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『多様性』とは『多くの選択肢を認める』こと。

昨今、『多様性』の重要性がよくいわれますね。
様々な情報や商品があふれる世の中となり、人々の趣味嗜好も選択肢が増えて複雑化してきたことで様々な価値観の人がでてきました。
SNSでの情報発信&拡散により、いままでは知られなかったけど世の中にはいろいろな考え方の人がいることが可視化されたということも多様性推進の一因となっているのかもしれません。

また、そうした人々を雇用する側の会社にも(良くも悪くも)変化することが求められています。不安定な経済環境のなかで様々な事業を立上げてリスクヘッジを行ったり、競合優位性を出すために多様なスキルをもった人材を雇用することで柔軟に環境変化に対応できるポートフォリオをつくる必要がでてきています。

ただ、この『多様性』を企業が使いこなすのはかなり難しく、良い面もあれば悪い面も出てくる諸刃の剣だと思っています。『多様性を受け入れる』ということは多種多様な価値観を受け入れるということでもあるので、うまく調整できないと全体の統一感をもたせることが難しくなります。
※安易に『多様性』を受け入れると企業としては逆に弱くなる可能性もあります。

例えばある施策を会社全体でやるにしても、Aさんにとって良くてもBさんにとっては価値観の違いから不満になるということが起こります。そしてそういった様々な多様性のある『人』に合わせた施策が何本も走っていくとその会社の軸は不明確となり、なにを大事にしているのかもわからなくなって全体の統一感は薄れていきます。さらに度が過ぎると自分勝手な人たちの集まりにもなりかねません。
この場合に中心に据えるのはあくまで『企業の考え方(企業文化)』が先であり、『人の考え方』はそれに合うか合わないかで判断していかないとこのような問題がおきます。

企業としては、なんでもかんでも多様性を受け入れるというよりは、この領域では多様性を受け入れるけど、この領域では統一感を大事にする、などといった分け方が必要なんだろうなぁと思います。


僕なりの『多様性』についての考え方は以前以下のように書きました。

僕としては会社にはいろんな人(性格やスキル)がいた方が良いと思っていますが、会社の企業文化(価値観)に合っていない人とは無理にお互い一緒にやっていく必要はないと思っていますので、基本的には多様性を奨励しつつも、根っこ(企業文化に合致しているかどうか)に関わる部分については多様性はいらないと思っている、という感じです。
※企業文化については以前下記のように書いています。

D2Cdotでいうと、社員の性格やスキル、長所や短所、自身のキャリアプランなどについては多様性があった方が良いと思っているので、そのために現場に裁量権を与えて自由に活動&自身で決断できるように促しています。
※会社側としては社員が行き詰まらないように選択肢を多く用意する&認めることが役目だと思っています。
しかし、チームプレイで実施する仕事が多いということから、企業文化や仕事へ向き合う姿勢などの価値観は統一感があるべきと思っています。
※・・とはいえ、多様性は認めずに全体が統一されるようなルールみたいなものは極力少ない方が良いと思っています。


最近気になっているのが「企業は多様性が大事だ!」と叫んでいる人が、「古い会社の体質は時代遅れだ!」とか「この会社のこういうところがダメだ!」とか言っていることをよく見かけることなのですが、それって結局自分の価値観に合わないことを否定しているだけで、自分も多様性を認めてないじゃんって思うんですよね・・。
※こういう人っていずれ自分がそう言われる側に回ると思うんですよね。

昔ながらの体質だってそれもひとつの多様性なんだから認めれば良いんじゃないの?って思うんですけど。「古いものを否定して新しいものを奨励する」みたいな風潮が出てきたりしますが、それが好きな人もいるわけだし、それが嫌な人は関わらなければいいだけ。
いろんな考えの人がいるんだから、そんなに単純に世の中で良い(と思われている)と話題になることに全員が賛成しているわけじゃないと思います。

「これからの時代は●●の環境が用意されていないと良い人材は集まらない!」とかいう言葉にも僕は懐疑的です。
そもそも『価値観』の問題と『優秀か/優秀でないか』はまったく別の話です。古い体質を好む優秀な人だっているでしょう。そうでなければ昔ながらの大企業への就職を希望する人なんてあんなにいないはずですよね。
誰もが先進的なことを望んでいるわけではないし、誰もが安定的なことを望んでいるわけではない。良いか悪いかじゃなくて合うか合わないかだけなんだと思うんですよね。

あれもあって良いし、これもあって良い。みんな違ってみんな良い。
本当にダメなものは自然と廃れていくものなんだから、いちいち自分と価値観の違うものを敵対視してポジショントークをする必要なんてないと思います。『多様性が大事だ!』っていうのであれば、自分と価値観の合わないことを選択している企業や人たちであっても認めてあげないと有言実行じゃないよな、と常々思います。


タイトルどおり『多様性とは多くの選択肢を認めること』だと思っています。いろいろな考え方や性格の人がいていいと思いますし、それらを認めあえる社会であってほしいと思います。
ただ、企業に所属している以上はその企業の個性(文化)に合った人たちが集う場であってほしいし、合わないのであれば職業選択の自由のもと、これだけ多くの会社があるのだから自分に合った会社を探せばいいと思います。
異なる意見については敵対するのではなく、認め合うもしくは適度な距離を置くということで良いんじゃないのかなと。
※相性が合わないのに無理に一緒にやると余計に険悪な仲になるので。
そのようにおおらかで心にゆとりのある気持ちでいられれば、幸せな日々を過ごせるんじゃないかと思う今日この頃です(笑)。

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