これからの教育に必要なこと

こんにちは、最近学校が始まってほとんど読書ができていなかったやうたです。「時間が無い」という言い訳は成り立たないのを知っていますので、「時間を作る」努力をしていきます。

さて、今日はモチベーションアップの意味も込めて、今まで僕がストックしてきた知識を一度まとめて、整理したいと思います。

時代の大きな流れでいうとアルビン・トフラーが言っているように、工業化社会から情報化社会へと変化していっているのが現代です。工業化社会の特徴は工場で働くことをイメージしてもらうと分かると思うのですが、全てのことに「みんな一緒に、同じことを」が当てはまります。同じ場所で、同じ時間に、同じことをする。つまり、管理型の社会です。他者と異なることは許されません。

しかし、情報化社会では「それぞれが、違うことを」が当てはまります。違う場所で、違う時間に、違うことをする。自分の強みに応じて、きらりとひかるものを磨いていくことが必要になります。特に日本は高品質かつ低価格で戦ってきましたが、世界がグローバル化しているため、すぐに新技術はコモディティ化されてしまいます。だから、どうしても今までの戦い方だと人件費の安さが売りの国に負けてしまうんですよね。

社会が変わっているんだから、教育も変わらなければならない。今教育は完全に「工業化社会」の価値観をもとに作られています。「同じことを同じ場所で同じ時間に」が染み付いていることでしょう。これを徐々に「情報化社会」に合わせていかないといけない。

この時に大事なのはクレイトン・クリステンセンが提唱する「破壊的イノベーション」という価値観です。元々は経営学の価値観で、優良企業がなぜイノベーションについていけなくなるのかということを理解するためのものです。基本的に学校が行なっている全ての活動は「持続的イノベーション」です。学校教育に携わっている人、特に保護者や生徒のニーズを満たすために日々改善を繰り返しています。研究授業はその最たる例だと思います。

でも、それはあくまでも「工業化社会」の価値観の延長線上であり、「情報化社会」の価値観ではありません。じゃあ「情報化社会」の価値観にかなう学校のあり方とは何か。それはICTを活用した個別最適化された授業です。認知の仕方、理解の仕方はそれぞれ異なります。字面だけで理解できる子もいれば、経験することによって理解できる子もいます。説明もこの人の話し方ならわかるけど、この人の言うことはわからない、と言う現象も同じです。認知の仕方が違うんです。

そもそも、一斉授業で全員を理解させることなんて不可能です。じゃあ、現状の教育システムの中で個別最適化される授業の最大限は『学び合い』だと思っています。教えてもらえる人を自分で選べる点が従来のグループワーク等と違う点です。さらに、これからの時代では、定年の年数は長くなり、企業の寿命は短くなります。つまり、終身雇用はなくなり、一生涯のうちで何回も転職を経験するようになります。そうなると、大事なのは多様なつながりです。このつながりを保証するのは『学び合い』の価値観だと思っています。

では、ICTを活用した「情報化社会」の価値観に対応した教育は行われていないのでしょうか?行われています。N高をはじめとした、広域通信制の学校はICTを活用して個別最適化された教育を提供しています。

ブルーオーシャン戦略というものがあります。簡単にいうと他の類似したサービスと差別化を図ろうというものですが、足し算する部分と引き算する部分の両方を大事にます。広域通信制は「生徒指導」や「部活動」という教育現場の最大の負担となっているものを減らし、「個別最適化」「多様な進路実現」「コーチング」というものにバロメーターを振り切っています。

今回のコロナをきっかけに、広域通信制は一気に5000人もの生徒を増やしました。さらには東大や京大の最難関国立大学への合格者も出ています。今後、公立高校離れは進んでいくんだろうなと思っています。

さて、じゃあどうすればいいのか?公立学校もICTを取り入れ、個別最適化された授業をするしかありません。そうなると必然的に従来行っていた教師が教える場面は少なくなり、どのコンテンツに子どもたちを結びつけるのかというサポーター的役割や子ども同士のつながりを保証するコーチのような役割になっていくでしょう。その時に必要なスキルはいかに集団を経営していくかという経営学的な視点です。寄り添う場面では「アドラー心理学」のような勇気づけも必要となるでしょう。いずれにしろ従来通りの「教師」としてのあり方は未来にはありません。

公立学校が生き残るために、というよりは、公立学校がよりスムーズに「情報化社会」への価値観に移行していけるように行動していきたいと思っています。



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