不妊にならないために
この記事はYouTubeクリニックの解説記事です。
一般の方向けに解説しています。実際の治療にあたっては個別性もありますので主治医とよく相談の上で決定してください。
菅政権が不妊治療に対しての助成を方針として打ち出したため、不妊に対してフォーカスが当たっています。不妊は社会的な問題でもあり、個人としても重要な問題でもあるので、この不妊の原因について見ていきます。
まず出生数の推移をみていきます。(*1)、年々低下している事がわかります。また死亡数は増えており今後は人口が減り続ける事がわかります。
出生数が減っていく一方で、不妊治療数が増えています。
凍結胚移植(FET:緑) ・顕微受精(ICSI:赤)・体外受精(IVF:青)の総数をみたものです(*2)
不妊治療が増えている主要な原因は
「子供をもうける時期が遅れている事」
です。
女性が妊娠する時期が遅い事で、卵子が老化して、流産する確率が高くなります。40歳を超えるとほとんど出産までいく事が厳しくなってきます。
また流産するだけではなく、染色体(遺伝情報が記してあるもの)異常も生じやすくなります。40歳以降はリスクが増大していく事がわかります。
また母体が高齢化することによって、せっかく妊娠しても妊娠時に癌に罹患している事がわかり、治療を優先しなければならず、出産を断念する事も増えてきます。代表的な癌が子宮頸がんと乳がんです。(*4)(*5)
不妊の第一の原因は「妊婦の高齢化」であるために不妊治療が増えているわけですが、不妊治療を助成する事で事態がよくなる訳ではありません。根本的には若いうちに産んでも安心出来る社会を作る事であり、子供が(特に複数)欲しい方はなんとか若いうちに妊娠する事が望ましい事がわかります。
次回以降はなんとか無事に妊娠するために個人で出来ることを見ていきます。
(参考)
不妊症・不育症治療
(引用)
(*1)nippon.com(ニッポンドットコム)
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00624/
(*2)日本産科婦人科学会2017年ARTデータブック
http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2017data_20191015.pdf
(*3)高齢出産のリスクとは
https://medicalnote.jp/contents/151118-000029-URVKWK
(*4)子宮頸がんワクチン:兵庫県小児医会
https://www.hyogo-pa.org/survey/hpv
(*5)コニカミノルタピンクリボン運動
https://www.konicaminolta.jp/pinkribbon/qa1/question_03.html
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