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各々の役割分担が明確な組織はうまくいく。

いきなりですが『組織』ってなんのためにつくられるのでしょう?
ざっくり言うと『ひとりでは実現できないことを多人数で行うことで実現するため』につくられるものだと思います。
※ここでいう組織とは一人以上が所属して活動する集団、と定義します。

さらにこれには大枠で『①同質/同種の人を増やす』のか『②異質/異種の人を増やす』のかの2つに分けられるかなと思います。

①同質/同種の人を増やす:(足し算)
同じ活動を複数人で行うことでひとりの成果よりも大きな成果を得ることを目的としたもの。例えば営業職の人数を追加で増やすことでひとりよりもさらも売上を伸ばすことができる、など。『足し算』の考え方に近い。
②異質/異種の人を増やす:(掛け算)
自分にとって不得意/不足している仕事や考え方ができる人を採用することで補うことを目的としたもの。例えば、ビジネスプランは考えられてもサイト制作ができない人がエンジニアを採用したり、発想力は豊かだけど詰めが甘い人が論理的かつ計画的な人を採用するなど。違ったスキルの人同士が掛け合わさって仕事をするため『掛け算』の考え方に近い。

実際には①のなかでも『異質/異種の人』もいる(同じ営業職でも感情的な人と冷静な人とか)でしょうし、もっと区分けしようと思えばできると思うので、こんなにハッキリ2つに分けられるものでもないとは思いますけどね。


僕が自社/他社問わずに組織をみてきたなかで「この組織はうまくいっているなぁ」って思うときは、そこに所属しているメンバーの役割が明確化されており、かつ、必要な機能の枠がきちんと埋まっている、という状態でいることが多いです。
※各々の役割の明確化ができていても、必要な機能がある程度埋まっていなければそれは偏りのある未熟な組織でしかありません。

『メンバーの役割が明確化されており、かつ、必要な機能の枠がきちんと埋まっている、という状態』というのは、『機能』でいうと事業に必要な営業や人事などの職種のことで、『役割』は突破力があるけど感情的な人がいて、それを抑えるための冷静な参謀役みたいな人がいる、といった全体の調和がとれるための必要な各々の役割、ということです。

所属しているメンバーにとっても「自分の機能/役割は●●だ」って理解できていた方が捨てて良い(やらなくていい)ものが明確になるので、やるべきことに選択・集中した活動ができることで成果を出しやすいと思います。
※自身が周囲から承認されている、という満足感も得られるでしょうし。

考えてみれば当たり前のことですが、会社という組織はそれを体現するために存在していますよね。それぞれに専門特化した事業や部があって、そこに所属しているメンバーはその事業や部が実現したいことを遂行するためのスキルを各々が持っているっていう。(同じ部内とかなら別ですが)全員がまったく同じことをやっているってことはないと思います。


D2Cdotでいうと役員3人それぞれが『外勤』『内勤』『全体』と各々違った役割分担(管掌)をしており、このおかげで他は任せて自分の持ち場を中心に集中して動くことができています。そして役割分担は明確ですが連携は互いに密にとっているので全体がズレて動くということはありません。
また、性格も各々違うので「お、そうきたか」という驚きもありますし、互いに自分が得意ではないところを相手に任せていられる信頼感もあります。

会社や部として達成すべきGoalが明確であれば、そこに至るまでのやり方は柔軟かつ自由で良いと思いますし、会社ごとに適したやり方は千差万別だと思います。

このため、会社の機能としては『外勤』『内勤』『全体』すべてが必要ですが、(例えば)社長がすべてをやらなければいけない、とかはありません。稀に目的と手段の主従が逆になって「社長はトップ営業じゃなければいけない!」とか言う人がいますが、それは『手段』であり『目的』ではないので、得意(有効)な人がやれば良いのです。本来こだわるべきは『結果』であって『手段(やり方)』にこだわっても意味がないと思います。

僕がマネージャーになりたてだった頃は、ここがわからずにすべてを自分が中心になってやらないといけないという無駄な責任感をもっていましたが、マネジメント業に慣れてくるにつれてそれは間違いだったと気づき、仲間に一定の役割を任せられるようになりました。その流れがあって社長になったいまも他の役員やマネージャーたちに対して信頼して役割を任せることができています。

もちろん『社長』という役割なので、絶対に他人に任せられないものもあります。そこは会社としての最終的な意思決定であり、結果に対する最終責任者は自分であるということは任せることはできないですが、そういったもの以外は別に自分でやらないでも良いと思っています。
※その方が純粋に仲間を認められるし、感謝することができます。


最近ではフリーで活動する人も増えていますし、なんでもかんでも社内のメンバーで対応しようとする必要はないので、『組織』というものを無理につくる必要もなくなってきました。ここについての考え方は人それぞれだと思うので、やりたいことを実現する方法は各々考えることだと思います。
※そういえば、ある意味『家族』も『組織』といえますね。

『組織』というものを大事にしたいと思う人は、実現したいGoalに対して自分やいまのメンバーで不足/不得意なところがどこかを理解し、そこを補完できる人材を採用していく・・ということから始めると、結果として組織はうまく回っていくと思います。

人はひとりでやれることには限界があるので、同じ目的をもった仲間で組織をつくりあげていくというのはとても楽しいものです。

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