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紙の本と電子書籍、私の好きな読書体験

私は活字が好き。

読むのも見るのも好き。

なので、本が大好きなのだ。

写真集とかも見る時はあるけど、活字の配分が多い方が好きかもしれない。

画集はあまりみたことがない。

でも、坂口恭平さんのパステル画の本はちょっと興味がある。

坂口さんのパステル画は、何かを語りかけてくるような、呼吸しているような、そんな雰囲気があるから。


現代は、本の楽しみ方は大きく分けて2通りある。

従来の紙の本と電子書籍という2つの楽しみ方。

ここでは紙の本のことを「本」と表現しよう。電子書籍は電子書籍。

そうやって呼び方を分けたのにも理由がある。

なんというか、電子書籍を「本」とは感じられないから・・・


電子書籍を好む人もいる。

「電子書籍の便利さを味わったら、もう紙の本には戻れない」と話す人もいた。

そうなのか。。。私の感じる電子書籍の「良さ」をまとめてみたい。


ちなみに私は「Kindle」を好んで使っている。

スマホにもKindleアプリを入れているので、購入した本はKindle端末でもスマホでもどちらでも読むことができる。

hontoというサービスや、Google bookも使ったことがあるけれど、Kindleがメイン中のメインだ。


電子書籍は「重さと大きさ」がない。

もちろんデータの重さはあるので、電子書籍をダウンロードする端末のデータ容量によって「重さや大きさ」は関係する。

データなので物理的な重さも大きさもないのは、当たり前と言えば当たり前。


重さと大きさがないのでかさばらない。

それが最大の「良さ」と感じる。


どれだけ「所有」しても、自宅の空間を使わないのだ。

端末1つで、どれだけでも持ち歩くことができる。

私のアカウントには100冊近くの書籍データが記録されている。

そのうち(好みによって)厳選されたデータが端末にダウンロードされていて、いつでも読めるようになっている。

数十冊を常に持ち歩けて、いつでも好きな時に読み始めることができる。

それが最大の「良さ」だと思う。


この「良さ」をしみじみと感じ入ったのは、入院した時だった。

入院した病院はフリーwifiではなかったので、自宅にいる感覚でスマホをいじっているとデータ使用の制限を迎えてしまう。

なので本を読んで過ごす時間が長かったのだけど、Kindleを持っていったおかげでたくさんの選択肢から電子書籍を読めた。

本は持っていくのに限界がある。重さと大きさの問題で。


いつも本がそばにあると思える、好きなものがそばにある、この感情は私を安心で満たしてくれる。

入院中の時間をストレス少なく過ごせたのは、Kindleのおかげだろう。


他に挙げるとすれば、「劣化しない」点だろうか。

物質ではないので痛まない。

紙の本のように変色したり、虫に喰われたり、カビたり折れ曲がったりしないのだ。

手に入れた時のままで、そばにいてくれる。


本を「情報の1つ」として取り扱えば、紙の本だろうが電子書籍だろうが、価値は同等だ。

便利という点では電子書籍が上かもしれない。


ではここから本の「良さ」をまとめてみたい。

本は物理的な制約を持つ。

「重さと大きさ」を持って存在する。

本の内容に加えて、重さや形や硬さや匂いや手触りみたいにおよそ物理的な情報を併せ持つ。

それは本の内容に付け加えられた価値だと思う。

電子書籍にはない「良さ」だ。

情報という意味では本も電子書籍も同等だ。

でも、本には付加価値が大きい。


そして、私が感じる本の最も良い点は「視覚情報」にあると思う。

表紙のデザインで、タイトルで、本は私に語りかけてくる。

「あなたに今必要なのはこれ」と語りかけてくる。

その声に任せて読書が始まる。

この体験は電子書籍にはない。


電子書籍も「ライブラリ」を開けば所有している書籍のタイトルがズラッと並ぶ。

しかし、その文字は均一で語りかけては来ない。

こちらから探さないと発見できない。

本のように語りかけては来ない。


私にとっての大きな違いはその点にある。


本は受動的な体験、導かれる体験。

電子書籍は能動的な、自分の意思による体験。

同じ読書体験でもこんな違いがある。



本の良さは「貸し借り」ができるところにもある。

図書館で電子書籍は貸してくれない(笑

*Prime ReadingというAmazonのサービスは図書館のイメージに近い


この「貸し借り」によってコミュニケーションが生まれたりするのは、「良い」点だと思う。

ちなみに本屋と図書館は心が落ち着く場所である。


本屋に行くと、本の方から呼ばれる体験を何度もする。

そうやって買ってはみるけれど、読むわけではなく本棚に終われる。「そこにいる」だけになる。

俗に言う「積読」というものだ。

Amazonのネットサーフィンでも呼ばれる感覚に近いものがあるので、購入してしまう。

結果、積読が増える・・・


橋本麻里さんというライターの方の話を聞いて、積読も悪くないなと思った。

積読もいつか出番が来る。

その出番は本が教えてくれる。

電子書籍では積読の効果は少ない気がする。

存在感が小さすぎるので。

だから、電子書籍で手に入れる時は「読むぞ」とこちらから決めた時が多い。

向こうからは呼んでもらえないので。。。


そんなわけで、本にも電子書籍にもそれぞれの良さがある。

書いていないことで他にももっと良さはある。

その良さは、お互いを補い合っている。

だから、どちらかだけで良いと思ったことはない。


漫画を買うなら電子書籍の方を選ぶ。

実用書なら本の方を選ぶ。

心の安定のために、物体としてそばに置いておきたいのなら本を選ぶ。

本でしかこの世に存在しないなら本を選ぶ。

そんな風に用途によって選び分けている。



最近はオーディオブックというものも出てきている。

残念だけど、私は苦手だ。

耳の問題もあるのだけど、本は聞くよりも読みたい。

それは自分のペースを持ちたいからだと思う。

自分のペースで本の世界を進みたいのだ。


分厚い本が終わりに近づく時のあの気持ちは、電子書籍にはない。

どちらが便利か?と聞かれたら電子書籍と答えるだろう。

どちらが好きか?と聞かれたら本と答えるだろう。


読書が好きなんだ。できれば本がいい。

何かのためになっているかは気にしない。

役に立つから、流行りだから、勉強のために、仕事のために、、、じゃない。そういうのは関係ない。

好きだから読む。

それだけ。


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