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ポメラ日記 2020年1月14日 寝返り、かなしいおとがする

さようなら福岡の日。
今日は平日でささださんはリモート勤務のため、わたしが子どもたちをみている。
こども二人を見ながら荷造りなどしていると全く手が回らず、とりあえずぱんださんをディズニーチャンネルの前に座らせておくというようなことになる。
この手段は、やればやるほど反動でぱんださんが後でおかーさんべったりになるので、余裕の前借りのようなものだ。

母の車に乗せてもらい、スーパーへ昼食を買いに出て、母が財布を忘れたことに気づく。
わたしは帰省中完全に甘えきっているので財布の携帯など全くしていない。母の鞄にあった小銭入れの中身で乗り切った。
小銭入れの中身だけで千五百円程度支払える豊かさに感服する。
このようなミスに遭遇して、いつまでも元気だと思っていた親の老いを実感したりするべきかもしれないが、あいにく母は若い頃からうっかりものであった。わたしもうっかりものである。親子だな、という感慨はあった。

帰ってご飯を食べたりわちゃわちゃしていると、お布団に仰向けに寝かせていたよんださんが、ころりと布団から落ちるように寝返って、にこにこしていた。人生初の寝返りである。福岡滞在最終日にそのようなイベントがおこり、わっと場が華やいだ。ぱんださんも笑いながら「よんだちゃん、ころーってしたねぇ、おもしろいねぇ」とはしゃいでいた。

慌ただしく別れを告げて空港に行く。スムーズに移動できたため、行動に余裕を持たせていたその余裕がそのまま待ち時間になった。福岡空港で時間があればすることは何か。それは美味しいものを買い集めることである。
・薩摩蒸気屋 かすたどん
・梅ヶ枝餅
・茅乃舎 博多限定あごだし、いりこだし、濃口醤油
・いちご大福
・福砂屋 カステラキューブ
福岡では東京より、美味しいものを食べたい、手に入れたいという欲求がいや増す。少し非日常だからかもしれないし、単に「この土地の美味しいものなら知っている」という自負があるのかもしれない。

飛行機でぱんださんに「おとなしくしていろ、大きな声をだすな」ということを手を変え品を変えやんわりと押しつけていたら、着陸して地に放たれた途端、ぱんださんがはじけるように動き出した。一時も止まっていないし常にしゃべり続けている。激しく運動するエネルギーを持った物質を箱の中に閉じ込めておいて、ぽんと蓋を開けた時のような様相だ。

ぱんださんが唯一おとなしくしていた空港のトイレの中、おむつを換えてもらいながら、ぱんださんがふと「どうしてかなしいおとがするの?」と聞いた。
トイレにはクラッシック調のバイオリンの演奏がかかっていた。
「ぱんちゃんにはこれが悲しい音にきこえるのね?」
と確かめたら、
「うん、ないているおんがくだよ」
とうなずいていた。

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