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子どもが集中している時間を見守る【Aflevering.62】

 日本語教室の小学生クラスでは、正月や七夕など文化行事に関わる学びも取り入れています。
 ここ最近では5月の「子どもの日」のクラフトをしたり、「母の日」のお母様へのメッセージを書いたりしました。
 また、今週の授業では「父の日」に備えて、お父様に宛てたメッセージカードを作成しています。

子どもたちの真剣な表情にはいつも感動

 教科書の勉強があまり好きでない子が比較的多いですが、友達に手紙を書いたり、ご家族に宛てたお手紙の作成は、みんな喜んで取り組んでくれます。

 その時の子どもたちは、どんな言葉を書こうか真剣に考えたり、「あの文字はなんだっけ?」と言いながら必死にひらがな表を使って文字を探したりしています。

 自分が表現したい気持ちを必死で文字にあらわそうとしている時の真剣な表情は、まさに今この瞬間に学んでいるという、なんとも言えない充実感があります。

子どもの達成感・充実感を優先する

 子どもたちの真剣な活動を見守っていると、ふと書き順の間違いや、文字の止め・はらいができていないのを見つけたりします。しかし、私は子どもが集中している時は声をかけません。
 子どもたちの集中がひと段落ついた時に声をかけるようにしています。

 私にとって文字というのは、その文字を読んだ人が何の文字なのかを判別できていれば問題ないと思っています。
 子どもたちにわざわざ「気にしなくて良い」というようなことは言いませんが、文字に対するこだわりを子どもに押し付けすぎないように気をつけています。むしろ、日本語の勉強を通していろんな成功体験を積み重ねてもらいたいと思っています。
 基本的には、日本語での表現力を鍛えるために、書き順や文字の形に対して執拗に注意はしません。時と場合によって、子どもの意欲を奪わないタイミングを見計らってアドバイスするよう心がけています。

 今取り組んでいる「父の日メッセージカード作り」のような活動で、何よりも優先すべきことは「日本語を使うことが楽しい」と思ってもらうことです。
 間違えた文字についてはさりげなく指摘しますが、子どもたちが夢中で書いた文字を否定することは、私自身とても心が痛みます。
 むしろ、一生懸命書いたことを褒めてあげて、それ以上の話を受け入れられそうならアドバイスをしています。文字の細かいところに関しては、私が書いている様子を見て学んでもらえばよいかと思います。

子どもが書いた文字を見るのではなく、子どもが書いている様子を見る

 最後に、私が高校で授業をしていた時に気にかけていたことなのですが、活動する生徒たちの様子を入念に観察するようにしていました。

 生徒たちが今どんな状態でその活動をしているのか、例えば指示の内容がうまく伝わっていないのか、伝わってはいるが考えている段階なのか、話し合いがうまくいっていないのか、などをよく見て、適宜生徒個人やクラス全体への声かけをしてきました。
 そうすることで、生徒にとって学びに集中しやすい環境を作ることができていたと思っています。

 小学生と高校生では勝手が違いますが、子どもたちの様子をよく観察してこれからも学習サポートを続けていきます。

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