短編、というかメール

　よみものサロン、文芸ヌーに『ビエネッタ』という短編、というかメール？を載せていただいた(インターネットウミウシ名義)。

ビエネッタ(インターネットウミウシ)

　今まで書いたことのない、かなり実験的な手法だ。たくさんの人に楽しんでもらえたらいいな。

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　東日本大地震から10年とのことで、最近はニュース番組などでもたくさんの特集を目にする。
　10年前、私は東京の家でのんべんだらりとごろ寝をしながらラジオを聞いていた。
　そしたら突然の揺れ。聞いていたラジオも生放送の番組だったから、それまでいつも通りだった放送が全く違う番組に変わったのを今でもよく覚えている。

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　10年経ったから思い出すということはなく、小さな地震でも揺れがあると10年前のことを思い出す。
　きっとこんな感じで、阪神のこと、中越のこと、胆振のことを思い出す人たちがいるのだろうなと思う。
　ちなみにこの間、東京でも久々に少し大きめのゆれがあった日には、防災リュックを押し入れから引っ張り出した。中を開けたら文庫本の『岸辺のアルバム』が入っていた。なんで入れたんだ。

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　10年前の今、私は大学4年生でまだ就活をしていた。
　就職氷河期だったこともあるのだが、何をしたいのか決まってなくてふわふわと就活していたら、いつの間にか卒業目前になっていた。
　そこで震災が起こり、それまであった就活スケジュールも白紙になった。
　毎日テレビやラジオで流れるニュースを見聞きし、もはや就職どころじゃないなぁと思っていた。

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　卒業式は大きな場所で行う予定だったが、その場所が万が一の避難場所として指定されていて使えなくなった。
　だから大学の教室で、卒業証書を貰い解散となった。
　今、コロナの状況で卒業式がない学校があると聞いた。なんだか10年前と今とで似ているなぁと思ってしまう。
　ちなみに、卒業式の翌日に内定が出た。
　同級生たちの中で史上最も遅い内定だった。
　結局そこすらも辞めて日々文章を書いて生きている。
　人生でどうなるかわからないものだ。

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　文芸ヌーに載せた『ビエネッタ』を書く時に聞いていた曲をプレイリストにした。
　もしよろしければ聞いてください。