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LIVE初めてバンドの失敗あるある

バンド活動を始めて33年にもなる。
いつの間にかベテランになってしまったが、俺も最初は初心者だった。

「運があればプロになれるんだね」などと全く無関係の人間にディスられることがあるが、そういうヤツは自分が「運が良かったから自分が生きていられる」し「生き続けるのには努力がいる」という事実に一生気付かないだろう。

たしかに俺は運よくプロになったが、運だけではプロにはなれないことを知っている。プロになれなかった奴らも山ほど見てきた。その中でも今回は俺が見てきた「LIVE初めてバンドの失敗あるある」を自身の経験も交えて教えちゃおう。
更に対処編も書いちゃうよ。

★バンド初心者必見!これさえ知っていれば一歩リードできる!かも!?

まず、
・当然のように遅刻してくる。
・買ったばかりの機材を本番当日に持ってきてまともに使えない。
・コロガシ(ステージモニター)に偉そうにケチをつける。
・分かりもしないのに外音を聞いてPAさんにケチをつける。
・自分の実力を棚に上げて他人をディスる。
…etc.

この辺りは人間性の部分ですでに問題があるので、「LIVE初めてバンドあるある(コピーバンド含む)」に絞ってみよう。きっと「あるある!」と言うと思うよ。

静かなSEの中、クールに登場して盛り上がりのキッカケを失う。

自分の理想とする登場なのか、緊張でクールに見えてしまうのか、こういうバンドは多い。というか、これは俺の実体験。これが出来るのは出てきた瞬間に盛り上がるほどの人気や知名度があるか、確固たる世界観を貫き通せるバンドだけ。初心者バンドにはハードルが高すぎる。一度冷えてしまった空気を温めることが出来るバンドは相当のレベルだ。
逆に元気よく登場し過ぎてスベるというパターンもある。

気が付けばマイクスタンドから手を離せない。

カラオケ程度でしか歌ったことのないボーカルは大体このパターンになる。自由に動かせるはずの両腕を一切使わずにほぼ棒立ちで、マイクスタンドに手をかけるのが精一杯のアクション…なんて光景はよくある。
俺が初めてやったバンドのボーカルはハンドマイクに切り替えたのに何故か最後まで杖の様にマイクスタンドから手を離さなかった。。
本人は一生懸命にやってるから気付かないんだよね。

身の丈に合わないハイレベルの曲をやってしまう。

コピーバンドあるあるだが、演奏レベルが全く追い付いていないのに「やりたいから」「この曲がカッコいいから」「カラオケで得意だから」という理由だけで人前で演奏してしまう。それでも60点くらいの出来栄えならギリギリ聴けるかもしれないが、そういう身の丈に合わないことをするバンドの演奏はまず聴けたものではない。
これは同級生の学祭バンドや大学のサークルイベントでよく見たな。
そもそも現在のヒットソングは非常に難易度が高いものが多い。ハッキリ言って俺も弾けないレベルの曲が数多ある。
関連あるあるに「ボーカルのキーが全然合っていないのに、楽器隊がキーの変更が出来ないため元キーで歌わされてまるで歌えていない」というのもある。

曲調がバラバラ過ぎる。

これもコピーバンドあるあるだが、メンバーそれぞれの「やりたい曲」を持ち寄るとこうなる。学祭バンドなんかでよく見る光景だな。
1つの曲調をマスターするだけでもそれなりに努力が必要なのに「あれもこれも」とやってどれも低レベルになる。
「頑張ってるんだからいいじゃん」という人がいるが頑張るのは当然で、その先を目指しているんじゃないのかい?

MCでスベり続けて長くなる。

目立ちたいだけで歌唱力も表現力もない自惚れボーカルあるある。ウケると思ったことがスベった時、ウケる前提でいたのに想定外の事態が起きたとき自惚れ自画自賛野郎が役に立つことはない。「え~と~、あの~ですねぇ、えっとですねぇ…」虚しい時間だけが過ぎ、会場は極寒になり二度と温まることはない。
関連あるあるに「どこぞの誰かのMCを丸パクリしていい話をしようとするがウワベだけで真の意味を理解していないので誰の心にも響かないが何故か本人だけが満足げにしている」というのもある。
しまいには「聞きたくないヤツは帰れ」なんていうヤツもいたな。

バラードをやってしまう。

アマチュアのLIVEの持ち時間は20~30分程度なのに7分もある壮大なバラードをやってしまう。しかもバラードをちゃんと演奏し歌いきるのはかなりの難易度なのだ。特に歌詞が重要なスローバラードでは演奏のたった一音のミスや声が裏返ったり少しハズすだけで笑いが起きてしまうこともある。完成度の低いバラードを演奏したせいでLIVEが残念なものになったアマチュアを何度も見た。カラオケ自慢のボーカルがいるとありがちな傾向だな。それを1曲目からやって客が会場から出て行ってしまうのも何度も見たよ。

全員で合わせるという基本を忘れ暴走する。

上手く目立つのは暴走ではないが、それが出来るのはほんの一握りの天才だけである。踏めないツーバス、やたら音がデカいギターソロ、この日のために練習してきた高速スラップ、失神する勢いで歌い上げるが音程はハズっぱなし…こいつらの共通点は“リズム感が絶望的に悪い”ということ。自分だけが楽しいなんてバンドではありえないのだ。
究極はシドヴィシャスばりに演奏をしないというのがあるが、これは徹底すれば一つのスタイルになる。ま、成功するヤツはいないが。

逆の暴走としてに「明らかにつまらなさそうな顔をする」というのもある。
ちなみにそれは俺。てへ。

他にも多々あるがこの辺で勘弁してやろう。うひ。
LIVE経験者なら経験したことがあったり見たことがあったりするんじゃないかな?そしてこのテのバンドは人気も出ないし続かないのも知っているだろう。
でも、実力はどうあれ本人たちはいたって真面目にやっているからこういった事例は後を絶たないんだよね。
しかし、これらは気付きさえすればちゃんと対処法がある。

あくまで初LIVEやLIVE経験の少ないバンド向けだけどね。

みなさんのお気持ちは毛玉と俺の健全な育成のために使われます。