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優秀なリーダーについて知りたければオーケストラの指揮者を見よう

音楽には疎いほうだという自覚はあるのですけど、子供の影響もあってオーケストラの演奏を聞く機会が増えました。

真珠腫性中耳炎の手術を経験していることもあり、「音を楽しむ」ほど耳が機能しているわけではありません。

そのせいもあって、自然に「オーケストラの音」以外の楽しみ方を探していました。


各楽器の演奏者の前には楽譜が置かれています。

楽譜を詳しく見たわけでもないし、そもそも楽譜を見ても、私にはその意味がわかりません。

しかし、どういう音をどのリズムで出すかが書いてあるのだろうことは想像できます。


と、いうことは、それぞれが楽譜の通り演奏すれば、曲は完成するわけです。

では、指揮者って何をする存在なんだろう?

楽譜があれば、正しく曲は完成しますよね?
(演奏者が楽譜通りに演奏できれば)

指揮者って必要なのだろうか?

そんな疑問が浮かび上がります。


オーケストラではないけれど、複数の楽器で一つの曲を演奏する意味で「バンド」と比較してみます。

バンドには指揮者がいません。

ロックバンドは楽譜も見ていません。

なぜ、オーケストラには指揮者がいるのだ??


そう思って、指揮者をじっと見ていました。

しかし、よくわかりません。

なぜ、指揮者がいるのだろう?


音と合わせて見ていたら、あることに気づきました。

指揮者の動きと、演奏がちょっとずれるのです。

指揮者の動きがほんの少し早いように見えます。

オーケストラの指揮者は、演奏のちょっと先を表現しているみたいでした。

出てる音とリアルタイムにピタリ合うタイミングでの指揮では遅いのだろう、という仮説が思い浮かびました。


演奏者が迷うのでしょうか?

何をしなきゃいけないか(出す音、テンポ)は楽譜に記されてるでしょうから、個々のタスクに迷いはないでしょう。

でも、機械のように、それぞれの楽器の演奏者がパーフェクトに楽譜を表現するのはかなり難しい課題です。

誰かがちょっとずれれば、そのずれた音、テンポに合わせてしまっていく。


だとすると、「テンポや強弱を掌握する存在」が必要なのは理解できます。

指揮者はそのためにいるのか!


そして、曲自体をどういう風にリードするかは楽譜にはない。

複数の音色を合わせて、曲を表現するときに、指揮者の個性が入ってきます。

楽譜に書いてあることを表現できる確率が高まれば高まるほど、曲の個性って失われていくのかもしれません。

それでは聞いている側は楽しめません。

エンターテイメント性を出すためには、「その瞬間の、そのメンバーの音」の方が求められそうです。


指揮者がいる意味がわかってきました。

指揮者の動きと演奏がちょっとずれるのもわかってきました。

指揮者は演奏の少し先を行くのでしょう。

まさにリーダー、先駆者的存在。

 
演奏者は「今」を
指揮者は「未来」を
志向するのだ、という結論にたどり着きました。
 

会社組織にもスポーツのチームにも、この「指揮者」の役割が重視されます。

「リーダー不在」は、いかにグループの個人能力が高くても、良い結果にたどり着かないことがあります。


リーダーに求められる資質を指揮者を見ながら考えました。

・作り上げようとしている作品(タスク)の全体像を把握している。
・演奏者(メンバー)個々の特徴を把握している。
・スピード感を掌握している。
・音を出すことができない(実務能力は高くない)。
・信頼されている。
・観客(顧客)と同じ方向で演奏者を見ている。

指揮者に求められる資質はプロジェクトリーダーの資質とも言えますね。

何気に「観客と同じ方向でで演奏者を見ている」は、リーダーに最も求められる視点かもしれません。

メンバーがどこを向くのかで、チームの方向性は変わります。

仕事のチームも、オーケストラの演奏者もそうですけど、聞いてくれる相手、お客さんの存在なしには自分たちが存在する理由を示せないですよね。

その意味でリーダーには、「お客さん視点」が欲しいのです。

そのポジションからチームを見て欲しいのです。


実力者、なんでもできる存在、がリーダーのように見えるかもしれませんが、リーダーにはリーダーにしかない能力があるようです。

特に機能しているチームのリーダーは。


リーダーに任せっぱなしではうまくいきません。

オーケストラでも、各演奏者は率先して楽譜の通り演奏するのが求められます。

しかも、周りに合わせながら(協力しながら)演奏する(目標達成する)ことを。

リーダー任せでは、演奏も死んでしまうのです。

結局、個々の努力とレベルアップは絶対的に必要です。

そうじゃないと、良い作品になりません。

お客さんに感動が生まれません。


良い演奏の肝は、指揮者と演奏者のコミュニケーションであるのは言うまでもないです。。。


そんなことをオーケストラの演奏を見て聞いていたときに気づきました。

チームスポーツでもオーケストラでも、マネジメント部分では変わらないですよね。


自分が何かのプロジェクトのリーダーになるときに、心がけようと思います。



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