見出し画像

私には頼まない!?

5年ほど使ってきた愛車のスタッドレスタイヤを、今シーズンは新調しようと思っていて、今のタイヤメーカーってどんな技術や製品性になっているのかな、と改めてリサーチしているところです。

このスタッドレスタイヤの季節になると「思い出すこと」があります。

15年くらい前かな。私が良かれと思って、社員のひとりに「自分のタイヤ交換ついでに、Sさんのタイヤ交換もしてあげるよ」と声を掛けると、困った顔つきをしたので聞いてみると、「走ってる途中でタイヤが外れたりしたら大変だから、やはりクルマ屋さんに頼みます」と。

前職が自動車業界だった私は、自分のタイヤ交換くらいは当たり前にやってきた(周りにもそういう人が多かった)こともあり、想定すらしていなかった返答。しかもこの自分が「タイヤが外れたら大変」とまで言われたわけですから、けっこうなインパクト。前職プライドにかけて「だからこそ俺がやってやる」と食い下がりたい気持ちも少しあったけど(笑。
たかだかタイヤ交換?のことについて、みんなそれぞれの考え方をぶつけ合う楽しい時間になりました。

「自分の当たり前や常識は、相手の当たり前や常識では決して無い」。それこそ当たり前なことなのに、ついつい忘れがち。

そこを心がけず安直に自分基準のモノサシを持ち出して、自分と「違う」ことや「差」があることを捉えて決めつけることって、案外多いなと思うんです。人は同調者が多いほどにその方向性に靡いたまま疑わない性質もあるので、余計になかなか厄介です。

だけど、0から1を生み出すような「不常識の域」にある本質やヒントって、けっこう少数側に潜んでいることが多いと思うんです。そもそも自分たちが知り得てきた「当たり前」や「常識」のなかには、見つからないので。仕事ではよく起こりがちですが、多数の捉え方や見方が、これを見逃したり潰したりしてしまうことは、ホントもったいないと思います。

私(社長という立場への言い難さもあっただろうし)に対して、思い切って「タイヤが外れたら大変なので…」と言ってくれた当時の仲間には、今でも感謝です。Sさん本人はまったく覚えてないだろうけど、毎年必ず私に思い出させてくれる(笑。

さ、どのメーカーのスタッドレスタイヤにしようか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?