、「です・ます・でした」などで止めた文章に対し後ろから修飾を加えるような表現方法はありません。「です・ます・でした」などで文章を締めたら、次の文章を始めなければならないのです。しかし英語は一見すると「です・ます・でした」で閉じられているような文章であっても、さらに補足説明を加えることが可能なのです。

本日の例文をもう一度見てみましょう。

課題文:Rainwater strips away the topsoil, dumping it into rivers.

まずは本文となるのは、Rainwater strips away the topsoilです。この文章はこれで文型が完成しているので、日本語であれば、これで文章は完結します。『雨水は表土を剥ぎ取ります。』のように。しかしこの英文の文章はさらに後ろがあり、dumping the topsoil into rivers. =表土を川に流す(捨てる)と動詞ingの修飾箇所が続きます。で、このdumping the topsoil into rivers. =表土を川に流す(捨てる)は後ろから文章全体を修飾しているので、読み方は「雨水は表土を剥ぎ取ります。すなわち、表土を川に流してしまう(捨てしまう)という事です。」というように読まなければならなくなるというわけです。

動名詞修飾

日本語であれば、このような文章は当然2つの文章に分け、「雨水は表土を剥ぎ取します。すなわち、表土を川に流してしまう(捨てしまう)という事になるのです。」というようにするでしょう。しかしながら、英語は完結した文章を終わらせず、さらにうしろから補足説明を加えることができるので、日本語ではまず出来ないような今日の例文のような文章表現が作られることになるのです。

さらこのような文章、英語特有の後ろから説明を加えていく感覚が作り出していくので、前回の記事でも取り扱ったように、後ろから説明を重ねる感覚を少しでも養い始めた生徒さんは気づくことができるわけです。

なるほど、やはり英語は英語の語感があり、この動詞ingもまた「the 英語」ってやつなんですね!

この後ろから説明を加えていくような語感は日本語とは決定的に違うところであり、やはりこれこそthe 英語であり、英語という言語の言い回しを作り出していると感じてしまうのです。

最後にこの感覚の仕上げとなりますが、本日例に挙げた2つの文章も同じような理解で大丈夫です。

課題文:Sheep or cattle ate the turnips, providing valuable manure.
課題文:The further the light has to pass through the air, the more likely it is to be scattered causing red coloration.

上記のいずれの文章も動詞ingの部分は文章全体に補足説明を加えている箇所と考えます。したがって、まず初めのSheep or cattle ate the turnips, providing valuable manure.は、日本語で考えると、『ヒツジや牛はカブを食べました。すなわち、有益な肥料を提供したという事になるのです。』と読み、2つ目の文章、The further the light has to pass through the air, the more likely it is to be scattered causing red coloration.は『光が大気を通過しより遠くへ進む時、光はより散乱することになるでしょう。すなわち夕焼けを生じさせることになるのです。』と読み取ることができるようになるのです。(注:いずれの文章もテキストの説明文を抜き出したものなので文章の意味合い不明瞭な部分もあると思います。)

まとめますね。

動詞ingが前出の単語のみならず、本日の例文のように後ろから文章全体に補足説明を加えるような使い方がある事を学習し、覚えることによって、生徒さんは英語力をさらに磨いていきます。またこの英語の語感を体験し、体得していくことで、英文理解をさらに深めていくことができるようになります。

後ろから文章全体に補足説明を加える動詞ingを習得するのは英語理解のブレイクスルーの一つにもなるので、ぜひ様々な文章を読み、このような表現に一文でも多く出会ってもらえればと思います!

動詞ingによる後ろから説明の修飾はこちらの前回の記事も参考にしてくださいね。(参考までに:「文章が稚拙だ!」と悩んでいる生徒さんに助言しました。 「なるほど、こうすれば良かったんですね!」と言ってくれました。


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