双極性障害の自分を分析する試み

自己紹介

初めまして,ぴりー脂と申します.
私は23歳(2013年)の時に精神疾患を患い通院と服薬を開始しました.そして,34歳(2024年)の現在でも通院と服薬を続けています.
最初の診断名は適応障害でした.大学院進学と共に東京に引っ越し,一人暮らしを始めた時でしたので,新しい環境に適応するのが難しかったのだと思われます.
その後も通院は続き,診断名はうつ病,そして双極性障害へと変わっていきました.その間に発達障害のテストも受けたことを記憶しております.
現在は,週10時間程度ですが働くこともでき,比較的安定した状態で日々を過ごすことができています.

自分を分析しようと思った経緯

私が通っているのは心療内科で,その診察方法は基本的には問診です.精神科にも1度行ったことはありますが,初診は問診でした.問診では,前回の通院からその日までの自分を,患者がお医者さんに説明することから始まります.お医者さんからの質問に答えたりもします.
私はこの問診を10年ほど続けてきて,「果たして自分は過去数週間から数ヶ月の間の自分を過不足なくお医者さんに説明できているのだろうか?」という疑問を持つようになりました.
お医者さんは患者の発言を元に薬を出したりするわけなので,患者の発言次第で治療法が変わってしまうのです.もちろん,患者は嘘をつくことはないとは思いますが,数分から十数分の診察時間の中で,必要な情報を言えなかったりすることはあるかと思います[1].
そこで,患者側が問診の助けになるような情報を記録し,診察時にお医者さんに提示することで,診察の質が向上するのではないかと思いました.

記録する項目

私が問診でよく聞かれるのは,

  • 体調

  • 睡眠

  • 食事

  • 仕事(働いていれば)

などです.まずはこの辺りを記録してみることにしました.記録した情報を可視化し,問診時にお医者さんに提示できれば,診察の質が向上すると思われます.

記録する方法

記録はいつでもどこでもできるのが望ましいと思います.そういうわけで,スマホでもお手軽に使える,Google formを採用しました.
下記のようなformを作成しました.

eventは,自分の行動です(actionの方が適切かもしれません).基本的には事後報告です.eventを報告する際に,その時の調子を「悪い」「普通」「良い」の3段階で入力します.formに入力されたデータは,Google spreadsheetに記録されていきます.あとは,spreadsheetからデータを読み込み,可視化して簡単なレポートを作れるようにしていきます.

レポート

下記が記録を元に作成されたレポートです.これを見ればなんとなくどういう感じで過ごしていたかがわかるように作りました.薬をちゃんと飲めているかも表にしました.
私はこれを印刷し,診察時にお医者さんに提示しています.レポートから読み取れるような調子,睡眠,食事,薬などに関する会話時間の割合は小さくなり,もっと別のことを話す時間ができた感じます.

今後の課題

今後やりたいと思っているのは大きく分けて二つあります.
一つ目は,「入力忘れ」を無くすことです.スマホを持っていればいつでもどこでも入力できるとはいえ,それでも入力を忘れることがあります.現在入力しているような項目は,場所から推測することができそうです.この辺りを,「自分の部屋の中のどこに自分がいるのか」という屋内の位置情報を使うことで自動入力できないか検討中です.
二つ目は,「解析によりさらに有用なデータを導き出す」ことです.入力されたデータを解析し,患者やお医者さんが気づいていなかったような隠れた事実が見つけ出せないか,検討中です.
この辺りは進展があれば,また記事にしたいと思います.

参考

1. このあたりに関しては,過去に興味深い実験をした研究者の方がいるようです.下記の動画でまとめてくださっているのでご興味のある方は観てみると面白いかもしれません.



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