Message In a Bottle

ネットの海に、小さな瓶にいれたメッセージを流す。

書いたものを誰かに読んで欲しくてこうしているのかもしれない。あるいは、本当は誰にも明かしたくないことを低い確率でしか見られることないようにこんなことをしているのかもしれない。それは自分でも分からない。読んでほしい、そして読んでほしくないという気持ちが両方存在している。

ぼくはその決定を放棄して、読まれるかどうかを自分の意思でなく、偶然に委ねることにした。

小瓶の中には自分に対して絶対に偽りのないことや想いを書いて流している。ある時は己の愚かさへの嘆きであり、ある時は自分の裁かれぬ罪の告白と自らへの責め句。またある時は面と向かっては言えない他人への気持ちの吐露であり、そしてある時は己の成してきたことへの恥ずかしげもない自賛。つまりはひとりで言ってろよ、という内容だ。

たまたま見つけてくれた人だけ、読んでくれればそれでいい。見つからなければ、それでもいい。ただこころに浮かんだ想いを言葉にして、自らを告発すべき訴状を形にして、どこかに残して、自分の感情に落とし前をつけておきたいだけなんだ。だからいつまでもこんな自慰的な行為を続けている。

解決しない問が、宛名のない手紙が、小瓶の中に入ったままインターネットの海に浮かび、意思のない波に揺蕩う。浜に打ち上げられ誰かに拾われるまで、ほとんど永遠に。

今日もまた、小さな瓶を海に流した。