【beatmaniaIIDX】DPという選択肢

(注:当記事はSP十段、DP七段の人間が書いている事を念頭に入れてお読みください)

前回BPLの記事を書いてタグをTwitterに投稿したところ、お陰様で多くの方にお読みいただき誠にありがとうございました。さて、今回はBPLと前回の文体からは離れてDPの話をしようと思います。

・何故唐突にDPのはなしを?・

離れると言っておいて恐縮ですが、私がBPLを見ながら思った事の1つに「何故DP部門がないのか」という疑問があります。過去に「KONAMI Arcade Championship」(以下KAC)にて1回だけダブルプレー部門が開催された事があったようですが、現在のKAC及びBPLには部門が存在しません。通常のゲームモードとして存在し、段位認定もあるしアリーナモードもあるしスコアも保存される。YouTubeなどを見ればDP界にもスーパープレイヤーが複数存在している事は確認できます。それこそSPでは信じられないようなプレイが見られます。なのに何故・・・?

・SPとDPが全然違う件・

殆どのプレイヤーがいきなりDPからビートマニアを始めようとは思わないでしょう。大抵の場合、SPを始めてある程度自分が納得できる実力まで力をつけた上で試しにやってみようという経緯をたどるのではないでしょうか。

しかし、あくまで私の経験上での話になりますが、SPをそれなりにやった人間であっても真ん中に立つと途端にボタンの位置が分からなくなるのです。SPをやっているプレイヤーは「両手」で片方側の鍵盤を押す事には慣れていますが、真ん中に立って片方の鍵盤を片手で更にそれを左右で独立してやらねばならない為、そもそもの鍵盤の位置を把握するところから始まります。

これってビートマニアに限らず、音ゲーを始めたら必ず通る道だと思います。つまり、画面だけを見た状態で全てのボタンの場所を把握できるかどうか、という事ですね。加えて、画面の配置もSPと異なるのでこういった部分も場所の把握までに時間がかかる要因となっているかもしれません。

つまり、SPを始める上で通った道をDPでまた再度通る必要があるという事です。もちろん、ボタンの間隔などはSPなどで慣れているため習得までの時間は早いという点はあると思います。

また、例えば2か所同時押しや、1-3-5-7などの同色階段はSPではそれなりに早い段階で習得する技術だと思いますが、これがDPになると全然出来ないんですよね。私一応七段なんですけどね。どうしてでしょうね。特に2-4 | 4-6みたいな同じ色同士の同時押しは左右一緒に降ってきても押せるんですが、1-4|3-6みたいな混色同時押しはすぐに崩れます。

つまり、SPでは早い段階で出来るようになった技術がDPでは習得に時間がかかるし見た目の印象より難しい(私だけかもしれませんが)という、SPとのギャップがあります。

この、「こんな簡単なのが出来ないのか?」という気持ちがDPのハードルを上げる一つの要因になっていると私は思います。ちょっと触ったけどすぐやめちゃったという人、結構居るんじゃありませんか?

この後でDPの魅力について書こうと思っていますが、もしこれを読んでちょっとやってみようと思った方は、「DPは完全に技術ゼロの状態から始まるゲーム」だと思ってプレイしてみると良いと思います。

・難しいのにDPが魅力的な件・

私程度の者が発信する記事で例えばDPに対するムーブメントが起こるとか、爆発的にDPerが増えるとは思っていませんが、やはり普及する為には魅力を伝える必要があるかなと思います。そこで私が思う、ちょっとDPが楽しく感じられる要素を挙げてみようと思います。

・すごいプレイをしている気持ちになれる

基本的にDPのプレイヤーを見る頻度が少ない地域というのもありますが、見た目のインパクトはかなりあります。ちょっと凄い事をしている自分になれるというのは人から見られやすい筐体の設計もあいまって一つの魅力だと思います。

・すごいプレイヤーになった気持ちになれる

人口が少ないために生じる現象として、例えばアリーナに入った時に未プレイなのに「エリアランカー」と表示される場合があります。人口の多い都市部の方は無理かもしれませんが、私のような田舎暮らしの方はほぼ間違いなく表示されます。私の場合アリーナデビューでエリア30位でした。

また、プレイヤーが少ない店舗であれば店舗内TOPを独占できる可能性もあります。プレイヤーがいなければ当然ではありますが、自分が一番この店でDPをやってる!という気持ちになれます。井の中の蛙なのは仕方ありませんが、そもそもDPをやろうというプレイヤーがいない為いくらSPが上手いプレイヤーがドヤっていようともその方がDPに手を出していなければあなたはそのプレイヤーよりビートマニアが上手(な点がある)な事になりますから。要は気の持ちようです。音ゲーなんですから、自分が気持ちいいゲームが出来ればそれでいいのです。

