コーヒーフィルターが、闇堕ちした
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コーヒーフィルターが、闇堕ちした

相馬 光

 職場の方から本を貸していただく。
 本を読んで、私が面白がりそうだと思ったという。
 こんなにうれしいことってあるんだなと思う。
 何かを読んだり、聞いたりした時に、私のことを思い浮かべてもらえるとは。
 その人の人生の一瞬にお邪魔できてうれしい。
 大切に読もうと思う。

📚

 夜に、家に羽虫が出た。
 羽虫を逃そうと思って捕まえて一番近くの台所の窓を開けてポイと放った。
 その時にコーヒーのゴールドフィルターやら計量カップなど置いていたものをひっくり返してしまった。
 羽虫はどこかへ飛んでいったが、台所のものがわちゃわちゃになった。
 コーヒーのフィルターがどこにもない。
 コーヒーフィルターは窓に一番近いところに置いている。そこで気づいた。
 窓から、落ちた。
 隣家と我が家の隙間には室外機や草むらのある人の踏み込めない闇がある。
 コーヒーフィルターが、闇堕ちした。
 なあああ、となりながら窓の周りをウロウロし、スマホのライトで闇を照らすもコーヒーフィルターは見当たらない。
 ああもう、ダメだ。あいつはもう戻ってこない。
 っていうかもし戻ってきてもきっと泥々になっている。
 それでコーヒーを淹れる勇気はない。
 紙のフィルターもあるし、明日はとりあえずそれで淹れるか、と思いながらふとリビングの机を見たらコーヒーフィルターが置いてあった。
 「なんでそこにお前が!?」となり、訳が分からず言葉を失いながらアワアワしてしまった。
 転生!?って一瞬思ったが、思い出した。
 昼間にコーヒーを淹れようと思って、やっぱやーめたとなってそのまま置いていたのだ。
 虫を放った時に完全にそこにあるものだと思い込んでいた。
 イマジナリーコーヒーフィルターを闇に放っていたのだ。
 「よく帰ってきたね」と言いながら今朝もコーヒーを淹れた。
 どこにも行っていないのだけど。

☕️

 読み物サイト、文芸ヌーに『 』という短いお話を書いた(インターネットウミウシ名義)。
 平野鈴氏と作ったドラマ『BACKGROUND』の脚本を書いている時に出会った「ある方」とのことを書いた。

 ちなみに書き出しの「江戸、品川の鈴ヶ森〜」の続きはこちらで聞けます。
 ご興味のある方はぜひこちらもどうぞ。

 『 』

 平野鈴氏がbutajiさんの『free me』のMVに出演している!!!

 曲も映像も最高にかっこよいのだ。
 『free me』の歌詞は読むとなんだか胸が熱くなる。
 あのアガるところがもうたまんないのだ。
 車の中を漂うように居る平野鈴氏も最高なのだ。
 居るというより在る印象に近いかもしれない。
 あの車自体が平野鈴氏であり、その中で自分自身の心というか魂が漂っているように見えるのだ。
 昨日の『スナックカワウソONLINE』でMVの裏側を語っているのでこちらもぜひ。


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ニャーン(訳:ありがとう)
相馬 光
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