オープンサイエンスについてのメモ

こう呼ばれるものの1種に携わり、他の取り組みのお話もよく聞くようになってきたので、少し整理のためのメモ。

今、オープンサイエンスっていう言葉には色んな意味が含まれていて、シンポジウムなんかでも、その紐解きをするのが、やっと。という状態をよく見ます。個人の見解ですが、紐解いていきます。

クローズからオープンへ

オープンサイエンスの何がオープンなのか、と考えると色んなことが含まれていることがわかります。

まずは、データ。これがオープンになることをオープンサイエンスと言っていることがあります。論文などへのオープンアクセス、調査のデータ公開などを知的財産などの文脈で議論があると思います。

次に、研究のプロセス。これは、今まで(職業)科学者、という人だけがやっていた研究を他の人にもオープンにしましょう。ということです。

別の研究者とやれば、共同研究、研究者の分野が異なれば学際連携。企業と一緒にやれば、産学連携とか、オープンイノベーションって言われますね。市民とやればシチズンサイエンス。一方、研究者主体ではなく、市民が主体的にやるタイプ(地元の環境調査とかのイメージです)もシチズンサイエンスと言われたり、野生の研究者、なんて言われたりしているようです。

自分の興味でもう少しシチズンサイエンスを分けていくと、
市民とやる、と言っても色々あって、上述の市民主体の活動に研究者が助力するものや(市民主体タイプ)

とある地域の方や、ある職業の方、の持つ知恵と研究者の知見を合わせて進めるタイプ(当事者市民タイプ) 書きながら、当事者研究ってここに入るのかな?なんて思ったり。

はたまた、無作為の一市民のみなさんに協力を仰ぐタイプ(一般市民タイプ)

などと言えると思います。また、研究のプロセス、と言った中にもどの段階で関わる?という話もあって、市民主体タイプだと、研究の目的設計などから、一般市民タイプだとデータ収集に協力、というイメージもあります。一般市民タイプの資金提供で協力を求めるタイプがクラファン、と位置付けることもできますね。

この、どの段階まで?を一般市民タイプのシチズンサイエンスで深められたら、と考えているのが私のしていることですが、それはいったん置いておき。

こうした多様なオープンサイエンスを全部ひっくるめて盛り上げよう!という考えは素晴らしいですが、中身を高める議論をするためには、このあたりの立ち位置をそれぞれハッキリさせて議論がまずは必要だと思っています。

#科学 , #サイエンス , #市民科学 , #オープンサイエンス , #シチズンサイエンス

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