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「型」の続編_「守破離」

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。

就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

今回は、本のタイトルにもなった「型」という言葉について、なぜそこまでこだわっているのか、その重要性を含めお伝えしていきます。

なぜ「型」という言葉にこだわるのか?

前回の記事では、「型」と「フレームワーク」・「テンプレート」の違いについて個人的な考えを述べました。大枠を言いますと、繰り返しを通じて、より仕事の本質、その仕事そのものの意味に近づいていくという話をしました。フレームワークは、より物事を分析する枠組みの意味合いが強いと思います。フレームワーク自体も使いこなすことで、そこから出てくる示唆のレベルがあがってくれば、そのフレームワーク自体を「型化」してきたとはいえるかもしれません。

このnoteや出版した著書で使用していた「型」という言葉は、その後に続く「守破離」を意識しています。「型」は、すべての仕事の本質であり、繰り返すことで基本を確実に身につけることができます。するとその先に「守破離」の段階があって、さらにバージョンアップできるということです。

今日は少し仕事の話から、それて「型」をイメージしやすい、スポーツに例えてお話しします。

「型」の重要性に気付いた水泳部コーチ時代

私は大学生時代に、母校の高校の水泳部OBとして、水泳初心者の高校生たちのコーチをした経験があります。そのときに「型」の重要性に気がつきました。

生徒たちをほうっておくと、初心者なのにもかかわらず、いきなりいちばん速い選手の技術(テレビにでるような選手含む、最近ならYoutubeで色んな選手の動きが見れますね)を真似しようとします。同じ練習をしようとするのです。

速い選手は、最初から速かったわけではありません。速く泳ぐために必要な全身の筋力のバランスを整え、鍛えるべき筋肉を鍛え、柔軟性を養ったからこそ、いまの技術を使えているのです。

そうした下地がないまま同じ泳ぎ方をすると、スタミナの消費量がまったく違います。同じ「1回水をかく」という動作でも、下地がある選手が1のスタミナですむところを、初心者は10使うことになります。

するとすぐに疲れるので、「もうイヤだー」となるのです。また、いきなり高度な技術を真似することは、ケガにもつながります。

速い選手と初心者が、同じ練習内容でインターバルだけを変えて、「とにかく気合いと根性でついてこい」というのでは、ただ苦しいだけ。それではついてこられない生徒が出てくるのは当然です。「せっかく水泳部に入ったのにもったいない。彼らには3年間を通して、『水泳の楽しさ』を知ってほしい」と思いました。

初心者には初心者の「型」がある

そこで私は、一般のスイミングスクールでもコーチのアルバイトをしました。おじいちゃん、おばあちゃんたちがどんな練習をしているのか、学びに行ったのです。そこで教えていたのは、水泳の「型」でした。

まず浮かび方から始まって、力の抜き方。そして足の動かし方、手のかき方。私が担当したのは初心者の生徒でしたから、そこから始めることにしました初心者には初心者の「型」があるのです。

まず正しい手のかき方を確実に身につける。肘を立てた状態でしっかりと水をかく。そのときの腕の位置は、一流の選手は限りなく水面に近いのですが、初心者は多少水中に沈んでいてもかまいません。

無理に水面近くで肘を立てようとすると、肩を壊すか、結局は肘が折れた状態で水をかいてしまいます。大事なのは「肘を立てる」こと。より速く泳ぐためのかき方を身につけるのはその後なのです。

「型」を更に要素分解して、身に着けるべき順番を明らかにしたうえで、より細かい単位で反復していく、それこそが「初心者の型」と言えるでしょう。

こうしたことを踏まえて、母校の水泳部でも、徹底的に「型」を教えて、最終学年になったらはじめて、スタミナをつけたり、瞬発力を上げたりという内容を加えるようにしたのです。

仕事においても同様です。どうしても人は、見た目が華やかな結果を真似しようとします。いきなり「守破離」の「離」に挑戦しようとするのです。それが「型」だと勘違いすることも多いでしょう。
よい仕事をしようと思うのであれば、その仕事の本質に立ち返ってみることが必要です。そこには本当の「型」が必ずあるはずなのですから。

「守破離」の手前には「型」があります。逆に言えば、「型」がなければ「守破離」はありません。「GISOV」は、私が身につけた、仕事の本質にあたる「型」なのです。

おまけ:野村総研にあったその他の型・習慣

野村総研に入社した際、先輩に何度も言われてきたこととして、
「会議の際には事前に議事録をつくっておく」という「型」もありました。

簡単なものでかまわないので、あらかじめ、議題と予想される質問、それに対する回答をメモしておくのです。

出席者の顔を思い浮かべながら、「あの部門長は予算について突っ込んでくるだろうな」「あの人は納期の根拠を聞いてくるだろうな」と、さまざまな立場から予想して、事前に先回りをして回答を用意しておきます。説明するための資料が足りないことがわかったら、追加でつくります。

すると、「想定内」の議論は簡潔に終わります。余分なエネルギーを使うことなく、論点がそれることもありません。いわば「会議の目的地」を明確にして、そこに至る地図を用意するイメージです。

すると、会議では「想定外」のテーマに絞って議論を深めていけばいいわけです。これは成果の上がる会議を行うための「型」です。

出展:どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」

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