見出し画像

音楽から考える9月入学のはなし その1

「冬来りなば春遠からじ」
確か高校受験前の問題集。その表紙に書かれていた言葉だ。
短いこの言葉を、中学生の私は実際に口に出してみた。
なんともリズムが良く、気持ち良い。
私は思った。
受験生を応援するのにぴったりな日本語!響きも意味も美しい!
いいね!

数年後。
「あ、あれイギリスの詩、そうですか・・・」
そんな事実を知ったのは大学に落ちたタイミングだったか。
にしても、素敵な日本語訳だなぁ。

2020年春。
学校の入学、始業を9月にするという「9月入学」案の話を聞くようになった。
採用となれば『年度』という文化が一変することになる。
私はその影響の大きさをまだ想像しきれずにいる。
何よりも子どもたちと学校関係者のことを一番に考えた結論が出ることを願う。

9月入学となれば、卒業は8月だろうか。
制服も夏服だろうし、3月の卒業シーズンに見られた女性の袴姿も選ぶ人はいなくなりそう。

音楽に関わる身として気になるのは、この議論で呼ばれる専門家たちが誰一人気にしなそうな「卒業ソング」「桜ソング」問題である。

春は出会いと別れの季節、
じゃなくなるのなら8月卒業にはハマらない歌が出てきてしまう。
かなりの数がありそうだ。
今まで世代を超えて共有できた定番曲が様変わりするかもしれない。

すでにある季節関係なく歌える旅立ち名曲たちがスライドする?
当面、季節感いれずに旅立ちソングつくる人が増える?
桜ソング減る?
『桜』のポジションに代わる、夏のモノ、言葉は?

考え始めると止まらない。音楽文化への影響も相当なものになりそう。

主役は10代か、と思うと今のところ
ZONEの『secret base~君がくれたもの~』が夏場の卒業ソングに聴こえてきた、

というところで一旦考えるのストップ。
議論の行方をみながら、また考えてみよう。

YouTubeには公式のものがないようで、こちら、Spotifyより。


いただいたサポートは音楽などのコンテンツ制作に使用させていただきます。