落選詩「ハンドルネームを変えたのは夜」

ココア共和国7月号、落選の詩です。提出した時にはそれなりの自信がありました。でもこうして落選となると、何だかとても稚拙な詩にも読めてきます。

では反省点や見直されるべき点を考えたいと思います。



「ハンドルネームを変えたのは夜」

昨夜から今日は普通ではない一日の始まりのような気がして思いきってこれまでの投稿を全部消してハンドルネームを変えることにした。

そう全部。
特別な日が始まる前には特別なことをしなくちゃならないから。

それでいま目が覚めて、
あたりを見回したら思ったより普通な日。

雀は鳴いてるし、外はまだ冷えてるし、
部屋の冷房にはまだ早い。

思ったより普通な日すぎて、
もしかしたら普通じゃない日なのかもと思うけど、世界はちっとも変わってないみたいで、やっぱり今日は普通な日なんだと思う。

ただほんの少しの違和感。
そこにあったはずのものがなくなってる。

ううん、あったはず、は本当はなくて、
もともと何もなかったものがなくなっただけ。

私の名前が変わって始まる
よくある普通の、ある一日。




・着想点


新しいSNSのアカウントを作ったりすると、新しい自分になったような、新しい現実が始まったような気になる。そこから着想して書いた詩です。

新しい気分にはなるけど、結局それはそういう気がするだけで実際には変わらない。でも、本当にそうなのだろうか?本当にそう言い切っていいのか。

何もかもが普通と言うのが一番不気味で、一番違和感がある。そういうことを表現しようとしてます。

・構成


構成はとくに何も考えてません。

・良い文章


「ハンドルネームを変えたのは夜」
「私の名前が変わって始まる」

この二文はそれなりに良いと思う。

・反省点、改善点


構成にもっと気をつかうべきだった。「普通」をキーワードにするなら構成でもっと個性がない、左右対称のような構成でも良かった。「普通」を際立たせるようなデザインとビジュアルも面白かったはず。

目を引くような文章が少ない。言葉の並べ方にも工夫がない。もし「普通」にこだわるのならもっと単純な平叙文でも良かった。

ところどころにある「そう全部」「ううん」などの無駄な文章はリズムを作るから好きだけど、今回の詩には合わなかった。文章も一方向に流れていくようで面白味に欠ける。

・総評


こういうテーマは好きなのでそこはまた書いてもいいと思う。ただ書き方に工夫は欲しい。きちんと意図のある文章や言葉の選び方、構成にした方が良い。でも、そんな自分の詩も嫌いじゃない。


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