不登校変化グラフ

九十年代に私の不登校社会改革案を実際にやった国があった!

 不登校の急増が九十年代の経済不安に端を発したものであるならば、その将来不安を軽減する政策こそが不登校問題の改善に必要であるというのが私の提案です。
 ここまでを書いてから偶然に分かったことなのですが、実は九十年代に私が提案した経済不安に対して子育て等への支援を充実するという対策を実行した国があったのです!
 それはスウェーデン。高福祉の国で知られるスウェーデンですが、何もかもが昔からそうだったわけではありません。高等教育の無償化などは五十年代からありましたが、保育の充実を図ったのは九十年代になってからです。九十年代に日本と同じく不景気に陥ったスウェーデンは行政に保育提供を義務づけるなど保育制度を手厚くしました。普通なら不景気になったら公共事業を大盤振る舞いするか逆に財政を引き締めるかという感じですが、社会保障をさらに手厚くするという政策を取ったのです。
 これは子どもの教育を手厚くすることが一番の投資であるという視点のようですが、若い人から見れば子育てがしやすい環境が保障され、将来の不安が減る結果となりました。当然、少子化の改善にもなりました。今の日本とは正反対です。
 不況に陥った時に社会保障を手厚くし将来不安を軽減する。この政策が九十年代の不登校が急増した時、というより急増する前に日本が取るべき不登校対策の本丸だったのではないかと考えます。
 もちろんスクールカウンセラーの配置などが意味がないわけではありません。ただ、こういった対策はあくまでサブであって、メインとなるものは社会や学校のシステムの将来不安を軽減することだったのではないかと私は考えます。
 

 不登校への対策で大事なのは、学校に行けないことへの不利をなるべく減らすことです。それは義務教育やその先の将来不安についてもそうですし、学習権という視点からも在学中の不登校生徒へ学習の機会を確保することもそうでしょう。

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