よつは

1000文字小説。適当思いつきとオリキャラと二次創作。 アイドリッシュセブンの強火モブ…

よつは

1000文字小説。適当思いつきとオリキャラと二次創作。 アイドリッシュセブンの強火モブ妄想。和泉三月の実家のお客さんとかの妄想です。

最近の記事

アイドリッシュセブン モブ妄想 5_籠の中のお嬢様

夜の20時、いつもなら夕飯などを済ませ、寝る前に一息つきながら読書をしている時間だ。けれど金曜日、今日だけは違う。 普段あまり見ることの無いスマホを操作し、ほぼ初期のまま放置してある画面からひとつのアプリを呼び起こす。それはいろいろなラジオが聴けるアプリで、そこから迷うことなくある放送局を選んだ。 と、とタップすると少しの時間広告を挟んで、なめらかな声が聞こえ始める。 「みなさんこんばんは。MEZZO"のロングヒットアルバム」 男性にしては少し高めの、透き通る淡藤色を思わせる

    • アイドリッシュセブン モブ妄想 3_ファンの子

      「最近和泉三月さ、出しゃばり過ぎじゃない?」 初めてその言葉を見た時、思わず携帯を床に投げつけてしまいそうなほど腹が立った。あの時そばに居た妹が「姉ちゃん何してんの?!」と止めてくれなければ、今頃あたしの携帯はお陀仏だっただろう。頭の上に真っ赤なツノの生えた母親の姿が思い浮かぶ。妹よ、ありがとう。 でもそれ程に、あたしにとってはありえない発言だったのだ。怒り、次に悲しみ、心臓を誰かにぎゅっと鷲掴みにされたような息苦しさが襲ってきて、足先から冷えていく感覚に身震いした。 これ

      • アイドリッシュセブン モブ妄想 ゼロ_サラリーマン

        ──Get Back My Song. 意味は、僕の歌を取り返せ。 それは今話題のアイドル、Re:valeがゼロアリーナのこけら落としに当たって出したポスターに書かれている落書きであり、ゼロからのメッセージではないかと言われている。 もう40も超えた俺は、最近流行りのものをよく知らない。元々流行に疎い方ではあったが、仕事も忙しくこの歳でテレビを見ることもあまりなくなった。情報源といえば朝に読む新聞や家で付けっぱなしになっているテレビ、それもほとんど右から左へ聞き流してしまっ

        • アイドリッシュセブン モブ妄想 100_高校の同級生

          忘れられない同級生がいる。 そいつはサッカー部に所属していた。小学生の頃からサッカーをしていたようで、元々の運動神経の良さを生かし、センスがずば抜けていい上に視野が広い。司令塔にぴったりの男だった。 レギュラーは当たり前、高校の時には全国大会にも出場し、キャプテンも任されていた。更には顔も整っていたから当然女子生徒からの人気は厚く、けれどそれをちっとも鼻にかけない、男たちからも信頼の置かれた気さくで明るくいつも笑顔で、光そのものみたいな奴だった。 そして光があれば、そこには

        アイドリッシュセブン モブ妄想 5_籠の中のお嬢様

          アイドリッシュセブン モブ妄想_如月あると

          ※ 如月あるとに夢見てます。地雷な人もいるかも。わたしは如月あるとちゃんめちゃ好きです。 ─────────────────────── 瞳の動き、唇のかたち、頬の動き、声色、動作、人間が発生させる全てを見て、相手が何を考えているのか、どんな感情なのか、読み取り動く。それはもう意図的なものではなくて、幼い頃から身につけた習慣であり、処世術だ。生きる為に、私はそれらを見て、そこから相手が求める"私"という人物を演じる。もちろん演じ過ぎては不信感を与えてしまうから、それぞれか

          アイドリッシュセブン モブ妄想_如月あると

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 5

          「昨日の愛なNight、見た?なんか三月さん、変じゃなかった?」 通勤ラッシュ前の朝早く、電車の中で顔を合わせた途端、彼女はおはようも言わずにそう声をかけてきた。 いつも礼儀正しく、おはようもいただきますもごちそうさまもまたねも欠かさない彼女らしくない行動に、動揺が伝わってくる。そしてその動揺は、俺自身も持っているものだった。 「三月さんってか、全員なんかおかしかったよな。元気ないって言うか……」 「そうそう。でもさ、割と他メンが最初乗ってないなーって時でもいつも三月さん

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 5

          アイドリッシュセブン モブ妄想 3_居合わせた子 2

          人それぞれ推しがいて、きっとみんな推しが大事で、好きがあるから嫌いがある。誰だって推しを1番見たいし、推しに1番喋って欲しい。私だってそうだ。三月くんがいつも笑顔でいられるように、元気でいられるように願ってる。 「三月、邪魔じゃない?」 まるで自分に向けられかのように突き刺さった言葉は、私も過去に誰かに向けて悪気なく向けたかもしれない刃なのだ。だからきっと、誰も悪くない。誰も悪くないから、私は私に出来ることをするしかない。そんな声よりずっとずっと大きな声で届くように、ずっ

          アイドリッシュセブン モブ妄想 3_居合わせた子 2

          アイドリッシュセブン モブ妄想 3_居合わせた子

          「本日も始まりましたー!キミと愛なNight!!たくさん楽しんでくださいね!」 小さなイヤホンから、優しい響きの元気な声が聞こえる。推しはいつだって笑顔で元気いっぱいで、すごいなぁと思わずため息が出た。 昨日、大きな失敗をしてしまった。 取り引き先の会社にも迷惑がかかることで、上司がカバーしてくれたものの損害は取り戻せない。入社して6年目、ここまでのミスをしたのは初めてで、酷く落ち込んでしまった。落ち込んでも仕方のないことだとは分かってるけど、どうしても気分が晴れない。私

