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私の半生

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幼少期から現在に至るまでの人生の面白いところをギュっと凝縮した、読み応えのあるエッセイ風になっています
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記事一覧

波乱の人生〜終わり〜

森の中の家はいつもより少し静かだった。
娘2が幼稚園に行く様になったから。それだけだろうか。

少し自分の時間が出来た頃、息子が不登校になった。
中1の昨年からそれは始まっていた。丁度、娘2が手術をした頃だ。
私に似ず非常に繊細な息子だったので、彼の心の中が全く想像が出来ないのが良かったのか、私は彼の意思を尊重して朝起きれないという理由でも学校を休ませていた。意思を尊重と言えば聞こえは良いが、娘2

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波乱の人生〜最大の試練〜

大手術を終えた娘は、翌日に「アイスたべたい、、、」と言って先生に特別許可をもらい、3日目にはお気に入りのスパイダーマンの被り物をしておどけて見せ、5日目にはスパイダーマンの全身タイツを病衣の上から着て元気一杯。7日目の退院の日は、娘2へお見舞いでもらったラプンツェルのドレスとティアラを着けて、ナースステーションへ挨拶に行った。

大きな山を乗り越えた私たち家族の住む森は、紅葉して見事に色付いていた

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波乱の人生〜修行時代②〜

色々と変化が起きている私が対峙しなければならない現実がもう一つあった。
占い師が始めた『ポリアモリーごっこ』だ。
依然まとまりがつかない状況だったが、私が妊娠した事で全て終わると思っていた。
が、しかしっ!占い師は不器用な上に女の子が好きな上に夢の『自給自足が叶う郷』が完成間近と言う事もあり、『ポリアモリーごっこ』をどうにかするつもりも無いと言うか、どうにかしなければいけない事と言う認識が無い様だ

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波乱の人生〜修行時代①〜

胡散臭い占い師は、いつも何人かの女の子たちを引き連れており、占い師は彼女たちの事を『弟子たち』と呼んでいた。
後に、彼女らはお客さんだったり本当の弟子だったり関係は色々だったが、私は占い師に対して「好き」と言う恋愛感情がないので気にならなかった。
当時の私は、自分の中に湧いて出てくる初めての感覚が何なのかを知りたくて、そこに夢中だった。占い師の事を何も知らないけれど、タイプでも無いけれど、傍にいた

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波乱の人生〜子供と共に〜

沖縄浮気の翌月、私は北の大地へ戻っていた。
傷心より安堵の気持ちでいっぱいだった。これで安心して子育てができる。
私が私で居られる。広い大地とどこまでも続く空を見て、心の底からホッとしたのを覚えてる。やっぱりこの大地が大好きだ。

年子の子育てを実家で始めて数ヶ月もしない内に、娘の毎晩の夜泣きが始まった。それは必ず1時間続いた。
息子が寝そうになっている時に夜泣きが始まると、頭の中で何かが切れる音

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波乱の人生〜救世主現る〜

息子が生まれたのは、娘の誕生日の翌日。そう、ちょうど1歳違いの年子になる。1日早かったら年子じゃなくなるところだった。
未熟児で生まれた息子は、NICUの優秀な医師と看護師達に支えられ、毎日家で絞った母乳を届けた私の努力のお陰で、未熟児特有の病気も無く、めでたくバレンタイの日に退院した。

やっと離乳食を食べ始め、2〜3歩歩ける様になった娘と、未熟児で生まれたての新生児の育児が始まり、私は自分の食

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波乱の人生〜宇宙人?〜

もうすぐ娘の1歳の誕生日。
妊娠後期に入る私の体調は、娘がお腹にいた時より良かった。
実は、娘妊娠中、一度入院が必要な程お腹の張りが強く、切迫早産という状態だったが、年末だったので先生が大目に見てくれて自宅で絶対安静と言われ、トイレ以外ベッドから動けなかったのだ。

