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自分を100回撮る 〜英語学習にプレッシャーというスパイスを〜

英語学習の進め方には色々なものがあると思います。
私は中学の英語教諭をしていますが、最近は心理学に興味があって本を読み漁っています。それをスクールカウンセラーさんが見かけて、声をかけてくださいました。そのとき、僕が彼に言いました。
「心理学の本も、英語学習と同じで色々あって何を信じたらいいのか判断が難しいですね」
すると彼が答えます。「信じるとか信じないとか考えるのは危険ですよ。採用するか採用しないかで捉えると楽なのでは。」

なるほど、確かにそうだよな、と納得した私。
さて、私は様々な英語学習法を「採用」してきました。
ただし、その時々、ステージごとに変わっていったように思います。

例えば大学受験までのステージで言えば、私の英語学習は全て「暗記」でした。
当時の英語の力を示す具体的な指標はありませんが、卒業と同時に行ったカナダで受験したTOEICが720点だったことが一番わかりやすいかもしれません。

留学後、私のTOEIC最高点は940までに上昇しました。

それまでの経過は今後述べるとして・・・

私が現在でも抱えている課題は「speaking」です。
初めに伝えておきます。
課題があるとは言っても、日常会話には何ら支障はありません。

Accademidcなレベルでいうと・・・という話です。
とはいえ、英検1級、IELTS7.5があります。
Accademicなレベルでもそこそこできるんじゃないか?と私は自分を甘やかした時期がありました。

しかし、私は目を背けていたのかもしれません。
「話す力が弱い」ということ・・・・。

それを認めるまでに多くの時間を要しました。
IELTSでもspeaking以外のスコアは比較的速く伸びていきました。
7.5に到達するのはそこまで苦ではなかったのです。
ただしspeakingはある時を境に停滞しました。

その理由に気づいたのは自分をビデオに収め始めたから・・・です。
自分の声も顔もまじまじみたことも大でしょうし、そもそも見たくないですよね。もし気が向いたらとって観ると愕然とするかもしれませんよ。自分がいかに話せないか。

もう一度言います。
私は日常会話には支障は感じません。
私がここで言う話せないとは、論理的に話せない。ということです。

論理的に話せない場合の傾向として・・・
①話せているフリをしてしまう。一定のSpeaking Habbitが定着してしまっている場合が多いかもしれません。例えば、likeやkind of, sort ofなど口に馴染んだいわゆる「余計な言葉:が多く聞かれる。
②新しい内容や文法を盛り込もうとすると英語が揺らぐ
揺らぎの結果、話せば話すほど話が長く、論理性を失う場合が多いように思います。

この揺らぎはどこからくるのか。
原因はズバリ、音だと考えます。

私が長らく敬遠してきた分野です。

別にネイティブスピーカーにならなくても・・・。
アジア人、日本人としてのアイデンティティを英語に・・・

これは書いている私でさえ、目を覆いたくなる事実ですが、経験上、どれだけ言葉を知っていても、音がちゃんとしていなければ私たちの英語が認識されることはないのです。

もちろん最初のうちは誰だって待ってくれます
でもずっとは待ってくれません。

例えばこのフレーズをすんなりと発声できるでしょうか。
できているならここで一度お別れしましょう。

But no matter where I go

これはある曲の歌詞の一部です。
日本人には難しい音が詰まっていますね。

きちんとした発声の基礎や、英語のリンクを抑えることなく英語を話すと、リズムが崩れ、聞き手には違う数の音節が耳に届きます。

そして聞き返される・・・と言う焦りから同じ言葉を繰り返したり、論理を失うのです。ちゃんと発声できないかもと言う不安から違うフレーズを選び、聞き手の「?」に繋がってしまいがちです。

話すことができる=論理的に話すことができる

この公式から逃げては、次のステップはありません。

そこで、私が始めたのが先ほども述べた「ビデオ撮り」です。
どんなフレーズでもいいです。映画のひと場面でも、本の一節でも、自分の1日の出来事でも・・・。ビデオの前で話してください。

その際に採用してほしいルールがあります。

自分のスピーキングハビット(クセ)を分析し、特定の言葉を見つけてください。そのクセを見つけたらもう一度撮ります。そしてクセが発動したら即座にビデオを止めてください。
さらに、思い通りにコントロールできていなかったり、不自然なストップが出てきてもすぐに止めてください。

これを繰り返したら嫌でも数十回は終わります。
数十回の壁を越えたら100までやってください。

100という数字にはこだわりはありませんが、わかりやすく馬鹿げた数字が大切です。
数十回はできても、そこでやった気になるのです。
経験上、数十回では口の動きはまだまだ硬いままです。
カメラの前で話す緊張に打ち勝てるようになるのは、100くらいがちょうどいいのです。

話し方のコツは
①結論を最初にシンプルに述べる
②述べた、或いは述べてしまった結論をサポートする理由を2つつけて話す

100くらいやると、こういう現象に出会えます。
一語ずつ離れていた単語たちがくっついて目に映ります。
そして忘れかけた頃に同じことを話しても、口がそのフレーズを柔らかくリリースする術を覚えています。

音に対する不安が薄まれば、自然と内容が乗ります。

100回とって観て下さい。少なくとも本当の自分がそこに映ります。

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