帝王切開見聞録(血の出る話)

二度目の帝王切開です。帝王切開って半身麻酔なので、術中意識があるんです。でも横たわった胸のあたりで、手術の様子が見えないよう衝立のようなものが視線を遮ります。なので、「なんか下の方で先生たちががんばってる...なにが起こっているんだ...なんか結構力で出してる感じある!?? あっ子ども出てきたっぽい! こんにちは! あっ対面一瞬か、すぐ向こうに持ってかれた..,しかし手術は続く...何がこの身に起こってるんだ...」とずーっと気になり続けるわけです。それが第一回目。

今回、二回目の帝王切開手術にあたり、好奇心が抑えきれずに病院にお願いして、手術中の様子をずっとモニターで見せてもらいました。

バースプランに「無理ならいいのですが取り出すところ見たいです」って正直に書いたら、「直接は無理ですけどモニター用意してそれ見てもらうことならできますよ」と快く対応してくれたのでした。

手術準備中モニターの位置調整とかしてもらってる間も、「こういう映像大丈夫な方ですか」「いやー大丈夫かどうかは見てみないと分かんないんですけど...」「ダメだと思ったらすぐ言ってくださいね⁉︎ 消しますから」などとお気遣いいただきました(不安にさせてごめんなさい、結果的には全然大丈夫でした)。

以下、人生初の手術見学ハイによって、術後半日くらいに書かれた見聞録です。ここから血が出る話なので苦手な人は読まずにどうぞ。

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まず前回のケロイド状の切開痕を切り取り、同じだけの大きさで腹部を切り開きます。肉と脂肪が露出し、「脂肪厚くないかしら...」と無駄な心配と恥じらいが胸中に去来。

奥へと進むとつるっと大きな丸い内臓が見えて、それが子宮(赤子入り)。慎重に一切りしては出血を吸い取り、あまり大きくない切り込みを入れたその先に、子の頭髪が見えました。思わずそこで「おわっ」と声が出ました。

モニターの中で先生がググっと赤子を取り出し、出てきた! すごい!と興奮した次の瞬間に先生がハイッ、とリアルな視界に白い膜のようなものを付着させた赤子を差し出してくれてご対面。赤子はもう声を上げて泣いてました。なんと言えばいいか分からず「こんにちは」とご挨拶。

それからの処置は、胎盤を取り出して、子宮収縮剤の投与を指示しつつ子宮とその他の内臓の癒着などをチェック、子宮の切り口を針金っぽい何かで縫い(でも多分溶けてなくなるやつ)、腹部に溜まった血をタオル?で拭き取って、浮かせてた子宮をぐっとお腹に戻して、お腹をきれいに縫っておしまい。「今はきれいなんだけどねぇ(この後傷痕がケロイド状になるよ)」と先生。いいんすよそれくらい。


赤子はその間にいろんな処置をされてたっぽいけど詳細不明、最後に預けたカメラでツーショット記念写真を撮ってくれました。


今までこう、ぼんやり霞のかかったような想像だったものが、はっきりリアルタイムで映像として把握できてものすごくスッキリしました。あと麻酔は偉大だな、と感心。あれ麻酔なしでやるとなったらショック死も止むを得ずだと思う。


素人観察なので手順は誤解などもあるかもです(あとカメラの視界に作業のみなさんの頭部が映り込んで見えない工程もあった)。
先生が「じゃあ次は見る側じゃなくてやる側で参加ですかね!」と冗談をおっしゃってましたが、あんなきれいな縫い物、裁縫の苦手なわたしには無理だと思います。

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以上がメモでした。言及しわすれてたけど、もちろんメインの施術の先生方の手の動きも迷いなくよどみなく、技術の蓄積を感じさせられて、本当にこのように医療に関わり続けてくださった方々のおかげでわたしと子どもふたりの命はあるんだなと実感できました。

見てよかった!

あと新生児、ふわふわでくにゃくにゃでしゃっくりしがち。天使。

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