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事業会社の新卒デザイナーが5タイプの現場で価値を発揮するためにしたこと

クックパッド Product Design Leadのよーた(@yotaszk)です。

レシピサービス「クックパッド」のユーザー体験に責任を持ち、今年からチームをリードしていましたが、11月30日付でクックパッド株式会社を退職します。

このnoteでは、2022年4月に新卒入社、インターンを含めると約3年間で実践した「事業会社の新卒デザイナーが5タイプの現場で価値発揮するための超具体的なコツ」を実例を交えながら紹介します。

今日からぜひ真似してみてください!


はじめに:noteの全体像と約3年間のサマリー

約3年間は、短期間で大きな変化の連続でした。ウェブの直帰率の改善からアプリのTOPリニューアル・0→1の新規事業の立ち上げ・デザインリサーチ・現在のデザインリードなど、取り組む対象も様々でした。

そして、自分の責任範囲も、自分のアウトプット(施策)のみに集中 → デザインリードとしてPOのビジョンの具現化とチームで成果を出すことに焦点が移る経験もしました。

このnoteの全体像

そんな現場で実践した価値発揮するためのコツを惜しみなく公開するので、チームで働くデザイナーのヒントになれば幸いです。

タイプ1: 先輩に密に伴走してもらう環境で成果を出す

2020年10月ごろに、ウェブ版「クックパッド」の直帰率改善や生鮮食品EC「クックパッドマート」でインターンしていた時のことです。

最初はシンプル!「話しかける前に困りごとを整理し、さっと質問して解決」を心がけました。

今振り返ると、タイプ1の環境は、クックパッドではじめての仕事でしたが、ここからコツコツと進め方に対して信頼を積み上げ、徐々に数百万人に影響の出る施策への指名や自ら立案、最終的にチームをリードする仕事が増えました。

Googleや社内ドキュメントを一通り調べて「ここまでわかったけど、ここからわからないから教えてください」と聞いてみたり、「ここが迷っているので、何か先行事例知りませんか?」などと聞くことでスムーズに解決できます。

最初は尋ねることすらハードルに感じますが、自分から声を上げないと、困っていることに気づいてもらえないこともあります。質問をうまく活用して進めましょう!

クリスマスバージョンのロゴやマートの記事をデザイン

今日から真似できる度:
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 ひとこと:
とはいえ、いきなり言語化するのは難しいことです。まずは「困っています!」という意思表示だけでも伝えるだけで物事は進みます。意思表示から始めてみるのも良いかもしれません。

インターン時代に書いたnote: 

タイプ2: 先輩デザイナーと共創して成果を出す

2022年4月〜7月にクックパッドアプリの投稿機能をまとめた新タブ「のせる」を先輩デザイナーと共同施策オーナー・デザイナーとして、立ち上げた時のことです。

言葉と作ったデザインで会話して作り上げること」を意識していました。

デザイナー同士が共創する場合、お互いのアイデアを持ち寄りお互いのデザインを高められるというメリットがあります。モノに向かう時間が増えることで、デザインの品質も向上すると感じています。

そして、なにより一人よりも複数人デザイナーでのデザインは、お互いの強みや個性を活かせて楽しかったです。

デザインした「のせる」タブ

今日から真似できる度:
⭐️⭐️⭐️

ひとこと:
デザイナーが複数人で1つの施策に関わる機会では、ぜひ積極的にジュニア側のデザイナーから距離を詰めると良い関係を築きやすいと思ってます。私(ジュニア側)も一度一緒に形にしたからこそ、その後の仕事でも遠慮なく意見を伝えられる関係づくりができました。

「のせる」のデザインに関するnote:

タイプ3: 0→1のスモールチームで成果を出す

2022年の下半期、施策オーナー・PdM・デザイナー(私)の3人で、以前のnote「60人以上のインタビューから価値と体験を具現化するためにデザイナーが行ったこと」で紹介した「新アプリトップ」と「テーマ」を具現化した時のことです。

(一旦)わからないままでも作り、形にできる武器を活かして議論を進める」を意識しました。

新しいコンセプトを作る場合、それぞれの頭の中に考えだけがあり、空中戦になりがちです。デザイナーの目に見える形を作れるという武器を使い、形にしたものを軸に話すことで議論が進みます。

良い方向に進まなくても、形にして見せてみることで「これは違う」がわかったり、何度かやり取りをすると「ぽいかも」「これだ」という感覚が擦りあっていくので早く具現化できると感じます。

