2019年5月11日 ハロー言葉vol.3 朗読 「発達障害の愛」 ショートバージョン朗読用

2019年5月11日の成宮アイコさんのハロー言葉のオープンマイクで朗読した内容を記録しておきます。
前に投稿していたのば原案に書いた長いもので、3分間の朗読用のサイズにするために、だいぶ短くしました。以下、本文です。

気づいて欲しかったのは、あなたが希望の光だったということ。

これは初めて言うことなんですが、僕は発達障害です。

人とうまく付き合えない。人と会話がうまくできない。

そういう特性のために、子どもの頃からずっと一人で、苦しい思いをしてきました。

ひきこもりになり、うつ状態で何もできなくなって、こんなただ生きてるだけで何の役にも立っていない自分みたいな人間は生きていてはいけないと思って、どうやって死のうかということばかりを考えていました。

そんな時に、自分と同じように生きづらさを抱えた人たちの存在を知りました。
生きづらさをテーマにしたイベントに行くようになり、この人たちとなら一緒に生きていきたい、そう思いました。

そして、好きな人もできました。その人も生きづらさを抱えた人でした。

でも僕は、本当に大切に思っていたその人との関係すら、うまく築くことはできませんでした。

どうして僕は人との関係をうまく築けないんだろう。

さんざん悩んだあげくに「ああ、自分は発達障害だったんだ」と、ようやく気付きました。つい最近のことです。

そして、僕はまた一人になりました。

それでも今でも思っています。

本当は僕も、人と仲良くなりたかった。
本当は僕も、人のために役に立ちたかった。
本当は僕も、人を愛して生きていきたかった。

生きることをあきらめかけていた僕に、もう一度生きていきたいと思わせてくれたのは、生きづらさを抱えた人たちでした。

僕に発達障害だと気づかせてくれた、大切なあの人も、生きづらさを抱えた人でした。

僕は彼らに生きる力を与えてもらったのです。

僕にとって、生きづらさを抱えた人たちが、僕の人生に射し込んできた希望の光だったのです。

僕も発達障害で、今も生きづらさを抱えている人間の一人です。

今も生きづらさを抱える人たちに声をかけるとしたら、

「今まで本当によく頑張って生きてきたね」

と、ただ一言だけ、そう言いたいです。

役に立っているとか、いないとか、そんなことは関係ない。

ただ生きているだけで、あなたの命は、この世の中を照らす光なのです。

今日も僕らは、それぞれの場所で、それぞれの形で、それぞれの思いを抱えながら、それぞれの光を放っているんだと思います。

あなたの光に照らされて、僕はこれまで生きてこられました。

あなたのために、僕はこれからも、ただ生きていきます。

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