I don't wanna be somebody, just wanna be me ― ITZYが発信し続けるメッセージ
メンバー5人全員が2000年代生まれのK-POPガールズグループ「ITZY(イッジ)」。堂々としたパフォーマンスと洗練された雰囲気が魅力の彼女たちですが、調べてみるとデビューしたのはなんと去年(2019年)の2月。まだ1年しか経っていないとは…!そこはやはり芸能大国・韓国。スポットライトを浴びるまでに、一流の指導を受け、選び抜かれてきた5人なのでしょう。
2作目のシングル「ICY」を偶然YouTubeで見つけ、メロディー・振り付けのキャッチーさと、完成されたパフォーマンス&ビジュアルに釘付けになったわたし。
そして何よりも、彼女たちが繰り返し歌う「周りがなんと言おうと、私は私の道を行く!」というメッセージに心打たれました。
↑2020年3月9日リリースの最新アルバム「It'z Me」より、リードシングルの「WANNABE」。
サビの「I don't wanna be somebody, just wanna be me, be me...」(誰かになりたいわけじゃない、私はただ、私になりたい)がメインメッセージのこの曲。サビのみ5人のコーラスになり、叫ぶようなメロディーラインが切実さを感じさせます。
これまでも作品において自分をしっかり持った女性像を打ち出してきたITZY。デビュー作「DALLA DALLA」(DALLA=韓国語で‟違う”の意)では、「可愛いだけで魅力のない女の子たちと私は違うの」と誇り、続く「ICY」では、「周りがうわさに夢中になっている間にも、私は歩き続ける!」と高らかに宣言しました。
今回の「WANNABE」でも、芯は変わりません。「私が何になるのかは私自身が判断する」「私の人生は私のもの」と、ITZY節にあふれています。
ただ、これまで明るくキュートだった曲調が少しダークで切なく。それを聴いて、ITZYも本当は自信を失くす夜がたくさんあり、弱気な自分を奮い立たせるために「私は私!」と歌っているのでは?と思ったのです。
ミュージックビデオのワンシーン。不安そうに鏡の中の自分を見つめ、手にしたハサミでバッサリと髪を切って、解放されたように踊り始めるリュジン。
本当に鋼のような強い心を持った女の子なら、きっとこんなに「私は私」と繰り返さなくても平気。
実は不安定で、周囲の視線や声が気になって眠れなかったり、自分を疑って立ちすくんでしまったり。だから何度も何度も、自分自身を鼓舞する。
ITZYの曲に登場する一見自信たっぷりの「私」は、本当はわたしたちと同じ、等身大の弱さを抱えているのではないでしょうか。
競争の厳しすぎるK-POPの渦中にいるまだ10代のITZY。彼女たちが自分を鼓舞する歌が、同じく厳しすぎる受験戦争を闘う韓国の学生に刺さらないはずがありません。
そして、海を超えた日本で、「描いていた未来はこんなはずじゃなかったのに…」とか思いながらも、毎日なんとか重い体を起こして会社に向かっている23歳崖っぷちOLにも刺さらないはずがありません…。いい曲だ…。明日も「WANNABE」をBGMに出社します!
I don't wanna be somebody. Just wanna be me!
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