ゆうちゃん

2024/07/01~ 会社を辞めてバックパッカーをやっている20代です。 旅の日々…

ゆうちゃん

2024/07/01~ 会社を辞めてバックパッカーをやっている20代です。 旅の日々を書いていこうと思います。

最近の記事

バックパッカー旅 ジョージア編 vol.1

トルコとジョージアの国境に着いた時は昼だった。バスを降りると、国境を跨いだ人を迎えるためのタクシーやバスで道が埋め尽くされている。 イミグレーションを行うための、それだけにしては大きい気もする建物に入っていく。国境付近は両国にとっても田舎なはずだが、建物自体は新しく清潔感があった。スロープ状のエスカレーターを乗って2階へ上がり、少し歩くとトルコから出国するための審査をするカウンターに辿り着く。カウンターは3つほどあり、それぞれ20人ほど並んでいたがすぐに出国手続きは済んだ。

    • バックパッカー旅 トルコ編 vol.4

      その日の夜はぐっすりと眠れた。7時あたりに起き、宿の朝食を食べる。4人がけのテーブルに1人で食べていると、1人の男性が相席してきた。この宿では宿泊している人数の割にテーブルの数が少ないので、誰かと相席することはよくあることだ。 見た目は40代で、アジア系の顔立ちをしている。もしかすると日本人かもしれない。「Where are you from?」と聞かれたので「I'm from Japan」と返すと、「私も日本人です」と言ってくれた。 彼は物井(ものい)さんという珍しい苗字の

      • バックパッカー旅 トルコ編 vol.3

        イスタンブールからギョレメまではバスで12時間ほどかかる。深夜便だとちょうど良い時間に到着すると考え、0時あたりに出発するバスを予約した。 チケットを見せて中に入る。バスは左右に2列ずつ座席があり、最後尾だけ通路分も合わせて5席ある形となっていた。僕は最後尾の、バスの進路方向から右側にある角の席に座った。 格安バスにしては珍しく、革で座席シートが作られていた。ヨーロッパでの移動もバスだったが、全て布製であった。 バスターミナルにはそれなりの人がいたが、バスはそこまで混雑してい

        • バックパッカー旅 トルコ編 vol.2

          次の日、たくやさんとみほさんは両親と合流すべくチェックアウトした。再びギョレメで合流するため、連絡先を交換しておいた。 少し悩んだ末、僕はイスタンブールを観光することにした。外に出ると雲ひとつない晴天で、日差しが強い。サングラスがないと景色を見ることが難しいくらいだ。 電車に乗っていると、2人組がそそくさと車内を歩いている。片方はギターを持っており、車両の中央で弾き語りを始めた。もう片方が帽子を手に乗客に何やら話しかけている。どうやら演奏に対してチップを要求しているようだ。

        バックパッカー旅 ジョージア編 vol.1

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.1

          4泊ほどしたソフィアのホテルを出る。時刻は18時だが日没は遅く、日差しがまだ強い。ブルガリアは経済的に潤っていないのか、道路の舗装が古くて荒い。コンクリートのタイルがところどころ欠けており、気を抜くと足を挫きそうになる。足元を注視しながら、一歩ずつ歩みを進める。 3分もしないうちにソフィア中央駅が見えてくる。首都の主要な駅であるにもかかわらず、内部に入るための地下道は古びており、小さな露店が少し並んでいる程度だった。アジア人がバックパックを背負って歩いている姿が珍しいのか、露

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.1

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.5

          翌朝目が覚めると、寒気が強くなっていた。26年生きていればわかる、完全に風邪を引いてしまった。 外でオートミールを食べながら、この旨ををどう伝えようか悩んでいた。住み込みボランティアの初日で、風邪を引く人は僕ぐらいしかいないだろう。数日間、自分がただの居候になることに申し訳が立たない。とはいえ、発熱したまま肉体労働をすることはできない。 仕方なくジャムに伝え、ひとまず今日は仕事を休ませてもらうことになった。 自分の家ではないところで病床に伏すというのは、非常に気が滅入る。ボ

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.5

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.4

          ホテルをチェックアウトする日が来た。 まだ旅を初めて1ヶ月も経っていないが、多くの人間関係を築けたと思う。彼らとはもう会うことがないのかもしれないが、SNSで繋がっている限り忘れることはないだろう。 マリは起きると早々に支度をして散歩に出て行った。湿っぽい別れが苦手なのかもしれない。「See you someday」とだけ言っておいた。 ジョイは最寄りの駅まで送ってくれるとのことなので、2人で部屋を後にした。 ホテルのロビーは修学旅行をしているような学生で溢れかえっていた。集

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.4

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.3

          ホテルに戻ると、僕らの部屋に新たな人がチェックインしていた。名前はヴァットという。20歳の青年で、髪型は綺麗な坊主頭だった。彼はウクライナの生まれで、ロシアとの戦争の事情でチェコに来ているという。仕事の詳細は聞き取れなかったが、僕と同じくソフトウェアエンジニアをしているらしい。彼はAndroidアプリケーションを専門に置いていた。僕はWeb領域前半なので少し異なる。ソフトウェアエンジニアの平均的な給与について話したが、日本のそれと比べてウクライナは6割程度だったことに驚いた。

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.3

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.2

          ホテルにチェックインした次の日に、ベトナム人のマリとスペイン人のジョシュ、僕の3人で観光することになった。僕だけが英語をうまく聞き取ることができないので、他の2人が目的地を決め、それに僕がついていく形になっている。 僕ら3人は朝の9時ごろにホテルを出た。プラハの日差しは強く、上を向かずとも目を細める必要があった。サングラスをホテルに忘れてしまった僕に「今日使わずに一体いつサングラスを使うんだい?」と笑いながらマリが言う。確かにその通りなぐらいには日光が眩しい。英語でうまい返し

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.2

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.1

          格安バスの運転は荒く、急ブレーキを踏まれる度に寝ていた乗客が叩き起こされる。僕は起きていて、なおかつシートベルトを締めていたにも関わらず、膝を強く前の座席に打ち付けてしまった。じんじんと痛む、擦り傷のようなものをさすりながら、だだっ広い麦畑をバスは駆け抜けていく。 ドイツはビールの製法が法律で制限されており、故に品質が一貫して高いビールが製造されている。一方でチェコは世界で最もビールが飲まれている国であり、水よりもビールの方が値段が安い。この両国間をバスで移動すると、景色のほ

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.1