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着物を着るということ:着付けの先生に学んだこと

年に一度くらいは着物を着るようにしていたのですが、やはり自分で着ることは難しいので、いつも着せてもらっていました。ですが一念発起して、いよいよ自分でも着れるようになりたいと思い、数年前に着付け教室に通い始めました。


・自分で綺麗に着れるようになりたい
・所作を身に付けたい
・着物について学びたい(歴史、文化的背景、柄、色、種類など)

ただ「着る」ことプラス、こんなことも学びたいなと思っていました。着付け教室では色々と教えてもらったのですが、中でも一番衝撃だったのが先生の着物を着る心意気。


今一度おさらいですが、着物とはレイヤーで着る衣装で、正式なお着物の順番は以下な感じ。
– 肌着
– 長襦袢
– 着物
– 羽織

冬はいいのですが、暑い季節になっても基本的にはこの層は変わりません。
※浴衣はかつてはパジャマだったので、先生たちは着ないという方が多いです

もちろん夏は生地が薄手のものになるので涼しくはなりますが、やはり4層もあったらさぞ暑いでしょうに、と思い先生に聞いてみたのです。「夏は暑くないですか?」と。(特に東京の夏は気温と湿度とヒートアイランド現象で本当に厳しい...。)


そんな私の弱気の質問を一蹴した先生のお言葉。
着物はね、見てくれる人のために着るのよ。お着物着ていると涼しげじゃない。お着物を見た人が涼しい気持ちになったり、あぁ綺麗だなって思ってもらえるために着るのよ」。

なんと...。それを聞いたときには目から鱗がボロボロボローと落ちました。人様が心地よくなるように着物を着る、と。その新しすぎる視点たるや!


かつては普段着だった着物が、今では特別なものに変化した時代に、こんな考えを持った人たちが受け継いでいることを、とても嬉しく思います。

私もそれを伝えていきたいし、着物を着ているときも、そうでない時も、この先生の言葉を思い出して行動していきたいな、と思います。


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