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YOUは何しに中国へ?【インターン編】

前回は「現地採用編」のエピソードを紹介しましたが、今回は「インターン編」のエピソード、座談会を実施します。
最後の4人目となる今回、ご紹介する方はこちら。

ビントウ(@bing_tou
- 略歴
- インターンを決断するまで
- 振り返りと今後について
- メンバー座談会
- 最後に

【略歴】

生まれも育ちも四国というのどかな環境で育ってきました!2014年に地元の国公立大学を卒業後、就職で上京。(憧れの都会生活)新卒ではオフィス機器の法人営業をしていましたが、「中国で働いていみたい」という思いから退職を選択し、北京で約1年間のインターン生活を送りました。日本へ帰国と同時にECサイトを運営する日本企業の中国事業担当者として再就職し、現在に至ります。

【インターンを決断するまで】

少し言いづらい話ですが、高校時代に「授業料未納のお知らせ」を受け取ったりと経済的に苦しい家庭で育ってきました。大学進学自体が危ぶまれましたが、一番経済的な進路として出身県にある国公立大学で寮生活をスタートすることができました。大学生になってからも、自分の生活費はバイト代で賄う絵に描いたような苦学生だったと思います笑

最初は寮生活が嫌でしたが、寮生活のお陰で多くの留学生(特に韓国人)と交流するようになり、最終的には韓国の大学へ交換留学をしています。外国語を習得することの楽しさはここで学びました。

苦しいながらも楽しい大学生活を送りましたが、就活時になると「地方国立 就職 不利」と検索したりとコンプレックスに苦しむようになりました。その分、お金や都会というワードに対して似た強い憧れがあり、大学を卒業したら絶対に東京に行って自分の人生を切り開いていきたいと思っていました。

(今振り返ると、1年浪人して貯金したり、転学する努力もできたと思います)

就活では夜行バスとカプセルホテルを活用し、2014年念願の東京生活をスタート。法人営業をしていましたが、私の営業先はIT系ベンチャーが中心。私服で自由に働く姿を見て、「こんな働き方があるんだ・・」と衝撃を受けました。法人営業の仕事にやりがいを感じられないまま、東京生活が過ぎていく。大学時代を東京で過ごした友人ができるたびに、経験の差を感じて苦しみ念願の東京生活はコンプレックスからのスタートとなりました。

劣等感ばかりでグズグズしている自分が嫌になり、「中国に関わる仕事をしたい、IT系ベンチャーで働きたい」という漠然とした思いを叶えるため現地インターンで実績を作ってくる決意をしました。

いろいろなインターン紹介会社に連絡しましたが、最終的にウォンテッドリー経由で北京にあるECサイト運営の会社に行くことにしました。

【振り返りと今後】

結果的に北京での1年間は今の自分の働き方や仕事内容の原点になっており、とても感謝しています。
日本に帰国して中国越境ECという事業に携わる中でも様々な学びがありました。正直、中国の人口の多さや経済的な規模は魅力的ですが、いざ進出するとなると様々な課題があります。例えば事業の意思決定者が中国に理解のない日本人だったり、フォロワー数でしかSNSアカウントの価値を評価できず、無駄な広告費を使ったり・・中国現地のパートナー企業とうまく意思疎通できなかったり。中国事業そのものというよりも「組織」という課題にぶつかることが多く、「組織に縛られない働き方」や「組織に縛られないプロジェクトの在り方」は今後も向き合っていきたいテーマです。

◆メンバー座談会

Q、(航平)元々中国とどのような繋がりがあったのですか?
(ビントウ)繋がりは全くなかったです!
(光平)では何がきっかけで興味を持つようになったのですか?
(ビントウ)小さな時にテレビや本で中国の存在を知り、漠然と「日本の近くにあるのに全然違う国」というイメージを抱いていました。保育園の頃に出し物でチャイナドレスを着た記憶があり、ものすごく嬉しかった記憶があります。今思うと初めて触れた外国の文化でした。
(光平)大人のフィルターを通さない原体験だったのですね。
(ビントウ)そこから一貫して興味があります。小学生の時に見た黄金伝説の「中国中華修行」も見入っていました。田舎に住んでいましたが、出稼ぎの中国人女性が街に住んでおり、はじめて見た外国人も中国人です。貧しい国というイメージがありました。

