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超キン肉マン展に行ってきた

東京タワーで開催された「超キン肉マン展」に行ってきた。昭和40年代後半生まれの男子ならば「見たことない」なんて言わせないキン肉マン。1979年から「少年ジャンプ」で連載され、ジャンプ黄金期を築き上げた名作であり、2011年には復活し現在も連載が続いている作品だ。
「お前、特撮オタクだったんじゃねーの?」「このニワカが!」なんて声が聞こえてきそうだな…


たわけ!!

俺は少年時代にトキメいたものに今もトキメキ続ける「“永遠の少年”な中年」なのだ。

もう数年もすれば「中年」が「高齢者」になるがな。へけ。

キン肉マン以外にも当時の漫画、ジャンプはもちろんマガジン、サンデー、コロコロやボンボン、100点コミックや、オタク系のホビージャパン、B-club、めちゃくちゃ流行ったラジコン、ファミコン、チョロQにカンフー・少林寺映画(ユンピョウ、リーリンチェイ、サモハンキンポーなど)や全日、新日プロレス、女子プロレス、日本の歴史、三国志など多岐に渡り異常に詳しかったりするのだ。

ちなみに“元祖・推し活”である「キンケシ集め」に熱中したのはもちろん、「キン肉マンII世」の12巻では巻末コメントを寄稿しているし、「ニク」にちなんだ29周年記念本ではインタビューも受けている。さらには声優でありプロレスラーでもある稲田徹氏とは毎度キン肉マンについて熱く語り合う仲だ。
そう、俺はニワカではないのだ!!

「キン肉マン」については「書け」と言われれば明後日の夕方くらいまで書き続けても足りないのだが、今日は「超キン肉マン展」について軽く、軽~く書いてみよう。

入り口ではキン肉マン像が出迎えてくれる。
ウルトラ6兄弟に入れてもらえない落ちこぼれヒーローから始まり、ダメ超人と呼ばれるギャグ漫画の主人公から「実はキン肉星の王子だった」を始めとする後付け設定の連続で、ついには神と同等以上の力を手にし、全宇宙の頂点であるキン肉星第58代大王なったのがキン肉マンだ。

あまりに荒唐無稽なストーリー展開が故にツッコミどころ満載なのだが、それでも引き込まれていき、最後には大好きになってしまうキン肉マン。原作者が自身が考えたはずの設定を完全に忘れてしまうことがこの面白さに繋がっているのは明白で、読者もそれを楽しむことが暗黙の了解である。
しかし、俺が「キン肉マンII世12巻」に寄稿したとき、テンドンのエピソードの思い出を書いたところ、作者・ゆでたまご氏から「そんな話は書いていない」と言われたが「絶対に書いてる!第2巻を読んでくれ!」と返し、「書いてました」と返答が来たが、このツッコミは無粋だったか?と後悔している。

地下に降りると、入り口でチケットと引き換えにテーマパークなどで手に押して再入場のときに確認する“紫外線に反応するスタンプ”を押されるのだが、受付の女性スタッフに手を差し出すと「おススメはおデコです」と言われる。スタンプを見ると、そこには「肉」の文字!
「おおっ!」
これを「やらない」という選択肢なぞ存在しないだろ?バッチリおデコに押してもらいました。

進んでいくと早速、ブラックライトの光で額の「肉」が浮かび上がる。もう気分はキン肉マンだ。そのすぐ先には人気超人たちの実物大のイラストパネル。俺の身長は176cm(サバ読みはしていない)で、靴も底上げしていないので超人たちの大きさが良く分かる。

さらに進むと、いきなり苦しそうな表情かつ上体を前のめりにし、腕を後ろから上げている奇妙なポーズのキン肉マンの像。キン肉マンファンなら一目で分かる「ウォーズマンにパロスペシャル」をかけられているシーンの再現だ。
「ロボットでもない超人でもない」“ロボ超人”であるウォーズマンは左手の“ベアークロー”でラーメンマンの脳をエグる等の残虐なファイトスタイルに“パロスペシャル”という必殺技を持つ当時最強の超人だ。
なんと!ここではそのパロスペシャルをキン肉マンにかけられるという!
「いつやるの?今でしょ!?」

