不登校変化グラフ

今不登校にあるみなさんへ 不登校の対策論 親編 4

病院にはいかなきゃダメ?

 不登校で昼夜逆転しいつも沈みこんでる。これはひょっとしたらうつ病かもしれない。そんな風に思われる方もいるかもしれません。
 不登校になって我が子が何か変だと思ったら病院に行くべきでしょうか? これは難しい問いです。
 しかし、ここまで読んでくださった方には強力な協力者が浮かぶはずです。医療機関の受診を考えた時は、スクールカウンセラーや教育相談センターの相談員に相談してみましょう。それからでも遅くありません。
 うつ病や統合失調症になっている可能性はかなり低いでしょうが、決してゼロではありません。不眠や気分の落ち込みなどの不調が数週間単位で続くのは一つの通院を考える基準になるかと思います。支離滅裂な行動や言動が続くことは統合失調症を疑うきっかけになりますが、保護者からの見て子どもの理解不能な行動というのは、意外に第三者から見たら突飛な行動でないこともあります。
 他には長時間手を洗い続けるなどの強迫性障害などが見られることもありますが、こういった症状もまずはスクールカウンセラーなどに相談するのがいいかと思います。 
 不登校やひきこもり自体は病気ではないとされています。不登校やひきこもりは普通とは違う状態なので、イライラしやすかったり生活リズムが乱れたり、何か今までなかった行動が見られたりということは自然にあります。それと病的な変化の境がどこなのか。これを見分けるのは非常に難しいので、専門家に相談するのが妥当です。まずは近くの専門家に相談しましょう。

発達障害についてはどうする?

 病院についてはもう一つ大きなトピックがあります。
 「うちの子は発達障害かもしれない」と相談される保護者の方は非常に多くいます。明らかにそう思われるお子さんから微妙な線上にいるお子さん、どうしてうちの子が発達障害だと思ったんだろうと不思議に思うお子さんまで、その有り様は千差万別です。
発達障害を専門に診断する病院や療育センターは今とても混んでいます。申し込みをして数ヶ月待つこともザラです。
 発達障害かどうかについてもまずはスクールカウンセラーに相談するのが最もいいと私は考えています。
 発達障害かどうかというのはその線引きをどうするかということによる部分が大きいものです。発達障害かどうかのラインをどのへんに引くかは専門家によってけっこう違います。発達障害に強いという病院は単に発達障害のストライクゾーンを広めに取っているということもあります。困っているといえば、とりあえず◯◯障害の疑いという診断を出してくれる病院も多いでしょう。
 問題はその診断が子どもの今後にどう活かされるかです。
 これは全ての診断や判断に言えることですが、それが子どもにとってどんなメリットとデメリットがあるかを考えることが大事です。もっといえばその診断、判断によってどういいことがあるのか戦略的に考えるくらいでいるべきです。
 発達障害と診断を受けることによって、学校から必要な支援を受けることができたり、療育機関で療育を受けやすくなったり、進路の見通しを立てるヒントになったりするのなら、その診断は有効だったと言えるでしょう。一部の問題は服薬で緩和することもあるでしょう。もし、発達障害という診断を受けただけで何の手立ても得られなかったとしたら、その診断はどんなに正しかったとしても意味はありません。診断そのものには何の意味もないのです。そのことは心に留めておいてください。

親子で次の進路の見通しを話し合おう

 学校に行けないでいると、お子さんも保護者もこの先わが子は(自分は)どうなってしまうんだろう?という不安が強くあると思います。例え自分の意思で学校に行かないと決めているお子さんでもそれは同じです。自分の進路がなんとなくだけどこんな感じかなぁと考えられないのは相当に不安なことです。
 その不安を少しでも取り除く為に、なんとなくでいいので進路のイメージを親子で共有しておきましょう。
 この時大事なことははっきりとさせたり、決めつけたりしないことです。はっきりと進路のことを話し合うのは学校に行けない子どもにとっては学校に行く以上に怖いことかもしれません。
 色んな場所に出かけてみてください。サポート校の説明会、不登校に関する講演会などなど。お子さんに一声かけて行ってみましょう。子どもは興味を持てばよし。着いてくるなら尚よしですが、すぐにはそんなことはないでしょう。そして、帰ってきたらお子さんに話してみてください。興味がありそうならしっかり、なさそうならさっぱりとでいいのです。
 進路については話しにくいという雰囲気もあるでしょう。大事なのは何となくでいいから大丈夫そうという実感を親子で持つこと。漠然と大丈夫、何とかなりそうだと思えることが大事です。

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