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日本の元高校社会科の教員として、IB(国際バカロレア)の学校に通う生徒の学習内容やテーマにいつも驚かされています。今回は、日本の中学1年生にあたる生徒が社会科でどんなことを学んでいるのかについて述べ、私自身がそこで感じたことを記録しておきたいと思います。 私は現在、オランダのデン・ハーグで日本語教室を開き、子どもたちの日本語を学習するお手伝いをしたり、日本にいる中高生を対象にオンライン家庭教師をしています。私がサポートする生徒の中には、オランダの国際バカロレアの学校に通
公立高校の教員を退職して4年が経過しました。公務員を辞めてオランダで0から事業をスタートし、全く異なる働き方や仕事の取り組み方でここまで続けてきました。オランダでの生活は、毎日が学びの連続で、仕事においても常に試行錯誤や新しいチャレンジが求めれます。 特に、これまではある程度学力が揃っている学校で、さらに年齢も似ていることから、「この年齢だったらこれぐらいのことはできる」「この年齢で学ぶレベルはこの程度だ」といったような固定観念を持っていることに気づくことができませんでし
今月から2023年の新しい年度がスタートしました。新年度を迎えるにあたって、新たにIB(国際バカロレア)関連のサポートをさせていただく生徒も入ってきてくれて、IGCSEやIBなどの探究型の学びに寄り添いながら、私自身のスキルアップも目指していきたいと思います。 2019年にIB教育に関心を持ち、IBが行っているワークショップに参加しました。そこから自分の授業に探究的な学びを実験的に導入し、現在はオランダで子どもたちの日本語学習のサポートの仕事をしながら、IB教育やIGS
社会科において、日本と海外のカリキュラム(今回はケンブリッジ式のIGCSE)で学んでいる生徒を比較してみると、学び方や評価の方法にかなり違いがあります。今回は、学年の最終試験を見て感じたことを記録しておきます。 夏休みに入る前に、私が日本語のサポートをしている生徒の最終試験が終了しました。社会の勉強が基本的に苦手だった生徒ですが、今回のテストで88/100点が取れたそうで、成績も「5から7へ」上がりました。 試験内容 今回見させてもらったIGCSEのテストでは知識だけ
私は現在オンラインサポートの一環で、ケンブリッジ式のカリキュラムIGCSEで学ぶ中学生の学習サポートをしています。日本語が第一言語の子に対して、学校で英語で学んでいる内容に関する理解の手助けと日本語力を維持するためのお手伝いです。 私の役割は、生徒たちが学校で学んできた内容について、理解ができなかったところや単元として理解しておくべきこと、そしてテスト対策などのサポートをしています。 もちろん生徒たちの自己実現のためのお手伝いが何よりのミッションなのですが、日本のカリ
インターの中学校(IGCSEのカリキュラム)に通う生徒の授業記録です。今回は、「磁石が身近に使われている例について調べる」という課題のサポートをさせていただきました。 IGCSEとは? IGCSEとは、ケンブリッジの国際教育プログラムのことで、世界中で認められている国際的なカリキュラムの1つです。こちらの学習もIBと同様に、探究的な学びが提供されているように感じます。 私の役割 私が日本語のサポートをしている生徒はIGCSEの学校に通っています。先日、理科の授業で「磁石
先日、国際バカロレアのIBDPで学んでいる生徒のPaper2の添削をさせていただきました。今回のテーマは、「作品に描かれる『死』によって、作者が生きることの意味について何を伝えようとしているのか」です。作品によって描かれる「死」を登場人物にどのように投影しているのか、そしてそれが作品間でどのような違いがあるかを分析します。 今回の記事では、文学作品に基づいて生徒と議論した「死生観」の内容を、授業記録として書きたいと思います。 IBDP「日本語A」Paper2の試験とは
私は元公立の高校の社会科教諭として勤務していましたが、現在は教育を視野を広げるために、オランダでいろんなカリキュラムの生徒の日本語サポートをしています。その中でも、IB MYPに通う生徒の日本語サポートをしていると、元社会科教諭として色々気付かされることがあります。 これまでにIB MYPの授業の魅力について記録してきましたが、今回は試験問題がどうなっているのかについて書きたいと思います。 IBの試験ってどんな感じなのか? 今回生徒からフィードバックをもらったテストはい
中学生の社会科で、「資本主義」がどういうものなのかを、どれぐらいの生徒たちが、自分の言葉で説明できるぐらい理解しているでしょうか。 もちろんIBの生徒全員が説明できるわけではありませんが、少なくとも授業の中で、「資本主義」というイデオロギーをテーマとして、その成立や影響について考えることは魅力的です。また、イデオロギーという抽象的なものを学ぶことで見えてくるものもあります。 今回は、私が日本語のサポートをさせてもらっているIB MYPの生徒が学校で学んだ「資本主義と
私が学習サポートをしている生徒はIBの学校に通っています。その学校で学んだことを日本語で解説を加えたり、日本語でのエッセイにまとめる練習をしています。 IBの学習を見ていると、社会科の学習内容は確かに難しいですが、それらを学ぶことで得るものもたくさんあります。具体的には、世の中を見る視野が広がったり、考える力を身につけることができると感じます。 今回はその例の一つとして、「奴隷貿易」の授業について記録しています。 「奴隷貿易」の全体を捉える 大西洋を囲むヨーロッパ
高校の政治経済を学んだことがある人は、この人物と著書の名前は聞いたことがあるかもしれません。しかし、私たちはそこから一体どんなことを学んだのでしょうか。 もちろん学んだことを全て覚えているというのはほぼ不可能なことです。しかし、社会科の学習を通して、自分の生き方だったり、世の中や物事を広くとらえることに役立ってほしいと思います。 以前から、IB MYPに通っている生徒の日本語サポートをさせてもらっています。今日は、その中で感じたIBで学ぶ社会科の魅力について記録して
先日、オランダのIBに通う中学生(MYP生)がどのように歴史を学んでいるのかについて記事を書かせていただきました。今回は、日本の学校でも学ぶ「宗教改革」について、IB生がどのように学んでいるのかを紹介させていただきます。 IBのMYPでは、いわゆる日本の中学生にあたる年齢ですが、学習内容は高校生並みです。私がサポートしている生徒は英語が第二言語にあたるため、IBでの勉強は言語面と内容面、2つの意味で苦労しています。私は日本語としての理解の部分でのサポートをさせていただい
4ヶ月前ぐらいに、IB教育のMYPで学んでいる社会科の学習について記事にまとめました。そこでは、日本の公立中学校では学ばないレベルの高さと探究的な問いに驚いたことについて書きました。ただ難しいレベルをやっているからといって、素晴らしい教育だと決めつけるのは時期尚早というものです。そのレベルに12,13歳の子どもたちがついていけているのか不安もありますが、その辺りは実際に教えている教員でないと感覚としては分からないかもしれません。 私が公立高校で教えていた時(2年以上前で
「学習」は言語習得が目的ではない 先日、IB(国際バカロレア)のカリキュラムで学んでいるMYP5の生徒から、学校での学習言語(ここでは英語)が第一言語でない子にとって忘れてはならない大切なことを教えてもらいました。 私は現在、海外での日本語学習サポートとして、日本語の「読む力」や「表現力を高める」ためのお手伝いをさせていただいております。対象となる生徒は、オランダの現地校やインターナショナルスクールに通う生徒たちです。その生徒の一人が、先日私の授業で学校の先生からとても