現役ボカロPによる「作曲の始め方」 - 中編:作曲のフロー(流れ)について

こんにちは、枯木憂です
普段はオルタナティブロックを中心としたボカロ曲を趣味で制作しています


今回の記事は

前編:必要な機材について
中編:作曲のフロー(流れ)について ← 今ここ
後編:曲が完成したら(公開するために…)

ここの話です
多分長くなります。覚悟しろよ

追記
初心者向けに書くつもりが難しい話になってしまった
待って!行かないで!

ってか無視していいよ!自分でも何言ってるかよくわかんないし
とりあえず作曲ソフト立ち上げてみよ!



はじめに

ざっくりフローを書くと

・作詞作曲する
・DAW(作曲ソフト)で形にする
・ミキシング / マスタリングする

以上3工程になります。あれ?意外と早く終わるかも

作詞作曲する

まずは形にするための曲づくりから始めましょう。

…と言いたいところですが
作詞作曲のフローは千差万別。
100人曲書く人がいたらおそらく100通りの答えが返ってきます

なので、制作の助けになるかも?なところを書いていきます

最初に言っておきますが筆者は音楽理論を一切勉強していません!!!

こんな怖い記事誰か読みたいか?
逆に音楽理論勉強しなくても曲は作れるってことで参考になるといいな〜

最初は
・作詞
・作曲(コード進行の選定、メロディ書く)
から始めていきましょう

コードとコード進行について

結論:ネットで王道のコード進行を調べましょう

コードって?
→和音のことです

コード進行って?
→和音の展開、進行のことです
アニメで言うならストーリー展開、とでも言いましょうか

…こんな説明ではNGなのでもうちょっと書きます
例えば学校であった「起立!礼!」のピアノは
C → G7 → C
のコードとコード進行になっています

Cのコードの構成音はド・ミ・ソ(一緒に弾いてね)
G7のコードの構成音はレ・ソ・シ(一緒に弾いてね)

といった感じです。
これをやると学校の起立!礼!になるはずです

補足1
Q.ドレミファソラシドの話をしてるのになんでアルファベット?
A.よくわかりませんがそういうものみたいです
Cがド、Dがレ、Eがミ…といった感じに、
アルファベットで表すことが多いみたいです。
ちゃんと勉強している人たちはⅠとかⅣとかのローマ数字で
コード進行を書いていますが筆者にはよくわかりません

このように、
曲は和音(コード)とそれの進行(コード進行)
で成り立っています

曲を書く時、
どういうコード進行にするか?
(どういうコード進行になっているか?これからどうしよう?)
を考えると、結果的に破綻しづらくなると思います

じゃあどんなコード進行にしよう…
と悩んでいるそこのあなたへ

ネットで王道のコード進行を調べましょう

コード進行のことをアニメのストーリー展開と書きましたが
この世界の音楽には
よく使われていて聴きなじみのある、親しみやすい王道の進行
そうでないものがあります

例を出すと椎名林檎丸の内サディスティック

進行で書くとこうです(Key:C)
| FMaj7 | E7 | A-7 | G-7 C7 |
(通称:丸サ進行)
これ色んな曲でめちゃくちゃ使われてるので調べてみてください

とりあえずよく使われているコード進行を選べば
破綻しづらいということだけ…

(もちろんめちゃくちゃ勉強して最高のコード進行を見つけてもいいね〜)

補足2
昨今のJ-POPはコード進行がめちゃくちゃ難しいので事前知識なくいきなり参考にすると頭が爆発する可能性があります
洋楽のロックとかはJ-POPと比較するとコード進行が簡単なものが多いので、そこからさらってくるのもアリ

メロディについて

結論:今いる和音(コード)の構成音を中心に、あとはノリで

さっき和音(コード)の話をしたと思いますが
メロディを考える時、今いる小節の和音(コード)の構成音
の中から選ぶと破綻しづらいです

ちなみにこれはコーラスもそう

例えば今いる小節の和音(コード)がC(ド・ミ・ソ)なら
メロディもド・ミ・ソを中心に構成するって感じ

ただ、それだけだと選択肢が3つしかないのですが
ソ〜ファミ〜
みたいな感じで間にファとかを挟んでも結構大丈夫です

この辺はノリでいい感じにやっていきましょう(投げやり)

