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【書籍サマリー】「具体⇄抽象」トレーニング / 細谷功(著)

今回は「具体⇄抽象」トレーニングのサマリーです。

本書は自身の経験やノウハウなどの具体要素を抽象化することで、他プロジェクトや業務への応用および他者への円滑な共有を実現したいという思いからヒントを得ようと手にとったものです。

しかし、読み終えてみると、具体と抽象の思考の行き来は「問題解決」と「コミュニケーション」の分野において、非常に有効な手段であることがわかりました。特にこれらのテーマに対して、「自分の頭で考える力」が向上する点が大きなポイント。

具体⇄抽象を活用した「問題解決」のポイント

①問題の発見:具体的な事象を抽象化して考えることで、個別要件だけでなく本質的な問題の全体像や重要な点が整理できていく。

②問題の解決:問題の解決においては、一旦抽象化した課題提起を具体化することで、アクションを起こすことができる

具体⇄抽象を活用した「コミュニケーション」のポイント

③議論の焦点:議論が噛み合わない場合は、大抵の場合相手と具体・抽象の粒度や理解・解釈があっていないことに起因する。コミュニケーションギャップの要因は、一人一人の経験・知識が異なる、もしくは思考回路が異なることに起因することが大半であり、「違うものを見ていること」に気づけていないことが本質的な課題。「総論賛成各論反対」とは、抽象は「話を自分の都合の良い様に切り取ることができる」という性質によるもの。

④切り替え:抽象の世界が見えている人は具体の世界も見ることができるが、その逆はできない。通常他人を抽象レベル / 自分を具体レベルに併せて物事を見てしまうことにより、強いバイアスがかかり、GAPが生まれる。そのため、自分を抽象レベル / 相手を具体レベルで見るというぐらいの意識が必要。

具体から抽象化する方法

・whyを問うこと:具体は個別事象、抽象はその関係性を表現しているため、因果関係と目的と手段の関係はwhyで表すことができ、そのことにより全体を俯瞰してみることができる。

抽象から具体化する方法

・数字と固有名詞で表すこと:アクションにつなげるためには可能な限り他の解釈が発生する要素を取り除くことが必要。


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