Logic ProのEQの違い
Logic Proの内蔵EQには、主に「Channel EQ」と「Linear Phase EQ」という二つの異なるタイプがあります。これら二つのEQの違いは、主にその処理方法と音響効果にあります。
1. チャンネルEQ(Channel EQ)
チャンネルEQは、音源の周波数特性を調整するための最も一般的なツールです。
このEQは、高度な視覚インターフェースを備えており、ユーザーが選択した周波数帯域を増減させることができます。また、高低周波数を切り取るハイパスフィルターとローパスフィルターも含まれています。
チャンネルEQは最小位相設計であり、これはエフェクトをかけた時に位相のずれが生じる可能性があります。しかし、実際のところ、ほとんどのミキシング状況でこれが問題になることは稀です。
2. リニアフェーズEQ(Linear Phase EQ)
リニアフェーズEQは、同じ周波数特性を持つが、位相シフト(音波の時間的なずれ)を避けることができる特殊なタイプのEQです。
リニアフェーズEQを使用すると、特にマスタリングプロセス中にフェーズの変化によるネガティブな影響を避けることができます。これは、異なる周波数が同時に変調されると発生する可能性がある問題です。
しかし、リニアフェーズEQはその性質上プリリング(先行エコー)を引き起こす可能性があり、これは特定の状況下で不自然な聞こえ方をすることがあります。また、リニアフェーズEQは通常、チャンネルEQよりも多くのCPUパワーを必要とします。
要するに、適切なEQを選ぶことは、あなたがどのような結果を達成したいかによります。もし具体的な音色調整やフィルタリングが目的であればチャンネルEQが適していますが、フェーズの影響を極力避けたいという場合にはリニアフェーズEQが良い選択となるでしょう。