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骨髄バンクで提供するって、どういうこと?(2)

前回の記事はこちら
〇骨髄バンクで提供するって、どういうこと?(1)

4. 提供までの流れは? (適合通知~最終同意まで)

(1)適合通知
HLA型が見事適合すると、骨髄バンクから「適合通知」が送られてきます。
私もドナー登録しているのですが、まだ 1 度も適合したことがありません。下の写真のように大型のオレンジ色の封筒が届くそうです。

適合通知

☝適合した際に届く、提供意思等を確認する書類

封筒の中には、提供意思と家族の同意の有無、健康状態、ドナー候補者の都合などを聞くためのアンケートが入っています。このアンケートの中の「提供を希望する」に○をつけてアンケートを返送すると、担当のコーディネーターが決定し、コーディネート(※1)が始まります。

ドナー登録者のうち、約4割のドナーが適合します。この適合通知はいつ届くか分かりません。早い人は登録後数か月で届きます。通知が届いた際は、なるべく早めに返信しましょう。

※1:「コーディネート」とは、提供に向けた日程・検査などの様々な調整のことで、その調整を行う人を「コーディネーター」といいます。

(2)確認検査

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コーディネートがスタートすると、まず、指定の医療機関にて、コーディネーターからの説明と、調整医師(※2)による問診・採血を受けていただきます。 これを「確認検査」と呼びます。

採取方法に関する説明の後、承諾できない採取方法(後ほど説明します)があるかどうか、ドナーの意向を伺います。ドナーが承諾しない採取方法による提供を依頼されることはありません。 説明の後、確認検査の採血に同意すると、調整医師からの問診・採血(約 30mL)が行われます。

確認検査にかかる所要時間は約 1 ~2時間、検査が可能な日は施設によって異なりますが、原則平日です。 確認検査の結果は 2 週間前後で郵送にてドナーに伝えられます。

※2:日本骨髄バンクが委嘱した、骨髄・末梢血幹細胞の採取と移植について熟知している医師

(3)ドナー選定
1人の患者に対し、最大10人までのドナー候補のコーディネートが並行して進められますが、すべてのドナーの確認検査結果などを検討し、最も移植に適したドナーが選ばれます。これを「ドナー選定」といいます。

(4)ここが肝心、「最終同意」!

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ドナー選定された方には、ドナー本人の提供意思、家族の同意を確認するための「最終同意面談」が行われます。家族同席の上、「最終同意書」に署名・捺印を行うことになりますが、これ以降に同意の撤回はできなくなるので注意してください!

【なぜ?】
移植を受ける患者側は、病気になった細胞をいったん破壊するため、前処置として移植の約 2 週間前に抗がん剤の投与や放射線の全身照射を受けます。これによって、患者は血液が造れなくなり、感染に対する抵抗力がなくなるため、無菌室(極めて清浄に保たれた病室)で過ごします。激しい吐き気や全身の脱毛などの副作用に耐えながら、命がけの治療に取り組みます。
この時点でドナーが同意を撤回してしまうと、前処置を受けていた患者が移植を受けられずに致命的な状況になるといった危険性があります。提供方法の変更も不可能です。

すごく、すごく大切な同意になります…サインの際は慎重に!

5. 提供の準備へ…それまで何をするの?(採取前健康診断)

提供の約1か月前になると、実際に入院・採取を行う病院で担当医師による健康診断を行い、安全な採取に備えます。
健康診断にかかる時間は、2~3 時間という施設が一般的です。

●具体的にどのようなことを行うのかというと…
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・心電図
・胸部レントゲン
・肺機能検査(骨髄提供の場合)
・尿検査
・妊娠反応検査(女性のみ)…etc.
・麻酔科医による問診(該当者)
(骨髄採取の場合、全身麻酔で行うことになるため)

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採取日が近づいたら、体調管理のために気を付けていただくことも多いです。 万一、病気・事故などにより体に異常が見られたときや、服薬の必要が生じた場合は、お早めにご連絡くださいね!

(3につづく)

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