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タイトルは役割に過ぎない ~社内取締役を7名から4名にする理由~

先ほど、2020年11月期の通期決算発表を行いました。

売上高は前年同期比+58%の113.2億円、売上総利益は+76%の76.2億円、EBITDAは△21.7億円となり、上場以来、4期連続して、売上高、営業利益、EBITDAの期初目標を達成することができました。
私たちを信じて投資してくださっている株主の方々とのお約束を果たすことができ、とても嬉しく、またホッとしています。ユーザーさま、取引先さま、株主さまをはじめ、応援してくださるみなさまのおかげです。また、何より、日々頑張ってくれているメンバーのみんなの努力の賜物です。
本当にありがとうございます。

今回の決算発表については、こちらの資料をご覧いただければと思いますが、取締役会の体制変更についても、発表しました。創業メンバーを含む3人が取締役を退任して執行役員となり、体制が大きく変わります。約9年間マネーフォワードを支えてきた創業メンバーの退任は、会社にとって大きな変化ではありますが、僕たちの中では、とても前向きで自然ななりゆきでの変更でした。
今日はそのことについて、気にしてくださっている方もおられるかと思い、noteを書くことにしました。

社内取締役を7名から4名に変更した理由

株主総会での承認が前提となりますが、今回の変更により社内取締役が現在の7名から4名に大幅に減少する予定です。社内取締役が4名、社外取締役が5名になります。過半数を社外取締役が占める体制に移行することで、ガバナンスを強化していくことが狙いです。同時に、執行部門の権限を拡大し、執行のさらなるスピードアップを目指しています。

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ガバナンスのあり方については、退任予定の取締役3名も参加する取締役会にて、1年近くかけて議論を深めてきました。金融庁の設置するコーポレート・ガバナンスに関する会議体*にも参加されている、田中・上田両社外取締役をはじめ各社外取締役、監査役の方々、ならびに指名・報酬委員会での議論を踏まえて、このステージ・規模の企業の取り組みとしては、それほど例は多くないように思いましたが、今回の判断に至りました。

*コーポレートガバナンス・コードの普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業全体のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的とした「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」

また、上場から4年が経過し、東証一部(プライム)上場も見据え、会社として次のステップ、ステージをめざす段階にさしかかってきていると感じています。

将来的には、ガバナンスの更なる強化・確立を目指して、監督と執行を完全に分離をしたいと考えていますが、前段階として、このタイミングで取締役会の体制変更を図りました。

タイトル(役職)は役割に過ぎない

創業当時からの我々の考えですが、マネーフォワードにおけるタイトルの変更は、世間でイメージするような「昇進」「降格」ではないし、タイトルがある人が偉い、といった考え方でもありません。
また、「タイトルは役割に過ぎない、組織に応じて柔軟に変化していくもの」だと考えています。

そのため、毎月のように、環境、規模、チームにあわせて、柔軟に組織が変わり、タイトルも変わるので、大半のメンバーは、組織図を覚えることをもうやめています。毎月変わるので覚えられないんです(笑)。

また、マネーフォワードでは、経営のもっとも大事な土台として、カルチャーを位置づけています。

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誰(どの役職の人)が発言したかに関わらず、Respectをもって傾聴し、建設的に議論を重ね、アイデアを構築していく。そういう姿勢を大事にしています。もちろん、その前提として、発言する側も高いプロ意識(Pride)をもって発言する必要があります。これは、当たり前のようで、実はなかなか難しいことではないかと僕は思っています。

「社長だから」「役員だから」「部長だから」という理由だけで、発言が重視されることはありません。実際に、僕の発言も忖度されないので、毎回一生懸命説明しなくちゃいけない。反対されて却下されることもある。本当はもうちょっとだけ、ほんの少しでいいから忖度してほしいって思うこともありますが(笑)。

タイトルにこだわらない文化、タイトルは役割に過ぎない、という考えの所以もカルチャーにあるのだと思います。

今回の取締役会の体制変更も、会社のステージや外部環境が変わっていくタイミングに差し掛かったから、というすごくシンプルなもので、3人にそれぞれ伝えたときも「そうですよね。分かりました。僕もその方がいいと思っていました。」という感じで、数分足らずで話は終わり、すぐに事業の話題に移りました。念のためと思って15~30分くらいを予定していたのに、あまりにあっさりしていて拍子抜けした位です。

これからも、変わらず、チャレンジは続く

取締役退任予定の3人は、以下の新しい役職で、引き続きグループの業務執行の中心的役割を担います。

瀧 俊雄   :執行役員 CoPA(Chief of Public Affairs)兼
                   マネーフォワードFintech研究所長
市川 貴志:執行役員 CISO(Chief Information Security Officer)
坂 裕和    :執行役員 CLCO(Chief Legal & Compliance Officer)

瀧は、マネーフォワード誕生のきっかけとなったメンバーです。2010年、アメリカ東海岸に留学していた僕は、同じ頃西海岸にいた瀧と、毎週のように「金融×IT」のビジネスアイデアをSkypeで議論していました。そこから生まれたのがマネーフォワードです。創業時はカスタマーサポートとして、朝から晩まで、時には深夜までユーザーさんからのメールに対応し、そのご意見をプロダクトづくりにフィードバックし続けてくれていました。当社のUser Focusの文化は、そこから誕生したのだと思います。
今では、テクノロジーの進化を社会にどう活かして実装していくか、ということをテーマに、Fintechの情報発信や行政の方々とのやりとりを担ってくれています。今回新たにCoPAという役職で、テクノロジーを社会にどう実装していけば良いのか、社会の様々なステークホルダーの方々と共に、その問いに向き合い推進していく予定です。(瀧のnoteも、ぜひご覧ください。)

同じく創業メンバーの市川は、前職時代の同僚でした。創業期から、当社の事業のもっとも大事な部分であるセキュリティやシステム構築などを担当してくれていて、みんな絶大な信頼を寄せています。今後もCISOの業務を継続して担ってもらいます。

また、坂(ばん)も、僕が前職にいた頃からの長い付き合いです。司法試験を受験したばかりの坂は契約社員で来ていたんですが、「あいつは誰だ!」と話題になる位、当時からずば抜けて優秀でした。坂にも引き続き、法務やコンプライアンスなどの責任者として、当社の守りの部分をしっかり担ってもらいます。

3人とも10年以上の付き合いのある、腐れ縁です。

瀧がいなかったらマネーフォワードという会社は生まれなかったでしょうし、セキュリティ、システムのことは創業以来市川を信じて任せているし、坂の言うことはいつも法律やルールにのっとっていて、遵守すべき。これは今後も変わりません。

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(『マネーフォワード クラウド』を初めてリリースしたときの最高においしかったビール。一番左が瀧、左から3番目が市川、そして、一番右が今より10kgくらいは身軽と思われる僕です(笑)。)

創業メンバーの都築(写真左から2番目)も、2年半ほど前にマネーフォワードの取締役を退任し、初の海外拠点、Money Forward Vietnamの代表として、拠点立ち上げ、運営をリードしてくれています。

創業期からともに闘い、会社を成長させてくれたメンバーには、感謝の気持ちでいっぱいです。が、まだやりたいこと、やるべきことが山ほどあるのでので、引き続き一緒にチャレンジを続けていきます!

そして、僕自身も、経営者として、タイトルに関係なく一人ひとりの役割ベースで活躍できる環境、チャレンジを推奨され結果をフェアに評価される環境づくりを追求していきたいと思います。

2021年のマネーフォワードも引き続き、よろしくお願いします!

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