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快便のコツは○○と〇〇〇〇

便秘が体の寿命を縮める疾患になり、その原因の一つが「いきみ」でした。
今回は便秘にならないため、硬い便になっていきまないために、柔らかい便を出すコツを見ていきましょう。

便には理想的な硬さがある
まず目標とする便の硬さを確認します。
ブリストル便形状スケールという世界共通の尺度がありますが、ここでいう4番が理想的な硬さになります。(*1)

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食べ物の残りカスは便の構成のたった5%
この4番の便の構成のうち食べ物の残りカスは便の構成のたった5%です。
大部分を占めるのが水分であり、腸壁細胞の死骸、細菌の死骸が次に続きます。

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水分を飲んでも無駄!?
柔らかい便を出すには水分が必須ですが、水分を飲めば飲むほど柔らかい便になるかと言ったらそうではありません。水の流れを見てみましょう。口から入る水分量は2L程度ですが、口から入った水分と合わせて唾液や消化管からも分泌液(胃酸や胆汁など)が出されますから腸管に流れる水分量は8〜10リットルです。それが小腸内で6~8L、大腸より1-2L吸収されます。最終的に糞便中に1%程度(0.1~0.2L程度)排出されます。水分のほとんどは腸管によって吸収されている事がわかります。水分を摂取しても腸管によって吸収されてしまうため、体が脱水状態でもなければ便を柔らかくする効果は強くない事がわかります。

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便の硬さを決める2つの要素
①時間

便の形成には大腸に便がいる時間が関わってきます。通常なら上記のような時間でおおよそ良い形の便が作られるわけですが、大腸の蠕動が早すぎや遅すぎなどで便が大腸内にいる時間が長ければ長いほど便が形成されていきます。長く便が

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②食物繊維
食物繊維には腸管で吸収されずに水分を保持する力があります。また、その分容積が増し、腸管運動を促進する刺激となります。ただ、この食物繊維は近年の食物繊維の摂取量は男性も女性も足りていない傾向があります。目標は成人男性20g/day、成人女性18g/dayですが、全世代に渡って必要量に達していません。食物繊維は腸内細菌の餌になって腸内環境を整えたり、糖の吸収をゆっくりにしたりと良い事があるので積極的に摂取しましょう。

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柔らかい便を出すための3つのステップ

①運動する
運動自体に自律神経を刺激し、大腸を動かす事が期待されます。大腸運動が促進されることによって便の通過時間が抑えられ、水分の吸収を抑えられます。この方法は特に40才以上の年齢層に期待される方法です。

②食物繊維をとる
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維(穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類の殻)の効能として保水性が高い事が挙げられます。水溶性食物繊維(昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦)には粘着性により満腹感の持続、糖質の吸収をゆるやかにする、腸内細菌による発酵・分解で腸内細菌叢を整える効果がある。

③食事と排便のリズムを合わせる。
便秘の人はおおよそ便を出すタイミングが不規則です。決まった時間に便を出すようにすると便の貯留などを防ぐ事ができて柔らかい便にする事ができます。また1日に1〜2回に大腸がダイナミックに動く大蠕動によって排便が促されますので、このタイミングに合わせて排便習慣をつけるようにすると難なく柔らかい便を毎日出せるようになります。大蠕動は胃が空の状態が続いた時に食物の流入などで拡張された時に起こる(胃結腸反射)ため、基本的には朝食後に排便しやすくなります。毎日朝食後、便意がなくてもトイレに入る習慣をつけると自然と便を出せるようになる事が多いです。



引用
*1)栄養ナビ:便の硬さや形をチェックする「ブリストルスケール」ってなに?
https://nestle.jp/nutrition/stomach_health/sukkiri_02.html
*2)ビオスリー
https://bio-three.jp/contents/cont06.html
*3)排泄ケアナビ
http://www.carenavi.jp/jissen/ben_care/shouka/shouka_02.html
https://nestle.jp/nutrition/stomach_health/sukkiri_02.html
*4)大塚製薬 食物繊維の摂取目標量
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/

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