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70万円の投資が700万円になった話

皆さんこんばんは。よーそろ代表の井上明です。

今日はお恥ずかしい話なのですが、成功も失敗も皆さんにお伝えすることが私の挑戦でありますので、自分への戒めも込めてここに記していきたいと思います。

新型コロナの影響で5月売上は約70%減になりました。休業協力金や持続化給付金、金融機関からの借入のおかげでなんとかこうにか生き延びておりますが、柱としていた宿泊事業の先が見えない状況でじっとしているわけにもいかず、どちらにせよ取り組む予定であった製造・ECサイトでの直販事業強化を進めるべく製造業の機械設備投資を決断したのでした。

事業申請が不採択に‥

タイトル「70万円の投資が700万円になった」ということですが、お恥ずかしい話今回「ものづくり補助金」を申請しあえなく不採択、要は玉砕となったという失敗、どちかといえば恥ずかしいお話です。

国の補助事業「ものづくり補助金」ですが、申請書、計画書を書き申請し、採択されればその計画の投資額の2/3が補助されるものです。何としてでも取ると意気込み計画書をつくっている最中コロナの影響による特別枠が設置され補助率が3/4に上がり、さらに採択されれば呉市が上乗せ補助をすることになり、実質投資額の9/10補助されるところまで投資を後押しする政策になりました。行くしかない!!

約700万円の投資を計画していたので、採択を受ければ70万円で導入できる・・・はずだったのですが。。

今までできていたという慢心

5月、ギリギリ柑橘が残っている時期であり、また作り手の省力化や商品づくりの安定性・衛生対策が向上すること、また機械は発注してから大体2か月かかるため、どちらにせよ投資しなければと思っていました。

金融機関からこのコロナ禍を乗り切る運転資金と設備投資資金を借り入れ、計画を立て企画・申請書をつくりました。

今まで申請した助成事業、呉信用金庫の「くれしんアクティブベース」は最優秀賞、広島銀行の「ひろしまベンチャー助成金」は金賞(そのときの最高賞)を頂いていました。その他の申請に関してもおよそ9割方は自分で事業計画の数字、内容を詰めつくっていたので、今回も必ず取れるとたかをくくっていたことが一番の失敗でした。コロナの影響で採択率も上がり、事前着手の承認も受け(通常は採択された日以降に機械設備を購入しなければ補助事業対象にはならないのですが、今回は事前着手承認というものが急に生まれ、理由を申請しそれを受ければその日以降の機械設備購入ものが対象になるもの)、まず外れないと思っていた私の慢心。

合間を見ながら今回は今までにないほど気合を入れて計画資料作りに時間を使いました。

元々小規模での取り組みであり、あまり事業を大きくしようと思っていないことを素直に書きすぎたのもあったかもしれません。採択となる上での重要部分「新規性や革新性」。振り返ってみるとここも表現が弱かったように思います。

そして企画書に入り込み過ぎたのもあります。自分本位でつくり力み過ぎてしまった感もあり、評価する人が望むものに変える提案ができなかったのもあるでしょう。

やや、もしくはもっとダメな理由があったかもしれません。
とにかく失敗に終わりました。

そもそもどのような加工場(事業)にしたいのか

私が加工場に設備投資を行いやろうとしていることは、とにかく雇用する人を増やし、売れるものを大量生産し、全国各地のあるゆる百貨店やお土産物販売所などに商品を置き販売してもらうというものではなく(そういう事業も大切であり必要です)、作り手がお客さんに丁寧に向き合い主体的にクリエイティブに商品づくりの挑戦をする加工場。当然その延長線上に雇用増、挑戦者増はありますが、一番は労働生産・安全性の向上とクリエイティブ思考をつくる余白づくりが設備導入の目的です。

理想を言えば受注生産やオーダーメイドなど、少し時間がかかってでも欲しくなるものづくりであり、この島の特産品である柑橘の良さを十分に伝え、商品のアップデートを常に行いながら産品、場所、作り手の価値を引き上げたいと心燃やしております。

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加工場というよりも実験室というような規模かもしれません。小規模だからこそ常に社会全体と自分たちの立ち位置を見直しながら、ここにしかないものを、その人にしか作れないものをつくり、時代や人のニーズに寄り添い提案し続ける小回りの利くものでありたいと思っています。

今回投資した機械類もそのような規模のものです。

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700万円の投資額はうちの弱小会社にとっては大きなものですが、もともとそれ以上の価値を生むために計画したものであり、投資資金の回収期間は長くなりますが、それだけのありがたみも同時に購入したことになります。

もちろん補助金採択のつもりで申請をし、恥ずかしくも力及ばず不採択となりましたが、それを乗り越えなければ私もレベルアップしないのでより腹が据わったとも言えます。負け惜しみです。。(シクシク・・)

どちらにせよやらないという選択肢はすでになく、今も持てる全てをかけ、かといって力み過ぎず真っ直ぐ進んでいこうと改めて思いました。

パティシエの山本文香さん(通称あやちゃん)という強力な仲間がUターンし、加工場で私も驚くような美味しいお菓子を作ってみせてくれています。

瓶詰羊羹や柑橘シロップをつくっている工場長の矢野くん(や、実験室長か!笑)も彼の良さを存分に生かした商品づくりと新しい挑戦を続けています。

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彼らの成功が結果会社の成功になり、社会に残したいもの示したいことを一つずつつくっていくことになります。お客さんにはもちろんのこと、作り手に何を提案しどこを補い成長し合えるか、これが私のやるべきことだと思っています。

近々クラウドファンディングも立ち上げます。
少しでも関わって頂き、失敗も成功も見て頂けると嬉しいです。

過去は捨て行け! よーそろー。




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