Q(まめ)インターンに行く前から中国語ができたんでしたっけ?
(ビントウ)インターンに行く前にHSK6級を取っていました!でも、中国に行ったばかりのころは聞けても話せない状況でした。
(光平)本当にハングリーですよね。どのくらいの期間で取得されましたか?独学ですか?
(ビントウ)大学時代も中国語の授業は取っていましたが、本格的に勉強を始めたのは社会人になってからなので6級取るまでは2年近く掛かっています。独学だったので、今も基礎が怪しいです笑
(航平)社会人として働きながら語学学習は大変でしたか?
(ビントウ)定時で退社していたのであまり苦労は感じませんでした。むしろ大学時代はずっとバイトをしていたので、その頃より時間があったかも・・笑

(まめ)中国語を始めた時は中国語を生かして働くつもりでしたか?それともあくまで趣味の範疇でした?
(ビントウ)話が遡りますが、2008年の北京オリンピックを見た時には「中国に関わる仕事をしたい」と思ったので、そんな自分を無視して妥協して社会人になってしまった感じでした。なので、中国語やり直すぞ!と思い立った時はその先のゴールとして「中国と関わる仕事をする」がありました。
(航平)ビントウさんのターニングポイントにメディアが影響していますね。
(ビントウ)なんだかすごく衝撃的だったんですよね・・口パク開会式やら突貫工事やら批判的な報道が多かったですが、私は単純に「面白い国だな」と思いました。
(航平)新卒の法人営業を辞めるきっかけもメディアによるものですか?
(ビントウ)営業や商材が単純に面白いと思えませんでした。誰のために営業してるかも分からなくなってきて、自分のためになっている実感もなくて、当時はすごく心が消耗していました。

(光平)新卒の際は何よりも東京にいきたいという想いが強かったのでしょうか?
(ビントウ)転勤がなくて東京に住めて面接回数が少ないところがいいな・・と思っていました。就活のために何回も東京に行くとお金もかかるので・・今は就活をすごく後悔しています。それでも新卒の会社では娘のように気遣ってくださる方もいましたし感謝しています。
(まめ)就活、今の情報量や考え方があれば・・・と思ってしまいますよね。
(ビントウ)すごく思います。本当に情報がなさすぎたなと。

(航平)北京でECのインターンを見つけるきっかけはどのようなものですか?
(ビントウ)実は元々は会社をやめて中国に留学しようと思っていました。でも、そのままだと「中国に関わる仕事」「IT系ベンチャー」に再就職するのは難しいと考えました。
(まめ)そこで"実績をつける"になるわけですね!
(ビントウ)なので、「インターン」という経験を積めばチャンスはあるかも?と考えました。というのも、東京で知り合ったWEBディレクターの方が全く違う業界からインターンを経て転職できた実例があったんです。そこで、中国のインターン仲介会社に片っ端から連絡しました。
でも、なかなかIT系ってなくて。ホテルの住み込みや日本語学校の営業など、本当にそこで経験を積んで自分の描く未来にたどり着くのか疑問的でした。
(航平)やっぱり、「ビジネスをする」という経験を積みたいですよね
(ビントウ)そこでITベンチャーで働いている知人に相談したら「なんで中国の会社しか調べないの?日系ベンチャーの立ち上げとか探した?」と言われ、ウォンテッドリーに行き着きます。目からウロコでした。調べてみると、まさに「北京でECの経験を積みたい人募集」という求人があり、即応募しました。
(全員)いいタイミング!
(光平)未経験ですがどういうことを聞かれましたか?
(ビントウ)インターンなので正直そこまでの経験は求められません。ただ、中国語はできないとキツいとのことだったので、一応取得していたHSKが役に立ちました。
(まめ)やはりチャンスを掴むためには準備していることが大切ですね。

