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華麗なる賭け

君は6時に起こされたが
起き上がったのは30分後だった
そのくらいの誤差は問題ない

そしてリビングへ
こたつテーブルの上には
昨晩から準備していた教科書とノート

この日は朝から極寒で
この辺りでは珍しく雪が舞っていた

君はこたつのスイッチを入れ
下半身をすべり込ませる

それがすべてだった
誰にでも想像できる

教科書は1ページもめくられることなく
ノートに鉛筆の芯が着地することなく
君は心地よい二度寝を満喫した

誰も君を責めない
君は大きな賭けには負けたが
自分を知るきっかけを獲るという
華麗なる賭けには勝ったのだ

祝福の雪が舞う中を
君は登校していった

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