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ずらし転職編_仕事と給与の関係

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。

就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

これまでは、1冊目の著書である
「どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」」
(クロスメディアパブリッシング)
から、皆様のキャリア形成や今後の仕事に繋がる内容をピックアップしてお届けしてまいりました。

今回からは、転職などを考え始めている方向けに、
「ずらし転職」(ワニブックス)
から、実践できる内容をピックアップし、お届けしてまいります。

今回は転職にまつわる給与の話です。多くの転職サービスの支援事例の中で良く年収アップの話はありますが、年収の優先順位が上がり過ぎた際の問題と、そもそもキャリア形成において、まずは何が大事かについてお伝えしています。

「給料」だけを見ると見落としやすいこと

人によっては「この会社の給料が高い」といった環境だけを見て異動する人もいますが、そういう点だけで仕事を続けていくのはつらくなります。

会社というのは、人に給料をあげるために存在しているわけではなく、1人ひとりが働いた結果、利益が生まれて給料が発生するのです。会社からもらえる対価だけでなく、自分も会社に労働・価値提供という対価を支払うということを忘れてはいけません。

何かがもらえるという考えだけで転職をしてしまうと、期待に対してズレがでてきた瞬間に、「評価の制度がよくない」「勤務時間が長いのに報酬が高くない」といった不満が生まれやすくなります。

加えて、給与水準は業界の特性によって決まりやすいということも、頭に入れておきましょう。

たとえば、鉄鋼系のメーカーで仕事ができる30歳よりも、外資系金融機関の新人のほうが高い年収を得るということはざらにありました。

給料の相場は産業によって決まる

私の場合、社会人3年目の年収は、ベースでいうと600〜700万円くらいでした。驚いたのは、私より優秀なメーカーの担当者や有能な経営企画の課長、若手のリーダーの方々とお会いしてお話を聞いても、みんな私より年収が低かったことです。

掛かるコストや利益率が異なる業界では、当然給与に違いがでてきます。本人の仕事の能力と年収は、業界をまたぐとそんなに比例しないのです。

ただ、年収を上げたいと思ったときに、今の職場で優秀になれば大幅に年収を上げることができるかというと、それはなかなか難しいと思ったほうがよいでしょう。

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給与の額というのは、産業のビジネスモデルがだいたいの相場を決めてしまいます。年収を軸に転職活動を考えすぎてもよくありませんが、特に転職の場合は、給与水準を含めて本当にその業界で働いていきたいかということは、仕事を選ぶ前にきちんと見定めておく必要があるでしょう。

せっかく鉄鋼の世界が好きで鉄鋼系のメーカーに入ったのに、給与だけが不満で金融機関に転職するというのは、本当に幸せなのか?ということは考えたほうがよいと思います。

異動や新しいプロジェクトの就任などは、仕事のなかでも比較的自分の手で調整しやすい要素ですが、年収は調整しづらいといえます。

その会社の給与体系を無視して、急激な昇給を見込むことは困難でしょう。そのため、給与については入社後に考えるよりも、入社前にある程度見据えておくべきです。

今の会社で年収が上がらないことに悩んでいるから、仕事で結果を残そうと思われるのはポジティブなことですが、自分が少しスキルアップしたからといって、それに比例して年収が上がるというのは幻想です。

「自分は何のプロか」が語れるか

一方で、こういう職種で、この程度の成果が生み出せる人であれば、給与はこのくらいという職種に紐づく相場は一定程度あります。特に業界横断可能な専門職においては特にそうでしょう。

この相場を決めるものが、これまでの「キャリア」になります。

もともと「キャリア」という言葉は日本のものではないので、独り歩きしやすいところがあります。ただ、実は海外でも、辞書によって定義が微妙に違っていたりするのです。そこで、私は、キャリアという言葉の意味を、

「何かしら継続的に発展していく専門性」

と定義しています。

一度実績をつくれば安泰で、それでご飯を食べていけるというものではなくて、あくまでキャリアとは、ずっと磨き続けていくものなのです。

また、価値を提供して結果として対価がいただけるものであるということも、「キャリア」が含む意味ととらえることができます。

何かを極めても、そこに対して人々が対価を払いたいと思えないのであれば、それはあくまで趣味の積み重ねであり、キャリアとは違います。

これが、私が考える「キャリア」です。

対価が支払われるということは、何かしら専門性があり、そこに付加価値が付随しているということです。だから一言でいうと、「あなたは何のプロか」を語れる経験・知識があるかが、すなわちキャリアがあるかどうかとい
うことです。

更に「何かのプロ」であるからこそ、「こういった貢献が出来るから、この程度の報酬が妥当である」と発言することが可能になってくるのです。

出展:「ずらし転職」(ワニブックス)

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