作詞について

結論:テーマ、伝えたいこと、書きたいことを明瞭に

ざっくり意識していること
・(最初に)テーマ、伝えたいこと、書きたいことを明瞭に

・伝えたいことを「過不足なく」伝えられているか
 →あえて不足な状態で書いて余白を想像させてもイイネ
 →これじゃ誤解されちゃうな…みたいな言い回し・単語は変えてます
・韻を踏んだり、対にしてみたり、の言葉遊び
・(個人的に)難しい言葉を使いすぎない。みんながわかる言葉で書く

どんなテーマにするか?
筆者の作品だと
「個人的な葛藤・後悔・悩み・人生哲学」を題材にすることが多いです
(暗い…)
たまに小説みたいに設定ガッツリ書いてストーリー仕立てにすることもある

いずれにせよ
テーマ、伝えたいこと、書きたいことを明瞭にすることが大事です

詩をメロディに乗せて届ける行為を歌と呼ぶのならば、
最初に詩ありきということになるので、ここは妥協しないほうがよさげ

あんまり関係ないけど
カレーを食べたことがない人にカレーの味を表現して!
って言っても難しいように

詩を書くにも、書ける世界の広さと深さの限界は
作詞者の経験・思想と同期していると思っています

なので、いろんな経験をするといいと思います
そこでどう思ったか、みたいなことを歌詞にして昇華するみたいな
(例えば恋愛でグロい経験をするとそういう歌詞が質感と質量をもって書けるようになる、みたいな話)

この手法だと自身の経験からしかソースを引っ張ってこれないので
本とか映画とかアニメとか見て他人の人生を経験して
そのことについて自分ならどうだろう?とか考えてみるのもアリ

コード進行・メロディ・歌詞が固まったら

結論:忘れる前にメモ

とりあえず忘れないようにメモっときましょう。
ボイスメモとかでざっくり録音でOK
あとで作曲ソフト立ち上げて形にしましょう

マジで仕事とかしてるとすぐ忘れます。人は忘れる生き物
逆に数日経っても覚えているようなメロディ・展開なら
それはそれでめっちゃキャッチーってことなので
忘れる前に形にしておきましょう

いずれにせよ忘れる前にメモ!

小まとめ

ここまでで

・コード進行の選定
・メロディの考案
・作詞

が終わったものとします。次からは作曲ソフト

DAW(作曲ソフト)で形にする

あんま書けることないです。しかもDAWによって操作方法が違う
各楽器パートを作りましょう。マウスで音符ポチポチ。完

編曲の話1:演奏の再現性

一応編曲的な面で補足すると
ベース・ドラムなど人間が演奏する楽器については
人間が演奏"できる"ように作ったほうがそれっぽくなります。

例えばドラムだったら、人間の手足は4つしかないので
同時に4つ以上の音が鳴っているパートはリアルじゃない。
みたいな感じですね
(足3で手が1みたいなフレーズもNG)

あとはかっこいい演奏とかは実際のバンド編成の曲とかから参考にしてみるなどすると編曲としては質感が上がってくるような気がします

編曲の話2:リファレンス(参考曲)

そっか、編曲の話を書くといいのか?

作詞作曲の時点ではまだ設計図みたいなもので、
これがどんな音像になるかは編曲の段階で決まります

こういうサウンドがいいな〜って曲を数曲(3つぐらい)用意しましょう
(いわゆるリファレンスってやつ)
リファレンスが1曲しかないとその曲に似すぎてパクリみたいになります

用意したリファレンスを聴き込んでどんな音色の楽器使ってるんだろ〜って分析して、それっぽい楽器を自分の楽曲にも取り入れるとよいです

プロの手法を取り入れると自分の楽曲もプロっぽく聴こえる的なやつ
武道で言うと守破離の守です

追記
そういえばボカコレとかでたまに有名ボカロPたちのステム(stem)が配布されてるよね。あれDLしてみて中身見てみるとめっちゃ参考になるんじゃなかろうか(筆者は見たことない)

編曲の話3:コピーで練習
既存の曲を再現する形で打ち込みの練習をすると各楽器のフレーズの理解が深まっていいらしいぞ!

ちなみに筆者的には微妙〜って思ってます なぜなら編曲の練習にはなるけど自分自身の作詞作曲の練習にはならないから
とりあえず早速自作曲から始めて経験値貯めたほうが早くない?