(航平)インターンで大変だったことは何ですか?
(ビントウ)人間関係と、シンプルにお金がなかったことです・・・・・日本人と中国人の間に立つことは大変でしたし、とある店舗が上海でオープンする時にPR業務を担当させてもらったのですが、これまでの自分のキャパシティを超えた業務量で当時は辛かったです。ちょっとダークな中国SNSの裏側を見たり。
(光平)お金問題来ましたね・・!生活はどんな感じでしたか?ローカル?
(ビントウ)元々北京の中心部にオフィスがありましたが、業績等もあり南六環というローカルエリアに引っ越しになりました。地下鉄に乗るためにdidiを呼ぶようなヤバイ場所でした。
(まめ)都会を夢見て上京から打って変わって・・ですね!
(ビントウ)現地でできた日本人の友人に、クリスマスにフフホト旅行しようと誘われたのですが、旅費の1,000元が払えなくて「用事がある」と嘘をついたことが未だに辛い思い出ですw あともう少し頑張ってお金を用意しておけば行けたのに・・
(航平)帰国も資金源との関係が大きいですよね?
(ビントウ)はい。資金がなくなり想定より早めに帰国しました。最後の方は中国でのSNS運用などの案件が取れなくなってきて収入源が確保できず、アプリを通じて1時間100元で日本語を教えたりして生計を立てていました。生徒さんとは未だに連絡とりますよ!
(航平)ベンチャーの「やりがい搾取」ってありますよね。
(ビントウ)ありますね、「成長」というパワーワードが魅力的なので・・。それでもベンチャーに憧れて実際に体験できたのはシンプルに今の原体験となりました。

(光平)今の会社はいわゆる普通の転職活動をされたのですか?
(ビントウ)普通の転職活動です!北京からスカイプで面接、帰国時に最終面接する感じでした。中国のECマップのような資料も作りました。

(航平)経験を生かして今後どのようなキャリアや人生を歩んでいきたいと思いますか?
(ビントウ)インターンのおかげで結果的には自分の描いていた未来に近い場所に来ることができました。ただ、今後は今いる場所を生かしながら自分にしかできない領域を見つけて会社に依存しない人生を歩みたいと思っています。「自分で切り開く」ということに喜びを感じるのかもしれないです。

(ビントウ)これで座談会は最終回ですね、第2弾もやりたいな・・
(全員)やりたい!

【最後に】

振り返ると、これまでの原動力はコンプレックスによるものが大きいです。学生時代のマイナス思考は時間の無駄でした。悩むくらいなら浪人したり、転学したり、お金足りないなら借金すればよかったじゃないか。就活もそう。中国インターン時代についてはTwitterやればよかったな~と思います笑

キャリアについては、駐在だと前提条件や運の要素も多少あるし、中国現地採用だと少しハードルを感じる方も多いと思うので、「インターン」で実績を作るというルートもあるということが、必要とする誰かに伝わると嬉しいです。そういう情報の場をつくりたいと思いながらこれまで動けていなかったので、2019年は自分の経験だったりを還元していきたいです。

今は「組織」や「会社」に依存しない自分とは何だろう?と考えることが多いです。そして、「中国と関わる」とは何か。なぜ中国が注目されるのか。それを良いことにセコい金儲けが生じていないか。自分にとっての「解」を見つけていきたいです。
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以上、インターン編でした。
今回をもって4名の座談会は最終回となります!ありがとうございました。

4人のTwitterは下記の通りです。
ご質問や感想など、お気軽にご連絡ください。
・ビントウ(@bing_tou
・航平(@milkshop
・まめ(@chuzaiina
・光平(@ko_shanghai

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