おすすめnote詩「よるは、いっしょに」


不安感、或いは消えない記憶、消せない記憶、消したくない記憶、そういうものが夜になると現れる。「いつの日か乗りこなそう」そういう決意が語られている詩、そう読みました。

一連目。ここに全てが集約されているように感じました。「夜の淵が/手を取り合って/襲ってくる」襲ってくるのですから怖いもの、嫌なものだということを感じます。「夜の淵」が「手を取り合って」とはどういうことなのでしょう。と言うか「夜の淵」はひとつではない??ああ、そうか。わざと「〇〇と手を取り合って」が省かれているのかもしれません。では、なぜか?書きたくないもの、言葉にし難いもの、だからではないでしょうか。

二連目~三連目。「防波堤もない/わたしの夜」「おぼれて」などから〇〇と「夜の淵」には抗えない力があるように感じます。

四連目。「まだ消えない/まだ消えないで/と」悲痛な感じ、もどかしい、相反する気持ちを強く感じます。「で」がつくとつかないでは、文の印象がまるで変わっています。最後の「と」もまた効果的です。行分けが、作者の思考のリズム、感情のリズムを表しているのではと思います。

そして最終連。「いつの日か乗りこなそう」と言う決意、期待が書かれていて終わっています。

二年前に投稿されている詩のようです。こういう形で掘り起こしてしまっていいのだろうか、と思わずにはいられないような悲しみを感じます。「乗りこなす」ことが出来ていたとしても「消えている」ものではないのかもしれません。いくつもの「夜の波」を過ぎてきたんだろうなあ。そして今も。

いい詩だなあ、と思ったのでおすすめさせて頂きました。

今日のメモ ↓

夢は詩のコンテストを主催することです。サポート頂けましたら運営資金に使用させて頂きます。優勝者の詩は例えば新聞広告の全面で発表する、などを夢見てます。ですが当面はインタビュー時のコーヒー代。謝礼等に使用させて頂きます。