見出し画像

Webデザイナーが知っておきたい色彩理論 その④ ~M&S理論~

それではムーン&スペンサー配色理論における色彩調和論である

・同一調和
・類似調和
・対比調和

上記をそれぞれ解説していきます。

ただ、解説を読む前に予め留意しておいていただきたいのは、これらはあくまで「理論」であり、「正解」とは捉えず、あくまで考え方の手法として捉えてください。


同一調和

同一調和とは文字通り、同じ色相同士による配色方法です。
例えば、赤と、同じ赤に黒や白を混ぜた(明度を変えた)暗い赤やピンクとの関係は、基本的に調和するという理論です。

画像1

M&S理論では、カラーサークル上で約4°以内の色相は、同一の色相として見なしています。

画像2


類似調和

類似調和は、配色法の中でも最も使用頻度が高い調和法といわれています。
M&S理論によれば、マンセルカラーサークル上で基準となる色から色相差が25°~43°の間にある色が調和する色とされています。
これを類似調和といいます。

25°~43°といっても、実際にはなかなか色を角度で選び出すことは困難です。なので、約40°を目安に2色を選ぶとよいでしょう。

画像3

類似調和は、近似色の関係にある2色を基本にして、さらに各色の白や黒を混ぜた濁色などもすべて含まれるので、4~6色で類似調和を作ることが出来ます。

▼作例

画像4


対比調和

対比調和は、カラーサークル上で180°離れた2色の関係です。この2色の色調は全く共通性がないことから、コントラストの高い配色になるため、派手で主張性の強いイメージになります。
M&S理論では、図のように、100°から260°の広い範囲で調和するとしています。しかし、実際には選ぶ2色次第では、この角度の範囲内でも不調和になる場合があり、注意が必要です。
きめ細かく色を確認しながら、対比調和となる色を選ぶことが大切です。

画像5

一点注意としては、対比調和は明度の同じ色が隣接するとリープマン効果(色のちらつき)が生じてしまいます。
どちらかの色相に白や黒を入れて明度差をつけるようすれば、ぐっと落ち着き、華やかでシックなイメージへ変化させることが出来ます。

▼作例

画像6


さらに高度な配色法に向けて

M&S理論における代表的な三つの調和理論を紹介しましたが、次回からはこれをもとにさらに展開した以下のヴァリエーションを紹介していきます。

・スプリットコンプリメンタリー
・連続多色


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?