やってやりました。

脳裏に「ウォーズマンが戦うコンピューターならスグル(キン肉マンの本名)は戦うトランジスターラジオじゃい!」という迷ゼリフを思い浮かべながら。

その向かいにはロビンマスクとウォーズマンの師弟コンビの像。これだけで大興奮だが周りを見てみると数々の名勝負を生んだタイトルマッチの再現ポスターが!しかも、チケットも再現されてる!!

この企画を考えた人はツボを心得ているね。

そのすぐ先には実況席が再現され、ゴングも置いてある。もちろんゴングを鳴らしたのだが、小心者なので思い切りよく叩くことが出来ず、微妙な音が鳴り響く事になった。

隣には地面に頭を打ち付けている「悪魔将軍」の像。これも一目で分かる「キン肉マンにキン肉ドライバー」を喰らった瞬間の悪魔将軍だ。頭以外の実体を持たない悪魔将軍を倒すために編み出した必殺技がキン肉ドライバーだ。この名シーンを再現…と思ったら、本来は悪魔将軍の両脇に足を乗せるのだが「それはNG」ということで、地面に足を付けたままやりました。うひ。


向かいには超人気だけど“魔界のプリンス”でもある「アシュラマン」の像がある。このデザインは素晴らしい。登場当初は割とシンプルなデザインだったが、人気ゆえに幾度となく登場し、どんどんカッコよくなっていった。悪魔ながら人としての優しさや生き様に感化されていく姿にグッとこない者はいまい。

そして満を持して登場したのは「テリーマン」の像。テリーマンは見るだけで涙を流すファンも多いと思う。それほど熱く、カッコよく、クール。でも不憫な超人なのだ。

キン肉マン及び他の超人にも負けず劣らずの実力者にも関わらず、弱きものや仲間を守るために度々自らを犠牲にする底抜けに良い超人。
キン肉マンをかばい左足を撃たれたため左足は義足だし、超人オリンピックでは子犬を守るために…
おおっと!そのシーンがすぐ隣で再現されている!!

東京駅から新幹線を押し出し、その距離を競うというおバカな…いや、超人オリンピックに相応しい種目で、他の超人が博多、小倉、岡山、新大阪など有り得ない…素晴らしい記録(ちなみにキン肉マンは新横浜)を出す中、テリーマンは線路上にいた子犬を助けるために自ら新幹線を止めてしまい失格になった。テリーマンの優しさを象徴するエピソードだが、なぜ子犬が新幹線の線路上にいたかは聞かないのが大人である。

その先にはチャンピオンベルトやバッファローマンの折れたツノ、テリーマンのブーツなどが実物大で再現され、見ているだけで楽しい。

最後の部屋はキン肉マンの台本や劇中歌の楽譜などが展示されている。この楽譜はヤベえ!撮影禁止だったのが個人的に残念だ。これは個人的には国宝級なのだから。
当時発売されていた関連グッズなども展示されていたが、中でもキンケシは今見ても心が躍るね。お小遣いは全部キンケシに使っていたくら熱中したからね。「消しゴム」と名乗りながら字を消すことは一切出来ないカオスなキンケシに日本中の子供が熱狂した。

十分童心に還り出口に進むと売店がある。購買層が50歳前後なので基本的に高額商品が多かったな。正直、デザインは俺にやらせて欲しかった…というのは内緒である。
最後にインスタに投稿すると特製ステッカーが貰えるというので早速投稿したら、おねえさんがステッカーを二枚くれた。
ありがとう!おねえさん!

荒唐無稽で辻褄の合わない事ばかり、ツッコミどころ満載なのに今読み返しても胸が熱くなり、気付けば涙している。
こんな作品に子供の頃に出会えたことを感謝する。

心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ

みなさんのお気持ちは毛玉と俺の健全な育成のために使われます。