平和ボケとメディア洗脳

 本日、この本を読みました。

『カエルの楽園』(著 百田尚樹)

 あまり、小説などは読まないのですが、友達の勧めで読んでみました。

 この本を一言で表すと

「日本の平和ボケについて」

 です。

 物語自体は、カエルを擬人化し、二匹のアマガエルを中心に、彼らが楽園を求め、そうする中でで行き着く村で起きる事を、彼らの目線から描く寓話、という風になっています。

 非常にユニークなキャラ(カエルですが)が出て来ますが、登場人物はそこまで多くなく、シンプルなストーリーにまとめられており、スラスラと読み進めることができます。中高生でも全然読むことができると思います。

 さて、ではこの本の主題はなんでしょう。もちろんカエルが苦労しながら楽園を探し求めるというのが、表面上のお話です。

 しかし、読み進めていけばいくほど、この本の主題が見えてきます。しかもそれは、恐ろしいことに、これからの日本に起きる事かもしれないのです。例えば、今韓国との不仲が叫ばれていますが、もしそれが悪化し、戦争・・・(もちろん起きて欲しくないですが)なんてことが起きると、日本という国がどう生き延びていけばいいのかと思わせられました。

 何を言っているかというと、最初に挙げたように、「日本人の平和ボケ」に加え、「憲法が国民を守ってくれるという幻想」と、「メディアの事実の歪曲、事実の切り取りによる、その派の意見強化(しかもそれは日本の国家としての安全までを脅かすほどに)」など、簡単に言うと、「憲法上に自衛隊を明記する」という憲法論争に対し、実現しなかった場合に日本が直面する可能性のある未来を寓話に落とし込んでいます。

 誤解しないで欲しいのは、戦争をやれ!と言っているわけではないことです。どうではなく、「日本人の、曖昧で平和ボケした姿勢が、将来的に自分達の所有物=領土、国民、財産などが脅かされる要因になりかねない、だから国際関係自体も、それに対するメディアの報道のしかたも、ただ素直に受け入れるのではなく、自分が抱く疑問と意見を持つべきであり、声に出していくべきだ」ということなのです。

 ただし、この寓話は非常に名作で、違ったトピックについ述べているようにも思われます。何れにせよ、僕が一貫していたなと思ったのは

「日本人の危機感の欠如」

 です。経済界でも、日本企業が世界に取り残されているという事実に危機感を覚えるのが遅れ、どんどん世界と差がついていきます。世界的に問題がまだあるにも関わらず、自分たちには関係ないから大丈夫と思っています。メディアの言うことが全て正しいというメディアリテラシーの低さも目立ちます。もちろん、国内政治に対する関心興味も低く、結局民主主義なんて日本国民のどこにあるんだろうといった感じです。

 個人的には、学生から社会人まで、読むべき本なのではないかと思います。それだけ、名作であり、見事な社会問題の提起がうまいと思える本でした。


よかったらアマゾンで買ってみてくださいね!


それでは!


 

 

 





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