あの時の、自分の体と赤ちゃんが分離する様な感覚でそろりそろりと歩く必要が無かった。走る事もできる程体感としては順調だった。

娘の誕

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波乱の人生〜束の間の幸せ〜

長女が誕生した翌日、彼が東京から帰って来て初対面した。
その時の事はあまり憶えていない。
自分の体に起こる、経験の無い痛みに悶えていたからだ。

産後の子宮収縮の腹痛。母乳を作り始めた事による、背中からナイフで刺される様な差し込む痛みがあった。
この痛み、これから何度も経験する事になろうとは、この時の私は知る由もなかった。

長女誕生後も、彼の生活は変わらな様に見えた。
お産扱いで私の母が滞在中は

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波乱の人生〜予兆〜

出産予定日が近づいたある冬の夜。
私は彼の実家の、彼の狭いベッドで一人眠っていた。

出会った頃には既に個人事業主だった彼。
これからの仕事に生かせると、2泊3日でシステムを勉強する為に東京へ行っていた。

彼の勉強がひと段落したのか、夜中に電話がかかってきた。
仕事柄、彼は夜仕事に出かける事が多かった。昼夜問わず、彼は電話をかけてくる。
その電話に出れないと、後でとても怒る。離れている間、私が何

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波乱の人生〜試練〜

校区外の小学校に通っていた息子は、中学を校区にするかそれ以外か選ぶ事ができた。
6年間一緒だった体格のいい男の子と別の学校に行きたい。という理由だけで校区の中学校へ進学を決めた。
私も息子も不安だった。6年間1クラスで過ごしてきたのだ。突然見ず知らずの同級生達の中に入って行けるだろうか。知っている人は一人も居ない。一人も居ないのだ。
中学校の制服を買いに行ったり順調に準備が始まった。水泳に通ってい

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波乱の人生〜大転回〜

研修担当部署の皆さんに誘って頂いた飲み会の後、研修担当をしていた男性の一人が私に好意を持っていて、それを知った研修担当部署のみんなが私を誘うきっかけを作ったのが、あの飲み会だったと知った。

確かに、飲み会の時彼は私の隣に座っていた。帰りも私を送ろうとしていた。
そう言えば、あの日の帰り道、私を送ろうとしていた人は研修男以外に一つ先に研修を終えていたチームの男の人二人も居た。

そして、チームの男

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波乱の人生〜転〜

予定通り、ワーホリ男子が暮らす川崎のアパートへ引っ越した。
片付ける程の荷物も無い状態で、すぐに社員研修が連日続いた。

転職先の仕事はIT系サポートセンター。PCは自宅にあったが初心者だった。
研修ではPC本体が分解されている状態から、工具を渡され組み立てる所から始まった。

ハードディスクって何?メモリってなにするところ?この線はどこにつながってるの?
机上研修では、新規フォルダを作る所から。

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波乱の人生〜序章〜

初めて勤めた会社は2勤2休と言うシフトだったので、2日有給を取ると
6連休が叶った。
この利点を使い、実家暮らしの私はいそいそと趣味の貯金に明け暮れ、
1年目で新車を購入。2年目3年目と海外旅行へ行った。
これぞOL!時代もすぐに終わりを迎える事になる。

3年目にオーストラリアへ行った。一緒に行ったのは、デンマークで私に
窓側の席を取られたT子。遠くに住んでいて、殆ど連絡を取っていなくても
会え

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短大生時代②

年に4回ほど大会があり、アマチュア選手権も入れると結構な回数試合に出場した。
大会当日は早朝から準備が始まる。

一日中踊っても崩れない様なヘアセットが必須だ。ウィッグを何本ものヘアピンで強固に固定。半数くらいは前日から美容室で大会用のヘアセットをしていた。
セットが崩れない様に漫画を枕にして極力寝返りを打たない様に寝るのだ。
完全に寝不足である。

ヘアセットが終わったら次はメイクだ。
皆さんも

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