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『近道』

今日は懐かしい近道を通った。懐かしすぎて、その近道はどこからどこへ着くのかを早くしてくれる道なのかはすっかり忘れてしまっていた。ただ遠くに見える山々との距離感とか道沿いに並んでいる畑の野菜の出来栄えがいつも通る道よりも目的地に近づいてるのを早い気分にさせてくれていた。

僕は待ち合わせ場所に向かっている相手にラインをした。「よく覚えてない近道を通ってるから少しだけ早く着くかもしれない」そう言うと「わたしも近道を通ってるから早く着くよ」と言う。僕たちの待ち合わせ時間は近道を通らないことになっている。

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