”思いつき”定義集㉖「な」
【なんでやねん】(関西弁)コミュニケーションに不可欠の言葉。「なぜ」「どうして」などへの置換は不能。含意の軽重は広範に及ぶ。
◆実例①:親子ゲンカ(?)「あーせい、こーせい」「なんでやねん!」「なんでもや!」
◆実例②:男子高校生の会話Ⅰ「おれ、旅に出るわ」「何か悪いもんでも食べたか」「なんでやねん。自然がおれを呼んでるんや」「熱あるやろ」「なんでやねん。40度しかない」
◆実例③:男子高校生の会話Ⅱ「担任がおれに勉強せいとか無茶言うで。」「何で無茶やねん。まともな見解やな。2回も留年したら嫌やろ」「なんでやねん。お前、おれと同期やろ。」「そやけど、おれは何も言われへんぞ」
【難民】利権の獲得・保持・拡大を目的に力を誇示したい権力者たちによって迫害された人びと。国民国家からなる世界(無)秩序を反映しているのは確かだが、何よりも人間の権力欲のすさまじさを証左しているのが難民。現代国際政治学の始祖とも言えるリアリスト、H・モーゲンソーの指摘(人間の権力欲)は正鵠を射ていると言わざるを得ない。
◆注:UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)およびUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のHPを参照。
◆推し文献:ちと古いが、加藤節・宮島喬=編『難民』(東大出版会、1994年)、ロビン・コーエン『グローバル・ディアスポラ[新版]』(明石書店、2012年)、ベン・シェファード『遠い旅路――戦後ヨーロッパの難民たち』(河出書房新社、2015年)などなど。小説として、キャリル・フィリップス『はるかなる岸辺』(岩波書店、2011年)を挙げておきたい。