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『研修』って意味あるの?

企業が社員のスキルアップを期待して行う『研修』ですが、企業側の期待とは異なって受講者からは「これって意味あるの?」という声もしばしば聞かれます(苦笑)。

結論からいうと『意味あるものにできるかどうかは自分次第』という元も子もない話ではあるのですが、意味が「ある人」と「ない人」で分かれるのは自身の『立ち位置』『学習意欲』の2つからくる差なのかなと思います。

ちなみにここでいう『研修』にもいくつか種類があると思いますが、今回は外部から講師の方を招いたり、動画などを見て行う『研修』のことを中心に書きます。


外部の方を招いたり、動画などを見て行う『研修』は基本的にターゲットを絞らずに『一般論』を語ります。これは書籍なども一緒ですね。
このため(法律や技術的な研修はどの職場においても使えるので別ですが)自身の立場において学んだことをそのまま職場で活かすことが難しいので「それは他の業種の話でしょ?」とか「うちの環境だとそのまま使えないな」となって、結果として「意味のない研修だった」となりがちです。
※「マネジメント」「働き方改善」等の研修は特にその傾向が強いかと。
これは講師の話すことや動画の内容が受講者のためだけに作られているものではないのですから仕方のないことですね。
※個別授業を受けたければ、研修ではなくてコンサルに依頼すべきですね。

また、自身の職場環境や職種、会社でのポジション(役割)・・などの『立ち位置』によって同じ学習内容でも受け取り方が異なってくるので、万人にとって同じように役に立つ研修などないと思った方が良いでしょう。

そもそも『研修』は答えそのものを与えられる場ではなく、自身の業務に活かすためのエッセンスを抜き出して持ち帰る(きっかけをもらえる)場だと思うので、こういった「意味がない」という不満をもつ人は自身の期待値と研修の目的で入り口の段階から乖離があったとも思えます。

また、よく言われることですが、聞くだけ/こなすだけ/参加しているだけ・・といった作業的かつ受け身な姿勢では研修から学べることは少ないでしょう。「なにかひとつでも自分の業務に使えるものを持ち帰ろう」というくらいの貪欲な気持ちで臨まないと結果として意味のある研修にはならないんじゃないかなって思います。
別に積極的に挙手や質問&発言をしよう!ということではなく、例えば聞くだけの研修でも「自分の業務にどう活かそう?」などと考えながら聞くということができるかどうかによって大きな差が生まれると思います。
やはり勉強が身になるかどうかは本人の意欲次第ということはありますね。

そして、学んだことは実行しないと頭や身に残りません。
その場限りの知識を学んでも時間が過ぎると忘れてしまうので、実際に実行して自分のモノとするまでが研修の意味なんじゃないかなって思います。


僕もありがたいことに研修はけっこう行かせてもらいましたが、研修に際しての臨み方は大きく分けて2つ(0⇒1と1⇒2)あったと思います。
それまでにまったく学んでいなかったことの研修(0⇒1)についてはゼロから学ぶわけですからすべてが新鮮で「意味のある研修だった!」と思えますが、普段から行っている業務(例えばマネジメントなど)についての研修(1⇒2)はちょっと意味あいを変えて取り組んでいました。

・・というのも、普段からけっこう自己学習はしている方でしたので(苦笑)、自分なりに独学で考えたことで一定の答えみたいなものをもっている領域の研修では、新たなことを学ぶというよりは自身の考えが間違っていないのか、他にやりようがあるのではないかといったことの『答え合わせ』や『拡張』をしに行っている、という視点が強かった気がします。

D2Cdotでももちろん『研修』は行っています。
ただ、(イレギュラーはあるものの)極力強制的に行かせるようなことはせずに、本人の希望を最優先に行うことを心がけています。先述したように、ある程度貪欲な姿勢で本人が研修に向き合わないと今後につながる学びにはならないからです。
※僕の経験上、興味がないことを強制的に勉強させられてもなんのスキルアップにもならなかった、ということもありまして・・。
何が不足しているかは評価面談の際などに伝えるようにしていますので、(次のステップに進むために)そこを改善すべきかどうかは本人の意思にある程度は任せている部分もあります。


・・・ということで若干話がそれましたが、まとめると・・

①『研修』を意味あるものにできるかどうかは自分次第。
②『研修』は『答えそのもの』を得る場ではなく、業務に使えそうな『エッセンス』を得る場。
③どのようなエッセンスを得られるかは対象者の『立ち位置(業種/職種/役職/役割等)』によって異なる。
④そもそもなにかを得ようという気持ち(学習意欲)で前向きに取り組まないと得られるものなどない。
⑤学んだことを実行まで行ってこそ『研修』の意味となる。

・・という感じでしょうか。
個人的には『(受講者の希望なく)強制的(慣習的)に行う研修』はやめた方が良いと思いますし、当人としてもさほど興味のない研修内容であればお金が無駄になるだけなので受講はしない方が良いと思っています。

せっかくお金と時間を使って学びの機会を得るのですから、極力意味のあるものにしたいですよね。いままで研修をうけて「あまり意味ないな」と思った方でも、自分の気持ちの持ちようで意味のある取組みに変えることができますので、ぜひ自己研鑽に励んでいただければと思います。

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