          アイドリッシュセブン モブ妄想 3_居合わせた子

          アイドリッシュセブン モブ妄想 Re:vale_結婚式

          真っ白なウエディングドレスに包まれて、別人みたいに綺麗になった自分を見る。 こんな日が来るとは思わなかったな。柔らかなドレスは、彼が一生懸命選んでくれた、私に1番似合うドレスだ。彼はとてもいい人で、付き合って5年が経つ。アイドルが好きな私にも理解があって、流す曲も全部私に任せてくれた。 『t(w)o…』 Re:valeの曲は、いつも私の背中を押してくれる。あの時からずっと。 初めて彼らを知ったのは、友達からの噂だった。 「凄くかっこいい他校の男子生徒が、2人組でアイドルして

          アイドリッシュセブン モブ妄想 Re:vale_結婚式

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 4

          7月、真っ青な空にジリリと肌を焼く太陽。 6月の時点でもう暑かったのに、また一段と暑くなってきた今日この頃。猛暑の中、暑さを吹き飛ばすかのような、太陽にも負けない光がそこにはあった。 キラキラと輝く水しぶきの演出、炎が噴き出す中で汗が伝い落ちるのが見てとれる。昼だからあまり目立たなかったけど、きっと夜ならば綺麗に彩っていたであろういくつもの照明、俺たちの手に託されたサイリウム。暑さも、疲労も、バテも感じさせないパフォーマンスは圧巻で、俺は我も忘れて叫びまくってしまった。 ID

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 4

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 3

          ぺり、と音を立てて、袋が破れる。中に入った棒を持ち上げると、見るからに冷たそうな真っ白なかたまりが出てきた。アイスはチョコやいちごより、断然バニラ派だ。 5月を超え、6月が始まり、初夏が終わり、夏が始まった。制服を夏物に変えても、ワイシャツが1枚になっても、ひたすらに暑い。そんな放課後、友達とアイスを食べるのが日課になっている。 「そういえば最近お前、六月といること多いよな」 友達がそう言った時、俺は既に溶け始めてきたアイスを零さないように急いで口に含んだところだった。

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 3

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 2

          「昨日のIDOLiSH7、すごくよかったよね?!ラスサビでナギくん抜かれたじゃん?どこの王子様かと思ってクラクラしたよ……」 人の良さそうな丸顔をにこにことゆるませながら、目の前の彼女は力を込めて語る。以前は特別に目立つ訳では無いが誰からも嫌われず、誰とでも仲良くなれるようなほんわかとした印象が強かったが、こうして話すようになってからは案外情熱的で、さっぱりとした性格なのだと知った。俺の初めてのオタク友達は、すごく良い奴だ。 男が男性アイドルを応援する。 最近では偏見も少

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生 2

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生

          朝の始まりは、MONSTER GENERATION。 人混みが苦手だから、いつも通勤ラッシュを避けて早めに電車に乗る。カタカタと揺れる中、パワフルで元気を分けてくれるこの曲は、眠気も吹き飛ばす。だからどの曲よりも、朝にはぴったりだ。 学校では友達が近くにいることが多いから、基本音楽は聴かない。放課後はバイトがあればバイトに行き、なければ友達と軽く遊びに行ったり、真っ直ぐ家に帰る時もある。そういう隙間時間は、シャッフル再生。どの曲も好きだから、この時間もまた大切だ。 家に帰って

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイナナファンの男子高校生

          アイドリッシュセブン モブ妄想_ジャイマの時

          今週は1週間、ずっとツイていなかった。 月曜は何故か急に目覚ましが壊れて、寝坊して朝から大慌て。遅刻寸前で走っていたら見事なまでなコケ方をして、買ったばかりのストッキングが破れ膝は血だらけになった。 火曜は毎週火曜だけに利用することを決めている美味しいキッチンカーがまさかの休みで、急いで行った近くのコンビニは改装のため閉店中。他を探すもどこも満員で、結局お昼は食べ損ねた。 水曜はタンスの角に小指をぶつけるし、会社で机の下に落としたものを取ろうとして、頭を盛大にぶつけた。痛かっ

          アイドリッシュセブン モブ妄想_ジャイマの時

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイドルが好きな子

          私は、アイドルが大好きだ。 そこに男も女も関係ない。男性アイドルも、女性アイドルも、とにかくアイドルという存在が、昔から何より好きだった。自らの身を削って、私たちに幸せを分け与えてくれる、夢を魅せるためにいつだって笑顔で歌い、踊る、そんな彼らが何よりも好きで、尊敬している。 だから目の届く範囲の彼らを、ずっと追いかけていた。雑誌を集めるとか、ブログを全て追うとか、そんなことは出来なくても、ただ彼らのステージだけは全て追っていた。 NATSUしようぜという曲がある。TRIGG

          アイドリッシュセブン モブ妄想_アイドルが好きな子

          アイドリッシュセブン モブ妄想 3_アパレルショップの店員

          アパレルショップの店員をやっていると、当然いろいろな人がくる。 店のコンセプトが男女共に着れるシンプルでナチュラルなユニセックスさで、比較的低価格なものもあるからか若い男女だけでなく少し年配の方もくるし、逆に中高生くらいの子達もくる。オシャレな人も、これからオシャレを始めますという子も来て、接客は飽きることなく楽しい。そしてたまに、テレビに出てるような芸能人がくることもある。 ──「もしかして、IDOLiSH7の和泉三月さんですか?」 「違います。人違いです。……あはは、あ

          アイドリッシュセブン モブ妄想 3_アパレルショップの店員