・演奏してる感が高い・

両手で色々なリズムや音を叩かされる性質上、上手く叩けた時に演奏できているという充実感が低難度曲でも結構高いです。SPで乱をかけるプレイが日常的になっているのでSPだと片手だけで様々なリズムや音が混ざっている事が多いですが、DPの譜面は左右に独立している事が多いせいなのかなと思います。間違えた時に変な音が出てしまうのもご愛嬌。人が少ない環境で遊べる人は是非音量を最大限上げて静かな店で遊んでみて欲しいです。

・SPのアップに適している(気がする)・

DPを始めて思ったのが、DPを数プレイ後にそのままSPをやると結構指が動いている気がするんですよね。DPは指や手を広く使う為まんべんなく指があったまるのかもしれません。自分は最近はDPの8~10を数クレやってアップして、そのままDPをプレイし続けるかSPに切り替えるかで遊んでいます。

・変な知識が増える・

DPはSPerからしてみると考えられないような事が平気で起こるゲームです。例えば結構古い作品のSPでは8とか9くらいの曲が平然と12になっています。しかもそれがHYPER譜面だったりします。昔の作品ではDPは2人で遊ぶ前提で譜面が作られている為だそうです。これらの曲は「無理皿」といわれる、片手では拾えないようなスクラッチが入っている事が多いです。(左側皿+7 皿+46 など)

またHYPERよりANOTHERの方が難易度が低い曲があったりします。SPではソフラン曲なのにDPではソフランしなかったり譜面難易度によってソフランしたりする曲があります。

自分では到底プレイできないレベルの曲ですが、こういった知識が入ってくるのもDPならではです。

・DPはじめて指南・

私程度が語るのも大変恐縮ですが、ちょっと興味持った人が始めてみる上で最初の注意点を書いてみようと思います。なおSPをプレイしている(したことがある)前提となります。

・緑数字は高くする・

前述のとおり最初は正しくボタンの場所を把握するところから始まります。よってSPの認識と同程度に認識できるとは思わない方がいいです。自分は、始めたころは350で次第に下げていき、いまは310ですがこれ以上早いのは認識が追いつきません。(ちなみにSPの緑数字は278)

・ポジションなどを気にせずとにかく押してみる・

場所を把握する上ではとにかく色々押してみない事には把握が出来ません。低難易度は同時押しが少なく1ノーツごとに降ってくる譜面が多いので、とにかく押して場所を把握する事に努めましょう。7番を親指や小指で取れるようになるのは場所を覚えてからでいいです。

・知ってる曲で遊ぶ・

出来なかったものができるようになってきたと感じていけるのが一番のモチベーションだと思います。その上ではやはり知っている曲や好きな曲が出来るようになるのがDPに限らず音ゲーの楽しみの一つ。SPではNORMALでも7や8だった曲がDPだと難易度が下がっている事もあります。ANOTHERでもSPが12であった曲がDPだと11や10になっている曲もあるし、逆にDPだと難易度が上がっている曲もあります。自分の好きな曲の中で出来るものを探して遊んでみてください。

・古い作品の曲には注意する・

古い作品の曲に飛びぬけて難しい曲が多い事は前述しましたが、それらは難しいだけあってちゃんと12になっています。試しにやってみようというレベルの方が12に飛び込むことは無いとは思うのですが、低難易度であっても「無理皿」が無いとは限りません。上級者のテクニックとしては必要なものかもしれませんが、初級者では意識して出来るようになる必要がない技術なので出来れば回避した方がいいと思います。選曲時にCR(クリアレート)を参考に選ぶ方も多いと思いますが、DPはプレイヤーが少ないために☆9に30%代の曲があったりと結構おかしなことになったりしています。極端に低い曲は回避した方がいいでしょう。

・4曲完走できるモードで遊ぶ・

これはDPに限った話ではありません。これから上手くなりたいという時に、途中落ちで1クレジット分を十分に練習に充てられないというのは勿体ないです。こと初心者の内はスタンダードのEXステージ進出条件すら満たせないという事は多いと思いますので、どうせ3曲で終わるならステップアップモードで遊ぶ方がいいでしょう。EXステージ進出条件は☆7以上をクリアが条件のようですので、このレベルで遊べるようになったらスタンダードで。黒パスやVディスクも積極的に使いましょう。というか、BPLのお陰で始めてくれる人が増えそうな今こそ、初心者でもVIPパス無しで4曲保証にしてあげて欲しいんだよなぁ・・・

・おわりに・

というわけで、DPの魅力や初心者向けの事をちょろっと書いてみました。感想や突っ込みはコメント頂ければ非常に喜びます。

中々にハードルが高いという印象を持たれているDP。「難しさが伝わりにくい」という面が大きく上級者のプレイを見ていても呆気にとられるばかりという印象が強いですが、やってみると彼らがどれだけ凄いかがより分かると思います。同じゲームの種目なのでいつの日かDPで会場が盛り上がる日がくるといいなぁと思います。

ありがとうございました。

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