オムロン社との資本業務提携に関して
iCAREの山田です。
当社は2024年7月2日にオムロン社との資本業務提携を締結し、その後約1ヶ月が経ちますので、私たちが何を考えているのかここでご紹介します。
冒頭のアイキャッチは、私から社員向けに共有したCEO Letterからになります。今回のプロジェクトは社内でも一部しか知らない内容だったため、詳細に話をしました。
iCAREが描く世界
iCAREは「働くひとの健康を世界中に創る」というパーパスを掲げ、2011年から13年以上にわたって働くひとの健康を創る領域で挑戦し続けてまいりました。青山一丁目の1室で健診予約BPOをメンバーとともにやり始め、その後も様々なサービス・プロダクトを展開する中で、お客様とともに今の状況があります。
iCAREは、働くひとの健康が個人の努力やコストという観点ではなく、その人が置かれた環境や仕組みによって変えられると信じている会社です。社会的価値観を代表とする時代の大きな変化によって、企業は働くひとの健康、広義な意味での健康(当社ではファイブリングスと言っています)に積極的に関わらないと持続的な事業成長が出来ません。
ただし、これらを実現しようとするとどうしても人事や専門職のリソースの問題や運用方法のノウハウの問題が出てきます。そこで当社は、これらの諸問題を解決するために、業務効率化のクラウドと専門職の知見を活用し、サービスを総合的に組み合わせることで企業の働くひとの最適な健康づくりの支援をしてまいりました。
このクラウドとノウハウが掛け算となってぐるぐるまわることで真の価値が提供できると考えています。その中心にあるのは、データなのです。これまでブラックボックスだった様々な行動や結果が、このデータというものを活用することで見えるようになり、それが大きな力をもたらすことになります。私の直下のチームにはデータアナリスト2名、R&Dも2名、専門職やCS、開発チームがデータ分析に協力するなど社内においてもデータをどうお客様にとって良いものとしてお伝えできるのか常に考えています。
データに基づいた健康経営ソリューション創出を目指す
今回のプレスリリースの副題にもありますように「データに基づいた」を健康経営ソリューション創出にあえて加えることによって、多くの企業で発生している問題を解決していく、解決できるということが今回の提携の大きな意味となります。
オムロン社は、Missionに「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を掲げ、さらに長期ビジョン SF2030では、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」を存在意義とし、「健康寿命の延伸」を作っていく自律社会の実現を目指しています。
世界中の人々がいつまでも健康ですこやかな生活を送ることができるヘルスケアシステム。それは「意識することなく、誰もが健康に暮らせる仕組み」として挑戦していくことを決めています。
2023年6月30日にオムロン社に共感し、8社の大企業が中心となって「健康経営アライアンス」が立ち上がり、今では400社以上が参加するコミュニティが誕生しました。企業が、健保がより働くひとの支援をどうすればよいのか実践する場を作っています。また2023年12月には、社長直轄部門としてデータソリューション事業本部(DSB)を新設し、その中にコーポレートヘルス事業部を作っています。
これらのことから、オムロン社は、モノづくりから「データを軸に新たな価値を創造するソリューションビジネスへの進化」を目指していることが良く理解できると思います。
当社とオムロン社が感じている社会的課題及びそれらをどう解決していくのか、データを新たな価値にトランスフォームしていかなければいけないといった強い想いがまさにここで一致したのです。
当社は、企業の働くひとの健康づくりにおいてデータのもつ悪さ、活用しづらさなど長いこと経験してきました。これらをオムロン社とともに今後は、健康経営というフィールドで大きな価値へ変えられると信じ、今回の資本業務提携が実現しました。
オムロンの創業者立石一真さんのSINIC理論
私とオムロン社との出会いは、実は慶応ビジネススクール(KBS)時代へさかのぼります。KBSはケースメソッドを中心に事業・組織・財務を理解し、リーダーシップを育成することで有名ですが、その中で創業者の立石一真さんのケースにふれる機会があったのです。センシングやオートメーションを主たる事業の核としながらも様々な業界で活躍していることを知るとともに、創業者の哲学と言える真髄にも触れることが出来たのです。あの当時から、もしかしたらこのような素晴らしい企業とどこかでお仕事を一緒に、、、というようなことも思っていたところもありました。だから今回のことは、運命的な出会いと御縁を強く感じるのです。
オムロン社の考えの礎にSINIC理論があり、この理論が素晴らしいのです。
1970年国際未来学会で立石一真さんが発表し、当時「機会化社会・自動化社会」だったところを「情報化社会」の未来を予測し、さらに「最適化社会」をも予測していることにKBS当時は、驚愕しました。この最適化社会は、当社が2021年、2022年の大規模イベントCarely Sustainable Expoでもメッセージした「共存革命」や「パーパスへのシフト」と類似しています。
最適化社会のためには、組織や個々人の状態を制御し、それを画一的ではなく、それぞれの価値観にあった形で価値へトランスフォームしていく必要があります。
オムロン社との資本業務提携は、まさにデータを中心において、働くひとの健康をどう創っていくのかの始まりに過ぎないと思っています。
最後に
事業会社でかつオムロン社ほどの大きな企業様との提携は、当社にとってはじめてのことです。オムロン社にいる熱量高い方々の想いに触れ、本気と本気がぶつかった結果、このような素晴らしい関係が出来たことに感謝しています。
ちょうど1ヶ月しか経っていませんが、この1ヶ月も濃密な時間を共有することができ、「働くひとの健康を世界中に創る」パーパスを胸に、スタートラインにたった気持ちでこれからも尽力していきます。
当社での採用状況は限定的ではありますが、是非人員計画をぶち破ってくるような情熱をもった方のご応募をお待ち申し上げます笑