デザインした新アプリトップとテーマ

今日から真似できる度:
⭐️⭐️⭐️⭐️

ひとこと:
何か新しいコンセプトを作る時、すべてがクリアに見える状況はないように感じています。最初はいい意味でラフに気を抜いて、まずはデザインすると少しずつクリアになってきいます。

「新アプリトップ(2022)」のデザインに関するnote:

タイプ4: 外部パートナーのデザイナーたちと共創して、成果を出す

2023年の上半期、外部デザインパートナーと共に、国内外のフィールドワークを中心にした「デザインリサーチ」を行い、新たな機会領域を模索するプロジェクトに取り組んだ時のことです。

まずはタイプ1でも意識していた「遠慮せずに質問する」です。パートナーの持っている手法を習得しながら、プロジェクトの成果に繋げるため、モヤモヤしたことは積極的に質問・相談しました。

続いて「自分(自分たち)のやり方をオープンにする」です。

パートナーのスタジオで仕事をしていた際に、私が何気なく作っていたデザインシステムやFigmaの使い方を見たパートナーの方たちが「効率的ですごい!」と反応をもらい、簡単にレクチャーしたことがありました。

この出来事が、よりお互いにオープンにしあうきっかけになり、結果的にパートナーのやり方もより深く聞ける関係を築けました。

イギリスとスペインで実施したフィールドワーク
日本で実施したフィールドワーク

今日から真似できる度:
⭐️⭐️⭐️

ひとこと:
「自分では当たり前と思ってやっていたことが実は人からすると目から鱗」みたいなことは結構あります。情報の扱いに注意しながら交換するマインドを持つと、インターネットには出ていないレアな情報をゲットしやすい?と感じます。社内での取り組みでも転用できるのでお試しください!

タイプ5: POのビジョンを具現化する & 同時にチームメンバーを率いて成果を出す

2023年下半期から、Product Design Leadとして、代表でありPO(プロダクトオーナー)のビジョンを具現化する役割と、プロダクト全体のデザイン品質を保ちチームをリードする2つの役割をした時のことです。

まず、POのビジョンを具現化する際は「最初の目線合わせが最終結果を決めるため、解くべき問いをクリアにすること」を最重視しました。

POとはじめて一緒に仕事をした際に、いきなり抽象的なビジョンや体験を具現化しようとし、POの脳内を理解しきれず芯を食ってないやりとり、デザインの手戻りが多いと感じました。

そこで、2周目からは「問い」を最初にクリアにすることを注力。擦り合わせた後でも継続的に1日おきに30分程度のミーティングを組むことで、連携がスムーズになりました。

ミーティングドキュメントやSlackでのやり取り

2つ目はチームをリードする立場として「基本は担当デザイナーに任せる。デザインレビューでは納得できるまで話す」を意識しました。

1つ目を進めながらだと、どうしても各施策の細かいところまでは追えない状況でした。

そこで、基本的には担当デザイナーたち(2〜3名)に任せ、デザインレビューでは背景理解の共有と譲れない箇所や疑問点をFigmaのコメントで密にやり取りし、デザイン品質を担保しました。

Figmaコメントでのやり取り

今日から真似できる度:
⭐️

ひとこと:
タイプ5は、再現性や取り組みやすさはその時の経験や環境にかなり依存する気がしました。特に後者のチームを率いる経験は、私にとってはじめての経験であったためかなり手探りでした。
チームメンバーにもたくさん迷惑をかけ支えてもらいました。ありがとうございます!今後また向き合っていきたいチャレンジです。

まとめ: とっても楽しい約3年間でした!

リアルなサービス開発の現場で、それぞれ工夫していたことを5タイプに分けて紹介しました。振り返ると、今のクックパッドでしかできない経験ができたと感じます。

約3年間で取り組んだプロジェクト(一部)

そして、改めて(図々しく?前のめりに?)挑戦できた理由を考えると、以下の2つのマインドセットを大切にしていたからだと感じます。

  • 新しいこと、やったことないことへの好奇心

  • なんでも、とりあえずやってみる姿勢

そして、どのプロジェクトでも楽しくデザイン、数えきれないほどの失敗をおもいっきりできたのは、チームのみなさんの優しさがあってこそでした。ありがとうございました。

これからもこの経験を大切に、新しいことにチャレンジしていきます。

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よーた / Yota Suzuki
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