音作り

割愛。これもリファレンス聴きながら作り込んでいきましょう
ここが楽しくもめんどくさいところでもある
自分の中に音の理想があるとゴールにたどり着くのが早くなりやすい

たとえばギターの音でいっても、「かっこいい音」って無数にあるけど
(ジャキジャキなのか?ブルージーで甘めなのか?いなたい感じのワイルドな音なのか?)
今欲しいのはどんな音だろう?から逆算して作ると楽だにょ

この辺も知識があると調べたりするのが楽です
ギターで言うとどのエフェクト使ってるんだろ〜とか
これファズっぽいしそれで作ってみるか。みたいなね

ミキシング・マスタリングする

曲が完成したらミキシング・マスタリングをしましょう

なんか横文字だし何言ってるかわかんね!というそこのあなたへ

ミキシングは
各楽器・パートの「音量調整」です

マスタリングは…なんですかこれ(?)
個人的には音圧ブチ上げたり最終調整みたいなものだと認識してます

ミキシングの話

各パートの音量調整です。
例えばボーカルが小さすぎて聴こえないみたいなのを
ボーカルの音量を上げるか他下げるかで解決するみたいな話

が、話はそう単純でもなく
音量だけの調整では解決しない場合もあります

音の帯域の話です
これらはイコライザー(EQ)を使って調整します

たとえば女性ボーカルだと800 ~ 1200(1.2k)のHz帯にピークがあって、
この辺ってよくギターとカチ合う帯域だったりします
よく聴こえねえ!って思ったら音量→帯域の順で確認しましょ
(ちなみに上記の例はギターの800 ~ 1.2khz帯を削ると解決できるかも)

あと帯域の話で言うと、
高域がうるさすぎて耳がキンキンする!→高域削ろう
ベースの低域がすごすぎてモワモワする!→低域削ろう
って感じです
それぞれどのあたりの帯域を削ればいいかはネットで調べると早いお

一応音量バランス的には

ボーカル・バスドラム(キックとも言う) → 最強
ベース → No.2
ギター → 左右に振ってうるさくならないように
コーラス・シンセ

筆者はこのぐらいのバランス感でいます
が、この辺はジャンルにもよりけりなのでノリでいい感じに

音量調整・帯域調整については
「引く・削る」で調整するといいです。足して調整すると崩壊しやすい

マスタリングの話

音圧をブチ上げろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

マスタートラックに音圧ブチ上げプラグインを入れてマシマシにしましょう

音圧どこまで上げていいの?
→詳しい人がネットに書いてくれてるので調べてください
上げすぎるとよくないらしい

でも人間の耳って単純なので
音がデカいと"良い"と錯覚しやすいとかなんとか
(それゆえ、昔は音圧戦争なんてのもありましたね)

あと各配信サービスごとに目安の音圧の値が違うらしい
ちゃんとしてる人はYoutube用…とかニコニコ用…とかサブスク用…で分けてるらしい。でも面倒なので筆者はやったことないです

注意点1
音圧を上げる、という行為は、部屋で言うところの床の高さを上げるみたいな感じ。天井と床の距離が縮まる。上げ具合にもよるけど音の強弱、ダイナミクスが失われる。ジャンルによりけりだけど慎重にあげていこう
ロックなら全ツッパでok。クラシックとかジャズはアカン

注意点2
音圧を上げると曲の聴こえ方が変わる。具体的に言うと高域と低域が良く聴こえるようになる。(例えば高域なら耳に刺さりやすくなる)
つまりミキシングの帯域調整の部分を再度見てあげる必要がある。
ミキシング⇔マスタリングを往復して詰めてこ

…ここまで終わったらようやく完成!おめでとう(ぱちぱち)

おわりに

なんかゴチャゴチャ書きましたが結局やりたいようにやるのが一番!
楽しいのが一番!
作曲ソフト(道具)は使えば慣れる!
慣れないうちは使い方わからなくて難しいけど
調べたり慣れたりでだんだん覚えていくし
作曲ソフトはあくまで道具なので
つまりは自分の脳内にある最高の曲を形にするだけってこと

わかんないことがあったら友達に聴いてみてもいいし
筆者でよければ相談にのります(暇なら)

作曲ソフトを使いこなせるようになってくるともっと楽しくなります
つまりどんどん楽しくなるってことだな!未来は明るいぜ

追記
ボカロの打ち込みの話するの忘れてた。でも筆者は下手すぎてマジでベタ打ちなので本当に書けることがありません 助けてー!!!!!!!

以上!

前編:必要な機材について
中編:作曲のフロー(流れ)について ← 今ここ
後編:曲が完成したら(公開するために…)

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